第151回(2019/2/24-2019/3/2投句分)

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57名107句 森山文切選
いぬふぐりふみふみしゃう猫の足 斉尾くにこ
CR冬のソナタも冬のまま 小俵鱚太
バスのなか赤ちゃん「オッポ」連呼の意味 サトシワタナベ
懲役を告げるアプリが200円 ペンギンおじさん
先を見すぎてたった一段踏み外す 青砥たかこ
鼻紙の扱い方に癖が出る 馬鈴
蒸しパンを押し潰してもまだ大人 えや実
夕焼けは薔薇泥棒の成れの果て 杏野カヨ
葉っぱ一枚 隠せない恋心 藤井智史
申請が通らず右大臣は無し 絵空事廃墟
こんな日に限ってオセロ連勝す 坂中茱萸
露出狂肌荒れだけは許さない 秋鹿町
鶏卵の殻のもろさは春の声 諏訪灯
鍵束に蜜はないんだ蝶番 棲絵妥ろか
個室から漏れる他人のラブソング 岩倉曰
しらべたら求愛の鳴き声だった 羽根
虫偏をとればスマホは誘我灯 糸篠エリー
正直に生きて傾く屋台骨 彦翁
新卒の右ストレートはるのかぜ あまの太郎
風合いは落ち着いたLINEです 斉尾くにこ
ラブホから予備校までは迷わない 多舵洋
豚トロに積極性で負けている 朝野陽々
にくしみのバター牡丹の咲く感じ 斎藤秀雄
前髪の長さで求愛する族 平出奔
佳5 月見上げ軍手したままブラ外す 涅槃girl
佳4 曖昧な夢を見ているエノキ茸 平井美智子
佳3 胃袋があるかのように食べる父 武良銀茶
佳2 大福はふしだら誰とでも絡む ヨッシー
佳1 愛されることを疑わない新譜 芍薬
ぶらんこの開き直りに気をつける まさよし
評:ぶらんこはよく使われる具象だが、風刺が効いている。
ピンク色のチラシ散らばるだけの春 若枝あらう
評:春は、ソープから。
相合傘ひっくり返し腕相撲 秋鹿町
評:仲がヨロシイようで。

第150回(2019/2/17-2019/2/23投句分)

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69名134句 兵頭全郎選







雨が止みマイノリティーも折りたたむ まるち
考えるベンチに残るよだれ掛け 澤井敏治
筆箱に嗚咽のような花びらを 甘酢あんかけ
報われぬ唇二丁目二番二号 森山文切
冬には冬の速度で落ちる砂時計 笹川諒
左折して三歩で消えた守護天使 秘まんぢ
乱切りの胡瓜頂点から着地 袴田朱夏
昼顔のほんとの顔は土のした 杏野カヨ
耳打ちをせずに見ている絵の女 かつらいす
お茶をぶちまけて慌てて日が沈む 朝野陽々
ペンだこの中身は見ない方がいい 西沢葉火
待つことに慣れて洗濯乾かない 青砥たかこ
プルタブで星をとらえる女子高生 岩倉曰
村中の花棄てられて青い医者 川合大祐
そこだけは水色の大人の事情 斉尾くにこ
服を脱ぐときのもしかしたらお辞儀 御殿山みなみ
君がいたアパートで揺れる野良猫 夜凪柊
偶然逢うかもしれない青いタオル 岩根彰子
あおぞらにたんぽぽひとつひとつとく 有村桔梗
国境を無傷で越えてゆくうどん 多舵洋
菜の花を咲かせるだけの持久走 未補
小便の流れに沿って紙吹雪 秋鹿町
終電で寝過ごしたからガンダーラ 若枝あらう
献血をする人はみな横たわる がね
佳5 約束の土地でスマホが電池切れ 犬井隆太
佳4 夕立のなかを削って軽くする 斎藤秀雄
佳3 嘘をつくたび伸びてゆく左指 あまの太郎
佳2 しがみつくように漢字にルビがある ヨッシー
佳1 避雷針刺して苺は待っている 城水めぐみ
紐パンは寝首を絞めるには細い 森山文切
評:紐パンの存在理由か絞殺道具としての評価か、考えている姿を想像。
いぶし銀ばかり集まる水戸支店 たにゆめ
評:句中にあるいくつかの?がどれも想像しがいのある楽しい句。
弔問のあと寒すぎる宇宙船 秘まんぢ
評:宇宙からの弔問かその後に乗った(乗せられた)のか、寒すぎるのは心か体感か。
森山文切選







