第120回(2018/7/22-7/28投句分)

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47名91句 加藤当白選







ひと言の間合いで負けた口喧嘩 彦翁
日曜は甲羅を脱いで干しておく 冬子
荷崩れは些細な嘘ではじまった 冬子
玄関で葉っぱを取って父になる まさよし
古参兵お辞儀の角度責めてくる 武良銀茶
念願を果たせとダルマ白目むく 小林祥司
朝食べて夕に吐き出すビルの街 小林祥司
割り引いた手形のようなキミの顔 水品団石
熟れている柑橘類に嫉妬する 霧島龍
手に入れるなりたい人になる鏡 麦乃
古里が遠くなる歳取ったから 颯来
嫌なこと忘れるための苦しさよ  風間なごみ
すぐ凹む性質だが弾むのも速い   風間なごみ
ふるさとが無いので妻の背を洗う 尾崎良仁
ひまわりに書き込む夏の時間割 ヨッシー
名をつけてしまったモノは手ばなせぬ 澁谷さくら
半分寝てるとひらめきやって来る アオイ琉星
飲み残しのコーヒー浮かび上がる嘘 はな
はっふんと空をほうばる現在地 くに
生きながら樹皮を喰われて白骨樹 くに
明日は雨痛み知らせる手術跡 田原勝弘





窓枠にしがみ付いてる自己顕示 八郎
喝采に打たれたかったトタン屋根 西沢葉火
蜘蛛の巣に蟹座のあなた感電死 秘まんぢ
底なしの沼に落ちてもお味噌汁 徳重美恵子
赤ちゃんのグーに真新しい銀河 海月漂
五丁目の全部のネジが盆踊り 尾崎良仁
評:誰が欠けてもグラつく絆。古き良き昭和の風情。
大木に生かされている命綱 阿部清明
評:信頼に足る根の深さと見極めてのこと。
教室の壁にノンフィクションの傷 森山文切
評:いずれ解体されて瓦礫になろうとも、15歳の傷はオマエを忘れない・・・
森山文切選







荷崩れは些細な嘘ではじまった 冬子
窓枠にしがみ付いてる自己顕示 八郎
玄関で葉っぱを取って父になる まさよし
古参兵お辞儀の角度責めてくる 武良銀茶
色紙の八百屋リアルなおままごと 芥子
賭博開帳図利罪     夏のハムレット いなだ豆乃助
除草剤撒いて部屋から眺めてる 鮎川弘子
熟れている柑橘類に嫉妬する 霧島龍
雨風が去れば折りたたまれるボク 藤沢修司
幸福の果てまでとんぼついてくる 斎藤秀雄
喝采に打たれたかったトタン屋根 西沢葉火
梅干しと呟きながら砂丘まで 芍薬
かき氷分け合いアツくなってゆく かしくらゆう
年表に徘徊止まぬ元右翼 福村まこと
五丁目の全部のネジが盆踊り 尾崎良仁
名をつけてしまったモノは手ばなせぬ 澁谷さくら
二切れの鰻がうまい誕生日 東川和子
台風ニュース早口になってくる 東川和子
赤ちゃんのグーに真新しい銀河 海月漂
交尾するのも馬鹿馬鹿し蝉鳴かぬ 菊池洋勝
狂い出すサンバのリズム夏祭り 伊藤みこ





ニッコリと笑う引き分け匂わせて 芥子
パトカーの中で教わる黙秘権 水品団石
蜘蛛の巣に蟹座のあなた感電死 秘まんぢ
ふるさとが無いので妻の背を洗う 尾崎良仁
飲み残しのコーヒー浮かび上がる嘘 はな
炎天の仕組みがわかるセミナーへ 斎藤秀雄
評:対策はできないけど、悔しいから仕組みくらいは。
ひまわりに書き込む夏の時間割 ヨッシー
評:あれっ?案外やることが多いな・・・
老いの坂そろそろ「ん」の背が見える 藤沢修司
評:お父さんの背中は大きかった。私の背中はどうだろうか。

第119回(2018/7/15-7/21投句分)

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36名71句 森山文切選
暑いあついだんだんアツイ棘になる はな
好きな人いるよいないよウフフフフ 真島芽
働いた汗が呼び水虫刺され 阿部千枝子
父の家行ったらいつも肉がでる 青井アダン
太陽が往復ビンタする日焼け まさよし
忘れても覚えていますわたくしが 徳重美恵子
流れまい脚を踏ん張る渡月橋 八郎
クレヨンにお祝いされる誕生日 海月漂
避難してきたか網戸に付くヤモリ アゲハ
夏休みもう宿題が通せんぼ 真島芽
再生か屠られていく桃ミカン 畑中玉菜
美しい狩人の矢だ射られよう ホッと射て
産んだ日の鶏に言えない卵の値  なごみ
酒呑むとスーパーマンになる男 冬子
夏休みだからなんだと竹刀振る 真島凉
向日葵が徹底的に無視をする 芍薬
マンゴーが届き家族が殺気立つ くみくみ
すれちがう水の匂いのするひとと よーこ
虫入りの飴を飾った世紀末 霧島龍
太陽をふたつ身ごもる反抗期 福村まこと

