第147回(2019/1/27-2019/2/2投句分)

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51名97句 森山文切選
二枚舌の内緒知ってるサンゴ礁 澤井敏治
字余りを吐き出してくるドライヤー 未補
再びの嵐の前の静けさか 雪上牡丹餅
ゲーム機を自分で買うが興味無し 大江マンソン
木彫り熊あひるの御虎子雪うさぎ サトシワタナベ
墨を置く度に入ってゆく宇宙 アゲハ
野良猫がわかった顔でポーズ取る 諏訪灯
前髪の向こうに話しかけてみる 西沢葉火
大根を切るセンテンススプリング 藤井智史
下がり眉森本レオのナレーション ヨッシー
寝袋をちょっとずらしている蕾 岩根彰子
豆撒きの巫女に恋するうぶな鬼 八郎
公式の廃墟に灯す1いいね 岩倉曰
おしゃべりなクリームパンを探してる 麦乃
引き算で残った僕は貴重品 小林祥司
ただ切ればいいってもんじゃないサラダ 阿部千枝子
ベランダに神話に出てきそうな石 御殿山みなみ
開ける前からやる気になっているカイロ 御殿山みなみ
巻き寿司の巻くまでもなく施工不備 馬鈴
郵便受けに大量の風   臭う 尾崎良仁
マチュピチュで子持ちししゃもを売るバイト ペンギンおじさん
ミッキーの耳がもげてるキーホルダー 甘酢あんかけ
修飾の一切なくし露天風呂 くに
トイレから鱗をめくる音がする
芍薬
佳5 黒幕のウサギの耳が長すぎる 平井美智子
佳4 団塊に平成という揮発剤 武良銀茶
佳3 なぎなたとあなたを換えにゆく市場 笹川諒
佳2 追伸が届いた速い川だった 斎藤秀雄
佳1 裏にまで色付けされてない切手 青砥たかこ
定冠詞付かない人の群れにいる がね
評:そんな、わたしも。
標本と朝が来るのを待つ画像 エノモトユミ
評:待ち受け画像に。
脳ソテー羊が恋をした部分 犬井隆太
評:沈黙風羊の脳ソテー 〜濃厚なドーパミンとエストロゲンのレクターソース〜

「第147回(2019/1/27-2019/2/2投句分)」への6件のフィードバック

  1. ご家族に蔓延中のインフルエンザ、どうぞお大事に!
    あとR・ストーンズは「山羊」の頭のスープ。
    まちがえて「羊」だなんて、だいぶ掲句に引っぱられてますねw

    1. 山羊の頭のスープ、YouTubeで聴きました。
      Doo Doo Doo Doo Dooが好きですね。インスピレーションもらって作句に活かしたいです。

  2. Ah~おもしろかったです!やっぱり上五「脳ソテー」ですよね、強烈な一撃!あと「羊たちの沈黙」は当然ながら、それが「子供の時にみた」というのが第二の衝撃で・・・だとすりゃ主宰はストーンズ「羊の頭のスープ」なんてアルバムご存知ないよねえ(遠い目)
    がベタなレクター博士とクラリスの物語的解釈かと思いきや、そこへ「料理人」なる第三の存在の指摘にはおどろかされました。
    「わたしはもちろん、料理人はそれとわかる味と形状を維持したままソテーにする技術があり」さらに「わたしとこの料理人にはドラマがある」との一行はスリリングで、非常に腑に落ちたのでした。
    最後にひとこと「没リヌス菌」わたしからは異常、否、以上で~す!

    1. コメントありがとうございます。
      「羊たちの沈黙」のイメージが強い句ですが、そこから離れても句として成り立っており、両方の読みがリンクしている点が素晴らしいと思いました。

      子供は3人ともインフルエンザ、妻もついに発熱し、没リヌス菌ではなくインフルエンザウイルスが蔓延している我が家です。

  3. 天の句、その技と心

    脳ソテー羊が恋をした部分 犬井隆太

    ※文中の”「わたし」”は句の主語、”私”は森山文切です。

    中七下五だけであれば単にメルヘンチックな印象であるが、上五に持ってきた「脳ソテー」が効いた。

    「脳」「羊」と、直接示してはいないものの「食べる」もパッと想起できる言葉で、これらから子供の時に見た映画『羊たちの沈黙』を真っ先に思い浮かべた。ネタバレになるので詳細は書かないが、レクター博士とクラリスの食事のシーンや、最後の飛行機のシーンは今でも鮮明に覚えている。確定的でない分、逆に怖さが増したシーンである。

    意味に寄せて読むと、直接は示されていない料理人の存在が面白い。「わたし」はもちろんのこと、料理人も羊がどの部分で恋をするのか知っている。料理人はそれとわかる味と形状を維持したままソテーにする技術があり、「わたし」はそれを認知する知識と味覚を持っていることになる。「わたし」とこの料理人の関係にはドラマがある。例えば、レクター博士とクラリスのような。

    私は「脳ソテー」を食べたことがないし、多くの人がそれほど頻繁には食べないだろう。味は、私は想像するしかないが、内臓系だけに大人な味をイメージしている。「脳」の仕組みは複雑怪奇で現代科学をもってしても完全には解明されていない。イメージに寄せて読むと、羊の脳ソテーを食べて恋を感じている「わたし」は、ちょっとフクザツな大人の恋の真っ只中にいる。

    大人の恋は、単純なメルヘンの世界ではない。怖くて、苦くて、フクザツで、さまざまなドラマがある。「脳ソテー」の意味とイメージが最大限主張に絡んだ強い表現力がある句となった。

  4. 没のポイント3(おやつリスペクト)

    1 読めない
    読みを共有できない場合、ボツに、限りなくなりやすいです。川柳は17字の文芸ではなく、17音字の文芸です。五音、七音、五音が原則です。例えば”◎”は多くの人が「にじゅうまる」と読むはずで読みを共有できますが、テレビのテロップで出演者がわけがわからないことを言った時に用いられる”◎%×$☆♭#▲!※”の類は読みを共有できるとは言えないでしょう。披講がないweb句会であっても、『川柳』が掲げられている以上は読みを共有できるかを意識してください。
    ※上記は私が選者の場合の考えであり、読めなくても川柳である、という考えをお持ちの方もおられるでしょうし、その考えを否定するつもりはございません。

    2 固有名詞だらけ
    固有名詞ばかりの句はボツ、になりやすいです。固有名詞は意味もイメージもかなり強いため、複数ある場合はそれぞれの意味とイメージのベクトルが同じ方向でないと句としてはバラついた印象になりやすいです。

    3 その他諸々
    Botsuってハニー

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