雨が止みマイノリティーも折りたたむ まるち
さなぎから出社拒否するアゲハ蝶 犬井隆太
考えるベンチに残るよだれ掛け 澤井敏治
履歴書に流れ星書き祈ります 涅槃girl
宇宙ひも吊るして飾る万国旗 涅槃girl
冬には冬の速度で落ちる砂時計 笹川諒
弔問のあと寒すぎる宇宙船 秘まんぢ
左折して三歩で消えた守護天使 秘まんぢ
ベランダのおじさんからも見える位置 かつらいす
お茶をぶちまけて慌てて日が沈む 朝野陽々
少年のひらくてのひらから鵜舟 斎藤秀雄
ペンだこの中身は見ない方がいい 西沢葉火
きのうからこの世の出口半開き 武良銀茶
しがみつくように漢字にルビがある ヨッシー
信じてた人のマッチが燃え尽きる 尾崎良仁
アハ体験だけどだんだん痩けてゆく 御殿山みなみ
いぶし銀ばかり集まる水戸支店 たにゆめ
訥々と語る人魚が捨てた脚 エノモトユミ
君がいたアパートで揺れる野良猫 夜凪柊
表情も判然とせずグミの熊 馬鈴
ラブドールの背骨を拾う始発前 秋鹿町
絶望も愛も詰め込むマンホール はな
まるつけのじかんにばつをつけられる いゆ蘭
体臭はくっきりと偽バンクシー 城水めぐみ
佳5 プルタブで星をとらえる女子高生 岩倉曰
佳4 スカートの中はいつでも審議中 尾崎良仁
佳3 そこだけは水色の大人の事情 斉尾くにこ
佳2 耳打ちをせずに見ている絵の女 かつらいす
佳1 乱切りの胡瓜頂点から着地 袴田朱夏
国境を無傷で越えてゆくうどん 多舵洋
評:NO BORDER
服を脱ぐときのもしかしたらお辞儀 御殿山みなみ
評:「一回でいいんでお願いします」
避雷針刺して苺は待っている 城水めぐみ
評:受け身の極み

第149回(2019/2/10-2019/2/16投句分)

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56名105句 森山文切選
どこよりも利率が高いチョコ定期 雪上牡丹餅
アンパンを食べてるメロンパンナちゃん 麦乃
※本体に幸せは付属しません。 岩倉曰
伸びしろのある二等辺三角形 はな
人の字が崩れ始める交差点 真島凉
いい人に出会いなさいと桃流す 多舵洋
石高を今でも自慢城下町 武良銀茶
とんがっているが殺意は消してある 青砥たかこ
神になる忘れな草を毟るとき 杏野カヨ
サボテンの励み私のバレンティン 浅井誠章
二の腕にずっと光を溜めたまま 笹川諒
二人ならホットミルクになれるはず くみくみ
浮き立って犬になれない車夫の群れ 秋鹿町
ニットから逆算される片想い 小俵鱚太
階段でガラスの靴は割れました 真島芽
去年今年春を待てずに猫は恋 田原勝弘
抜け殻のようにリボンが床に落ち くみくみ
仏壇に栞忘れる通い妻 涅槃girl
鍋つゆが消えて売り場に春が来る 諏訪灯
抗争の果てにちくわぶだけ残る 愁愁
壊されて尻尾だけ振るペットロボ 犬井隆太
春という布の薄さに透ける羽 斎藤秀雄
背泳ぎの間に噂されている 西沢葉火
カンカンをエロチシズムと見たロマン 澤井敏治
佳5 ほどほどの勝負下着でコンビニへ 羽根
佳4 勝手口を閉める浮気はしていない いゆ蘭
佳3 ほどかれて男ばかりの珊瑚礁 夏鵜
佳2 ボラギノールを疑う不貞行為 まさよし
佳1 リュウグウノツカイ共通一次試験 くに
新札をごめんなさいと折りたたむ 小林祥司
評:シンプルな句だが、それだけに「わたし」の複雑な気持ちを感じさせる。
仏像の小指に似てる食べ残し 未補
評:仏「お残しは許しまへんで」
あいうえお順だと気づく求人誌 御殿山みなみ
評:五十音順じゃなかった。

