第1回毎週web句会いちごつみ川柳

戻る

第1回 平成30年8月1日 真島久美子、月波与生、森山文切

1-1: 句数20, 1句3分以内, 文>与>久>文‥
1 界隈がアナルを詠めと騒がしい 文切
2 騒がしい無人館から偽メロス 与生
3 メロスにはなれそうもない月の位置 久美子
4 位置ばかり気になるインド象の鼻 文切
5 鼻穴をずんずん掘ればゴビ砂漠 与生
6 爬虫類だろう砂漠に置く身体 久美子
7 後輩の席に缶コーヒーを置く 文切
8 足のないムカデを後輩が食べた 与生
9 スリッパの裏で化石になるムカデ 久美子
10 三次会ゴリッパデスと言う女 文切
11 三次会以降六本指のまま 与生
12 六本目ですね哀しい酒ですね 久美子
13 原油高騰ジャムおじさんの哀しい目 文切
14 おじさんのポッケから肩たたき券落ちる 与生
15 不器用な男だポッケから土偶 久美子
16 土偶にも腰のくびれがあって春 文切
17 いもうとのくびれでパンを焼いている 与生
18 抱いているフランスパンは正統派 久美子
19 フランスのにおいはしないブルドッグ 文切
20 ブルドッグソースを全部使った送別会 与生
1-2: 句数20, 1句1分以内, 久>与>文>久‥
1 ステーキを貧乏神に食べさせる 久美子
2 ひと筆書きで描く貧乏神のおうち 与生
3 おうちから逃げ出していくお釈迦さま 文切
4 常識を捨てる明日のお釈迦さま 久美子
5 テッシュペーパー捨てるだって夢だもの 与生
6 トイレからだものだものというポエム 文切
7 ポエムなどぶった斬ります経験値 久美子
8 経験値が高くて学割が効かない 与生
9 シャチョサンの高くて届かないお部屋 文切
10 届かないところに置いてある痒み 久美子
11 新しい痒みを発見する器械 与生
12 不思議発見などと叫んでパトカーへ 文切
13 順不同不思議な虹を見てしまう 久美子
14 虹消えて無口になっているカツオ 与生
15 ムーミンが消えてしまった子供部屋 文切
16 肉食のムーミンならばここに居る 久美子
17 肉食のキリストばかり増えている 与生
18 ドラえもんブラックリストから漏れる 文切
19 膝深く曲げると言の葉が漏れる 久美子
20 膝小僧たたいておばあさんを軟派 与生
1-3: 句数20, 1句3分以内, 文>与>久>文‥
1 サルモネラ菌には効かぬお説教 文切
2 お説教続いて溺れちゃったくじら 与生
3 死刑執行くじらの声を聞いている 久美子
4 退去日に台所から声がする 文切
5 台所新たな草冠が生える 与生
6 生えるまで黙って正座するつもり 久美子
7 激怒するコアラ黙っているパンダ 文切
8 激怒したままラブホテルで白骨化 与生
9 ラブホテルなんて死語だと言う毛虫 久美子
10 トゲのある言葉毛虫に諭される 文切
11 諭される天皇に似たミス日本 与生
12 似た声に振り向くばかり交差点 久美子
13 カッチャンと呼んで振り向くのはカエル 文切
14 さんずいを付け夏らしくなるカエル 与生
15 付け足しのようにため息ついている 久美子
16 ライオンのため息漏れる運搬車 文切
17 ライオンの祈りのような抜糸痕 与生
18 抜糸するまでは笑っているオンナ 久美子
19 ナナフシが切り替えているオンとオフ 文切
20 ナナフシギキエテアナタダケノコス 与生

経緯と反省

真島久美子
前(鼻穴をずんずん掘ればゴビ砂漠)
1-1, 6 爬虫類だろう砂漠に置く身体
経緯 「鼻穴」が一番に目についたが「鼻の穴」という言葉しか使ったことがなかった。いちごつみだから「鼻の穴」では使えない。砂漠を使った方が早いと思った。ゴビ砂漠を想像した時に蛇と蜥蜴が浮かんだ。だったら爬虫類として、そこは読み手に想像してもらう。自分が爬虫類でなければならないから「身体」をポンと置いてみた。
反省 小手先だけで作句した感じがして、ちょっと心が痛む。自分の身体なのだから「置く」と説明するよりも投げ捨てる感じを出してもよかったかな。
前(おじさんのポッケから肩たたき券落ちる)
1-1, 15 不器用な男だポッケから土偶
経緯 肩たたき券っていいなぁと思ったが、自分らしさを考えたら「おじさん」だった。おじさんで作句したら違反だったので(連続つみ)作り直し。

目についたのはカタカナ。ポッケなら簡単に出来そうだ。ポッケから何が出てきたら驚くかなって考えた時に「埴輪」が出た。不器用な男のポッケから埴輪よりも「土偶」が合うんじゃないかと思い、ギリで土偶に入れ替えた。

反省 投句してすぐに助詞で失敗したと思った。

不器用な男「の」ポッケから土偶

にした方が、焦点が絞られたと思う。

前(ムーミンが消えてしまった子供部屋)
1-2, 16 肉食のムーミンならばここに居る
経緯 ムーミンが綿菓子を作って、作りすぎて雲になった話を思い出した。でも、ムーミンを癒し系で詠むのは嫌だったので「肉食」にして野性的にしてみた。だけど下五が出てこなくて止まってしまった。肉食のムーミンだけでも存在感は大きいから、それ以外伝えることも無いと思い簡単に流してしまった。
反省 「どうでしょう」とか「群れません」とか、言葉はあったはず。あの場でそれが出てこないのが制限時間という焦り。ムーミンを肉食にして、ワタシを草食にして並べればよかった。
森山文切
前(不器用な男だポッケから土偶)
1-1, 16 土偶にも腰のくびれがあって春
経緯 土偶をつむことは瞬間的に決めた。真っ先に思い浮かんだイメージは腰のくびれだったので、土偶と腰のくびれを打ち込む。

