第142回(2018/12/23-12/29投句分)

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47名89句 森山文切選
寝言でも「さようですか」を噛んでいる 宮下倖
ドローンで見下ろす専務の日常 あまの太郎
断トツに笠か帽子をかぶせたい たにゆめ
ダイエットしたけど恋はしていない 真島凉
気付いたら空転ブランコ乗りのキキ 笹川諒
人の手をまだ覚えてるコガネムシ 宮下倖
平成を貝殻節で撫で生す 岩根彰子
オフィスビル左脳に夜が忍び込む くに
仙台の朝を托鉢僧の鈴 いゆ蘭
アーモンドとしてあなたを救う豆 平出奔
設計上蛇口は過去を忘れます 芍薬
違う助詞使い大爆発の頭 藤井智史
期末試験ジャバウォッキーと夜を越す 羽根
押印が少し傾く免罪符 多舵洋
干し柿に粉をまぶした祖母の嘘 西沢葉火
ねっとりと干し芋が歯にキスをする 諏訪灯
通知表○の数だけ平等だ 真島芽
神様はお客様より表現者 ヨッシー
唾液かもしれないけれど雪の味 くみくみ
佳5 メンバーズカードを切った修行僧 袴田朱夏
佳4 幾たびも起死回生の鍋つかみ 笹川諒
佳3 お値段によって歩幅が変わります 尾崎良仁
佳3 横切った黒猫だって泣いている 日向彼方
佳1 ぬるい傷ひらかぬように福笑い 秋鹿町
魂のすすむ秒針アレルギー エノモトユミ
評:デジタル時計を使いましょう。
組み立てたロールケーキの上に月 エノモトユミ
評:違和感がないことに対する違和感
答などないのか君の耳の穴 くみくみ
評:ふたりには「今」しかない。

「第142回(2018/12/23-12/29投句分)」への4件のフィードバック

  1. う~ん、と思わず唸ってしまった。ご指摘の「答」はじめ、構文も非常に俳句的です。さらに疑問形も俳句ではテクニックの一つ。
    今回わたしも疑問形のを一句、これは明確に俳句として完成をみたものをためしに投稿したのですが・・・なるほど川柳は疑問形とは相容れぬ。それくらいのつもりでいたほうがよさそうですね。川柳における主張はいいきる強さをもて!と、ノートにメモメモメ。

    1. コメントありがとうございます。

      今回の天の句も疑問形ですし、必ずしも疑問形が悪いというわけではありませんが、川柳では多くの場合で言い切った方が主張が強くなると思います。

  2. 天の句、その技と心

    答などないのか君の耳の穴 くみくみ

    技術的に気になる点が2つある。

    ひとつめは既視感である。「答などないのか」という導入は他にも例があるだろうし、「耳の穴」の句も多くある。一般に、既視感のある句は既視感を超える主張の強さか、既視感があること自体が句意に取り込まれていなければ成立しない。

    ふたつめは「答」。送り仮名は原則以下の”送り仮名の付け方”に従うべきと考えている。
    http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19730618001/k19730618001.html
    一般に、「答」は許容されるものの”答え”が適切である。このようなケースでは「え」がないことが句意に効いているか注意深く読む必要がある。

    この2点から揚句を読む。答がない「君の耳の穴」であるから、パートナーには耳かきをしてもらえない浮気ヤローに「耳かきしてほしいお」などと頼まれ耳かきをしている情景が浮かぶ。いつもと同じ耳かきで、いつもと同じ幸せそうな浮気ヤローの横顔を眺めつつ、いつもと同じように「これでいいのか、これでいいんだ」と考えている「わたし」。既視感のある「耳の穴」の中で悩む「わたし」と、句の既視感がリンクしている。

    この「わたし」には「え」がない。浮気ヤローとの将来の絵が描けない。ビジョンがない。未来がない。あるのは浮気ヤローの「耳の穴」だけである。満足できない現状に、満足していると自分自身に思い込ませている。

    この現状から抜け出すには「わたし」が自分で気づくしかない。「わたし」が「え」を取り戻して耳かきをぶち折って浮気ヤローに投げつける日が、1日でも早く来ることを願っている。

  3. 没のポイント3(おやつリスペクト)

    1 標語
    人生訓そのもので標語のような句は、ボツです。誰にも当てはまることなので、いつ、どこで、どんな場面で、そのように感じたのかがわかる表現にしましょう。

    2 疑問形
    安易に疑問形にするとボツ、になりやすいです。答えを知っているなら言い切ってしまいましょう。リアルに想像してみてください。あなたの周りにやたらと疑問形使う人、いませんか?イラッとしませんか?

    3 その他諸々
    男塾名物「没針愚」

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