第148回(2019/2/3-2019/2/9投句分)

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55名106句 森山文切選
冬木立巣箱みたいなバー「ひそか」 くに
義理チョコを同意の上で噛み砕く あまの太郎
沖縄の海にマリッジブルー溶く 藤井智史
たけのこの里だし半裸から全裸 未補
右側の視界が狭い目玉焼き 岩倉曰
下六のまま助走して春になる 杏野カヨ
水槽の濁りにたらればの話 いゆ蘭
トラウマを笑顔で話す出演者 まるち
雪に隠した赤出汁の反抗期 若枝あらう
妙な猫だね演歌が上手すぎる 秘まんぢ
本命にあげるのですか涙ごと 尾崎良仁
陽の当たる場所で金魚が目を覚ます 彦翁
鬼は外涙の跡が消えました  風間なごみ
半世紀ほとんどすべて恥ずかしい 麦乃
忘れても忘れられたくない甘え 青砥たかこ
口笛に込めた現状への不満 小俵鱚太
寒木瓜に父の壊れてゆく様よ 菊池洋勝
向日葵に追い回されて夢の橋 永峰半奈
うつ伏せで幽体離脱しています いゆ蘭
一斉に飛び立つ鳩時計の鳩 がね
短足が急いで食らうハンバーグ l996
衣擦れの音して冬が降りてくる 岩根彰子
からあげが嘘を吐いたら春が来る 平出奔
新宿を踏みつけたくて霜柱 西沢葉火
佳5 かにぱんの味を説明できている 御殿山みなみ
佳4 小指だけ真っ赤に染める年女 多舵洋
佳3 海のある星限定の泣きボクロ 夜凪柊
佳2 雪おんなスポーツブラが似合わない 芍薬
佳1 電圧をかけて開閉する翼 たにゆめ
ゆるキャラとならんで覗く炊飯器 エノモトユミ
評:はじめくんとチョロチョロちゃん
戦力外通告された流れ星 ヨッシー
評:横浜ベイスターズがアップを始めたようです。
偽物の窓に映ってしまう霊 袴田朱夏
評:霊「本物と思ってやった。今は反省している。」

第147回(2019/1/27-2019/2/2投句分)

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51名97句 森山文切選
二枚舌の内緒知ってるサンゴ礁 澤井敏治
字余りを吐き出してくるドライヤー 未補
再びの嵐の前の静けさか 雪上牡丹餅
ゲーム機を自分で買うが興味無し 大江マンソン
木彫り熊あひるの御虎子雪うさぎ サトシワタナベ
墨を置く度に入ってゆく宇宙 アゲハ
野良猫がわかった顔でポーズ取る 諏訪灯
前髪の向こうに話しかけてみる 西沢葉火
大根を切るセンテンススプリング 藤井智史
下がり眉森本レオのナレーション ヨッシー
寝袋をちょっとずらしている蕾 岩根彰子
豆撒きの巫女に恋するうぶな鬼 八郎
公式の廃墟に灯す1いいね 岩倉曰
おしゃべりなクリームパンを探してる 麦乃
引き算で残った僕は貴重品 小林祥司
ただ切ればいいってもんじゃないサラダ 阿部千枝子
ベランダに神話に出てきそうな石 御殿山みなみ
開ける前からやる気になっているカイロ 御殿山みなみ
巻き寿司の巻くまでもなく施工不備 馬鈴
郵便受けに大量の風   臭う 尾崎良仁
マチュピチュで子持ちししゃもを売るバイト ペンギンおじさん
ミッキーの耳がもげてるキーホルダー 甘酢あんかけ
修飾の一切なくし露天風呂 くに
トイレから鱗をめくる音がする
芍薬
佳5 黒幕のウサギの耳が長すぎる 平井美智子
佳4 団塊に平成という揮発剤 武良銀茶
佳3 なぎなたとあなたを換えにゆく市場 笹川諒
佳2 追伸が届いた速い川だった 斎藤秀雄
佳1 裏にまで色付けされてない切手 青砥たかこ
定冠詞付かない人の群れにいる がね
評:そんな、わたしも。
標本と朝が来るのを待つ画像 エノモトユミ
評:待ち受け画像に。
脳ソテー羊が恋をした部分 犬井隆太
評:沈黙風羊の脳ソテー 〜濃厚なドーパミンとエストロゲンのレクターソース〜