土偶腰のくびれ

土偶と腰のくびれに二音字入れるとリズムが整うので、流れが良さそうな「にも」を選択

土偶にも腰のくびれ

AにもBがある、が自然な流れだけど、土偶に腰のくびれがあるのは普通のことなので、「あってXX」のXXで意表をついた具象を持ってこようとした。

土偶にも腰のくびれがあって

ここまでで残り1分。もう引き返す時間はない。二音字でいろいろ探したけど結局浮かばず、季節にすることに。夏はくびれとつきすぎ、秋冬は遠すぎで春を選択した。

反省 「くびれ」だけで腰は想起させられるので腰は不要。というか土偶のくびれだけで、「土偶にも腰のくびれがあって」を包括できる。「土偶のくびれ」にすればあと10音字も使える。音字数を無駄遣いした駄句。
前(似た声に振り向くばかり交差点)
1-3, 13 カッチャンと呼んで振り向くのはカエル
経緯 前の句の言葉がどれもありふれた言葉でどの語をつむか考えるのに結構時間を使ってしまった。1分くらいか。時間がないのでとりあえず振り向くを選ぶ。

振り向く

振り向くだから、呼んでみた

呼んで振り向く

七音字だから中七に置くことにする。が、最初に時間を使って焦っていたこともあってか上五も下五も思い浮かばない。必死にリンクを探す。振り向く=振り返る、でカエルにする。三音字なので二音字足さないといけない。流れから「のは」を選択

呼んで振り向くのはカエル

あと10秒。カエルだからカッチャン。「タッチ」にカッチャンっていたよね?かっこよかったよね?

反省 「呼んで」が効いていないし、入れるなら「呼ばれ」の方がいい。どっちにしても「振り向く」だけで想起させられる。後半も「振り向くのがカエル」にして、前半部分をカエルのイメージの範疇に入りつつ意外な言葉を持ってくればよかった。

カッチャン?誰だよ(憤怒)

前(付け足しのようにため息ついている)
1-3, 16 ライオンのため息漏れる運搬車
経緯 開始から2時間近く経過してかなり疲れていたので作りやすそうな「ため息」をチョイス。ため息といえば「吐く」だけどあまりにも着きすぎているので「漏れる」にした。

ため息漏れる

七音字なので中七に置く。ため息とはイメージが遠い具象を使いたい。ライオンがパッと浮かんだ。

ライオンのため息漏れる

ここまでで1分。下五に入れる言葉として檻がすぐ浮かんだけど、動物園の檻に入れられたライオンがため息を吐くのは平凡。でももう動物園のライオンから離れられなかったので、動物園で起こり得そうなシチュエーションでイメージを探して出てきたのが運搬車。運ばれる先や運ばれることになった経緯など想像の余地があると判断して、運搬車に決めた。疲れからこれ以上考えるのを拒否して2分くらいで投句した。

反省 「漏れる」は省けそう。「運搬車」もちょっと強引。スタミナ不足でした。

「第1回毎週web句会いちごつみ川柳」への7件のフィードバック

  1. やってみようかな
    「ひとりいちごつみ川柳1分縛り」

    1. コメントありがとうございます。
      句の質を考えなければ、経験者はそんなに難しくないと思います。一度やってみてください。

  2. 川柳でのいちごつみを拝読させていただきました。時間縛りでこれだけのものが出来るのですね。壮観です。
    短歌でのいちごつみは違反したらやり直しのケースが多いと思います。時間制限は無いのであまりルール違反はありませんがあえて言うなら二語摘みの違反が多い印象です。
    ちなみに一人でやると発想の迷路に落ち込んでどんどん世界が狭くなっていくのでおすすめしません。私は途中で放置しています(苦笑)
    次回も楽しみにしております。

    1. コメントありがとうございました。

      やはり違反はやり直しでいいんですね。

      川柳上達のコツは「多作多読」と言われています。いちごつみは両方できるので、練習方法としていいシステムだと思います。
      twitterで川柳を盛り上げてください。今後のご活躍に期待しております。

  3. 初めての挑戦でしたが、時間を忘れてしまうほど楽しかったです。
    死ぬまでやっていたいですね。
    でも一人で死ぬまでやるのは嫌だな。仲間と死ぬまで・・・。

    投句してから、2秒くらいで推敲できる場所に気付きます。
    「あっ」と思うけれど、時すでに遅し。
    一分いちごつみを経験すると、三分になった時に余裕が生まれます。
    私と与生さんは「違反」を注意されながら、泣きながらやりました。
    作句の時間も限られているのに、人の違反を見逃さない文切さんが鬼に見えました。
    皆さんも一緒にいちごつみに行きましょう!!!

    1. お忙しい中ありがとうございました。

      今回はルール違反があったら作り直してもらいました。60句のうち3、4回あったと思います。

      本来のいちごつみで違反があったらどうするんでしょうか?誰か教えてください。

  4. 手探り状態でルールが正しいのかもよくわかりませんが、とりあえずやってみました。

    1句1分をやったのは意図があります。
    入力も含めて1分なので、1分だと第一着想をほぼそのままの形で出すことになります。いわゆる構文的な句や常套句が増えると予想して実施しましたが、結果はいかがでしょうか?

    自分の実力を確認できるので、1分縛りオススメです。いちごつみはひとりでもできます。ストイックな方は「ひとりいちごつみ川柳1分縛り」にトライしてみてください。

    ワタシはやりません(笑)

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)