第135回(2018/11/4-11/10投句分)

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49名96句 森山文切選
愛に死す今のジュリーに言われても 阿部千枝子
 -○-○- どんな景色の置き忘れ とわさき芽ぐみ
旅先の夜空の星が僕を待つ 市川雄太
やる事がたくさんあると迷う指 やっこ
繭になる準備こたつにフリースで アゲハ
人を見ず咲いては散って山桜 武良銀茶
イチョウには負けたくない東京タワー 芍薬
ライバルが遠くになっている出番 彦翁
静寂に耳を塞いだクリスマス 日向彼方
やどかりがやどかりを食う小宇宙 岩倉曰
巻き爪の第一継承権を持つ 田村わごむ
真ん中を決めて右腕左腕 西沢葉火
伝言が芸術的に食い違う 犬井隆太
地獄絵図なのにホロリとさせる虫 小俵鱚太
はじまりを知り飽和するシリカゲル 秋鹿町
蒐集家のレコード棚に住む芸者 香菜
反撃の狼煙のためのおろし金 杉倉葉
むささびを淫靡なダウンロードかな 亀山朧
チャラ男当選のハガキ見て固まる 尾崎良仁
光から闇からこぼれゆく団員 絵空事廃墟
五線譜をまっすぐ進む警告音 あまの太郎
月皓々衛戍監獄雁渡る 澤井敏治
忘却を忘れた人が刻むねぎ 江西レイ
ニホンジンナラバヒノマルベントウダ 藤井智史

罫線を消せば自由になれる文字 冬子
やわらかく燃える畳が水の底 斎藤秀雄
白昼堂々レモンの爽やかさ toron*
唐揚げを担保に入れて握手会 あまの太郎
漸化式知っていそうな顔の猫 笹川諒
透明になれば虹呼ぶ水たまり 青砥たかこ
評:虹は水たまりから。
腹巻が伸びるじゃないか手を離せ ヨッシー
評:だっふんだ!!
素麺を曲げずに茹でる裁判所 福村まこと
評:大きな鍋で。

「第135回(2018/11/4-11/10投句分)」への4件のフィードバック

  1. 拙句にご丁寧な読みをいただき恐縮です。自分の詠みをさらに深く広く読んでいただき、勉強になりました。小生もこれからひと様の句をさらにしっかり読みたいと思います。ありがとうございました。

    1. コメントありがとうございます。今後もご投句よろしくお願いいたします。

  2. 天の句、その技と心

    素麺を曲げずに茹でる裁判所 福村まこと

    この句を見たとき真っ先に色が思い浮かんだ。

    「裁判所」で思い浮かべた色は黒。裁判官の法服は「何者にも染まらない」ことから黒と言われている。「素麺」は白。素麺は基本的には白だが、五色素麺などさまざまな色に染められ、裁判官の「何者にも染まらない」とは逆のイメージもある。色とイメージの対比が心地よい。

    「裁判所」には曲がってはいけないイメージはあるので、「曲げずに茹でる」という表現とイメージがマッチする。実際には裁判所でも鍋にざっと素麺を入れて適当に茹でているだろうし、「裁判所の曲がってはいけないという性質を素麺を曲げずに茹でるという表現で見事に示している」などと言うつもりはない。そもそも裁判所で素麺を茹でることがあるのか?という疑問が湧くが、「素麺を茹でる時は曲げてはいけない」という伝統がある裁判所はあってもおかしくはないとも思わせる。

    「素麺を曲げずに茹でる」ことと「裁判所」、それぞれの日常からの距離が絶妙で、硬い表現のしっかりとした主張とともにユーモラスな印象も読者に与えている。「これぞ川柳」と感じさせる句である。

  3. 没のポイント3(おやつリスペクト)

    1 難しいだけ
    「難しい言葉使ってみました」ってだけの句はボツです。難しさ自体やその言葉の意味がきちんと句意に取り込まれていない場合、使ってみたかっただけと判断されてしまいます。今回の入選句にはいくつか難しい言葉が使われているものがありますが、句意に効いています。ボツだった方は入選句と比べてみてください。

    2 リズムが悪いだけ
    ただ単にリズムが悪いだけの句はボツです。川柳は韻律です。リズムは絶対ではないですが、リズムを整える努力をしたのか、リズムを蔑ろにしているのかは選者に伝わります。リズムは大切にしてください。

    3 その他諸々
    ボツなだけ

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