月が浮く程度の比重だったのだ 西沢葉火
届きましたか心拍数の乱れ打ち 岩根彰子
カミングアウト水漏れをするように くに
おそろしい袋にためる押しボタン 斎藤秀雄
蟻に噛まれた足を切る話聞く 菊池洋勝
戻れなくなりたいミステリーツアー ヨッシー
評:とか言いながら、本当に戻れなくなったら慰謝料だの何だのという世の中です。
ベランダのトマトほどにも気取れない 藤沢修司
評:トマトはトマトで「あんたほど気取れねぇよ」と思っているかも。
打ち水もされない道が泣いている 伊藤みこ
評:乾いた涙

第118回(2018/7/8-7/14投句分)

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34名66句 森山文切選
妹が反抗期です無視します 真島凉
かわいいと自分で言っちゃダメらしい 真島芽
その先は言わずにおこう負けは負け 小林祥司
パワハラに耐えてパートの七十才 井戸野蛙
富士登山疲れを飛ばすご来光 田原勝弘
風鈴の短冊止まる熱帯夜 両澤行兵衛
父として肩を落としている背中 阿部清明
三センチ不足でいい人になれず くに
間男が来るまで金魚眺めてる 冬子
少女から祖母のにおいがして電話 斎藤秀雄
形状記憶してワイシャツはとぼけない 敏治
オムライス卵のキミをキャンバスに 芥子
恋ばかり熟し青いまま落ちた実 藤沢修司
金魚すくいの紙は資本家側に付く  ヨッシー
β波の方へ動いていく身体 くみくみ
百円で揃ふ入院の持ち物 菊池洋勝
死神が暑中見舞いを手書きする 芍薬
無意識の雨は差音となりとどく くに

鳴り止まぬケータイ 頭突きする金魚 福村まこと
完璧なものに出会えぬボールペン 武良銀茶
仙人になれと寿命がまだ伸びる 彦翁
辛味大根その足跡をボソボソと 岩根彰子
 「ないふ」「かみそり」ひらがなにすればいい 尾崎良仁
サラダサラダあさってのこと考えよう よーこ
評:あさっての方を向きながら。
熱帯夜ハイなカエルの子守唄 畑中玉菜
評:Hey yo! カエルノUTAガ Oh, yaeh! キコエテクルヨ Ah Ha!
竹輪から漏れた話のせこいこと 西沢葉火
評:チーズを詰めて隠していたのに。

第117回(2018/7/1-7/7投句分)

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34名67句 森山文切選
点滅が始まる前に肉料理 阿部千枝子
ごめんねが熟睡をするお爺ちゃん まさよし
曲がり角まっすぐ歩く酔っ払い 武良銀茶
夏用にしたい私の剣道着 真島凉
飲んでいました アリバイはありません 平井美智子
遠浅の海だ楽観主義でいく よーこ
携帯を鳴らしてくれる夏の虫 くみくみ
とりあえず着たらまわりもストライプ 徳重美恵子
そこをどきなさい悲哀が通ります 斎藤秀雄
こっそりと浮かんだ今日の土踏まず 西沢葉火
小躍りの田毎の月が迎えてくれた 岩根彰子
この道で行けよと水たまりに虹 海月漂
塀越しのトマトの熟れが気にかかる はな
ビーナスの顔して招く春画展 福村まこと
理不尽の端っこちょっと吸ってみる 尾崎良仁

上澄みの色は南国パラダイス アオイ琉星
嘘つきが逃げないようにわさび練る 冬子
ランドセルもう水色が飽きている 真島芽
ゼニガメがローンを組んで強くなる 芍薬
水族館のガラスを鼻でスクロール ヨッシー
生命線伸ばすゆとりの土いじり 小林祥司
評:バリバリ働くより長生きしそう。
傾いたままの向日葵 雲を詠む くに
評:太陽は詠めないので。
サングラス外すとヌッと出るおヘソ 畑中玉菜
評:「見てほしかったの、そこじゃねぇんだけど。」

第116回(2018/6/24-6/30投句分)

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34名67句 森山文切選
ツンデレの看板猫が客を呼ぶ はな
入口も出口も遠い恋にいる むぎのあわ
平成に置いて行きたし我が病 淡路獏眠
悪政に鼻をつまんで生きる知恵 柊無扇
橋あればロマンも消える天の川 小林祥司
夕焼けを拾って軒先に吊るす ホッと射て
食べごろかどうか触診するメロン くに
英雄になった気分でするゲーム 彦翁
わたくしの天辺に居る母の星  風間なごみ
大家族だからダチョウの卵焼き 真島芽
ポケットのこぶし震わし見るテレビ 敏治
転向のように昼から飲まされる ヨッシー
ネズミ小僧の豊かな悪が落ちている 岩根彰子
充電が済んだらおんぶしてあげる 真島凉
平成の次へ流されてゆく木偶 藤沢修司
避難指示解除する村の夏草 菊池洋勝
図書館の裏に文士の高楊枝 福村まこと
昼顔の口のところが名医の目 斎藤秀雄

不合理へ敏感になる腹の虫 八郎
マニキュアは遠慮なく赤爪を研ぐ 阿部千枝子
葬式の間に梅雨が明けていた 芍薬
耳の裏ばかり見ている試験官 西沢葉火
秋簾溲瓶を下げる人を呼ぶ 菊池洋勝
親の傘もうスペースはありません 徳重美恵子
評:親はこう言われるのを待っているのかもしれない。
関節をひとつ外して梅雨明ける 尾崎良仁
評:ふたつ外せばまた梅雨になる
時計屋の時間はどこまでも他人 くみくみ
評:冷静に考えるとあんなにたくさんの時計がある部屋は怖い。時計屋の時間とは決して仲良くなってはいけない。仲良しになるとあなたは・・・。