第139回(2018/12/2-12/8投句分)

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51名96句 森山文切選
いっこく堂の間合いで語る特派員 ヨッシー
シマウマがパンダを騙す常套句 あまの太郎
AIが自動忖度致します 柊無扇
検査などご免ここまで生きたから  風間なごみ
履くときは覚悟を決めて白い足袋 阿部千枝子
ふたりとも頬に寝跡がある日の出 原田鴨目
秘め事は渡り廊下の奥の部屋 八郎
星からの白い憎しみ目に刺さる 上篠かける
蟹脚を折れば呪いは解けましょう 岩倉曰
花は勝手に開くものだと勘違い はな
頂上に残されているごはんつぶ 大塚凱
輪郭を思い出せない金閣寺 芍薬
イノシシもブタに恋して水鏡 武良銀茶
サヨナラがピアスホールに突き刺さる 多実果
金環食つなげて知恵の輪をつくる 真中北辰
過去を追う首が雑踏に紛れる 藤沢修司
海底で寝ていたかった微生物 犬井隆太
月光に不起訴処分を言い渡す 絵空事廃墟
モンスターボール持ち出す物理棟 伊湯蘭
戯曲では臭いのしない豚が鳴く 西沢葉火
へべれけに傘はそのまま高架下 田村わごむ
過ちのまっ只中の正常位 中村佐貴
ある程度何でもできる山へ行く 笹川諒
叩かれててろんてろんとなる初心 よーこ

絶望を星屑にする水樹奈々 藤井智史
おおきいとないのあいだが跨線橋 斎藤秀雄
噛みついてくるありふれている時間 くに
手拍子で煽ってちょうどよい交尾 未補
母の愛なく動物園のにおい 小俵鱚太
白線をジャージの本体にしない 袴田朱夏
評:ロゴマーク「わしが本体じゃ」
背景の虹を無視する翻訳機 福村まこと
評:高文脈文化に対応した翻訳機の開発が待たれる。
牛乳の蓋が詰まった募金箱 岩倉曰
評:レア物は1枚数万円らしいです。

「第139回(2018/12/2-12/8投句分)」への3件のフィードバック

  1. 天の句、その技と心

    牛乳の蓋が詰まった募金箱 岩倉曰

    ぱっと見の印象は子供のおままごとだった。うちは真ん中の子と下の子が乳のアレルギーなのでこのような状況は生じないが、似たようなことは実際したことがある。第一印象では微笑ましい句だと思った。

    そこから読み進めて天としたポイントは2つ。

    ひとつめは「牛乳の蓋」。単なるゴミと思う人もいるかもしれないが、某フリマアプリでは有価で取引されている。主にコレクション目的で、子供の工作など様々な需要があるらしい。希少価値が高いものだと1枚数万円する牛乳の蓋もあるようだ。多くの人の生活圏の中にあり、人によってゴミだったり高い価値があったりするという意味性が強い具象だ。私個人としては瓶の牛乳はここ何年も飲んでおらず、もっぱら紙パックなので懐かしさも感じる。また意味だけではなく、大きさ、丸さ、柔らかさなどイメージも強い具象である。

    ふたつめは「募金箱」。比較対象としてすぐ貯金箱を思い浮かべた。貯金と募金の違いは自分のためか、他人のためかである。貯金箱であればおままごとの句と読んだかもしれないが、「募金箱」として、前述の意味とイメージを持つ「牛乳の蓋」と組み合わせたことで別の主張が生まれた。おままごとで牛乳の蓋がいっぱいの募金箱には他人を幸せにする夢がいっぱい詰まっているだろう。「ゴミじゃんw」というきれいごとが嫌いな人にとっても、その人がそう思っているだけで別の観点からはっきりとした価値がある。

    自分のためにしてもらっている価値あることを、価値なしと決めつけていないか?

    読者として、ひとりの人間として、自問しなければならないことではないだろうか。

  2. 没のポイント3(おやつリスペクト)

    1 文語体と口語体の混在
    文語体と口語体が混在しているとボツ、になりやすいです。ギャップが句意に効いていない場合、統一感が生まれずイメージが分散してしまいます。

    2 無理な造語
    一般に使われていない無理な造語は、ボツです。「意味通じるだろ?忖度しろよ」という姿勢が前面に出ると、カッコワルイ。

    3 その他諸々
    没起禁止

  3. 【定期】掲載順

    1句目、2句目はユーモア、時事吟など比較的インパクトがあると判断した句で、平抜き上位と同じくらいの評価

    3句目が入選句の中では一番下と評価した句で、3句目以降は下に行くほど順に良いと判断した句です。

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