第108回(2018/4/29-5/5投句分)

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27名52句 森山文切選
よく喋るきっと寂しい人だろう 片山かずお
借景に焦げ目をつける文学者 福村まこと
長電話夕暮れ空が切れと言う 田原勝弘
引率の教師背広にスニーカー ヨッシー
ネイル塗る爪に元気がなくなって 御泉水
里山の休耕田の人嫌い 八郎
紫陽花の緑が雨を待ち望む 彦翁
夕暮れの坂で拾った玉手箱 若芽
クールビズ会社の風に変わりなし 井戸野蛙
突破口どこに有るのか僕の地図 阿部清明
紫陽花の蕾の中で妥協する 岩根彰子
社員証ぶら下げ歩く羊たち 海月漂
感嘆符ひとつでもつれ出すルール 藤沢修司
みずうみの深さの秘密転校生 斎藤秀雄
ソフトでもハードでもない斬られ役 宮下倖

コロコロに綿ぼこりからの伝言 徳重美恵子
話せずに高地の午後はさらさらと 峰岡名負
老鶯の声連休の通学路 菊池洋勝
南米の大河からしあわせ来る日 くに
ストローで吸われぬようにジャムにした 西沢葉火
アイシテマスアイシテマスというスマホ 平井美智子
評:Hey, siri! 僕を愛してる?
自我を捨て桃のジュースになりました 尾崎良仁
評:ネクターミックスになりたかった。
人でなしモアイを夜に走らせる くに
評:昼ならセーフ

第107回(2018/4/22-4/28投句分)

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 35名69句 森山文切選
  躊躇っているのに開く自動ドア 藤沢修司
唇を上げたその日をパスワード 富田美義
今までもこれからも無い暇と金
星空も雲隠れする下手な歌 折鶴翔
加齢ですかかりつけ医の常套句 孝代
まだも行くパワースポット好きな妻 阿部千枝子
忘れたはずの母に浸って武者飾り はな
枯らしては絶対ならん平和の根 まさよし
ビタミンは足りていますか山手線 尾崎良仁
墓よりも散骨を推す千の風 八郎
占いののれんに見えた白い足 徳重美恵子
雨の中今日は水玉模様だな 真島凉
病院は白い!と画面の胎児告ぐ 工藤吹
言い聞かせ納得させて霞草 若芽
春の雨恋する猫と共に居る 芥子
何人の腹を満たすか初鰹 菊池洋勝
プライドを着こなしている防護服 阿部清明
ぬいぐるみ飾ったけれどさみしいよ 真島芽
新の付く言葉がよく似合う四月 片山かずお
金太郎飴がアッカンべーをする ヨッシー
泡立てて過去を洗った記憶力 彦翁
方舟を見送る地下のモアイ像 福村まこと
建前と本音が奪い合う平和 敏治

花びらをつけて少女が帰宅する くみくみ
川柳の脚でグレートトラバース くに
リストカットしている茹で卵の一個 岩根彰子
それぞれのマスクの下のさようなら 宮下倖
終活を始めぬ父が頼もしい くみくみ
あした出すなんにも書いてない手紙 斎藤秀雄
評:積もる話は今日中に。
壁紙に迷い続ける中二階 福村まこと
評:中学生の頃の気持ちになって。
下描きが目立たぬように笑い顔 西沢葉火
評:下描きの方が、僕は好きだよ。

第106回(2018/4/15-4/21投句分)

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28名55句 森山文切選
神さまの前で私は団子虫 岩根彰子
読書後のテンションで世を変えてみる アゲハ
ベースアップ昔組合今総理 田原勝弘
嘘吐きが隠し続ける仏顔 八郎
お月様ついてくるけど近寄らぬ 海月漂
相互乗り入れに遅延が飛び火する ヨッシー
眠っているあいだにとどく紙風船 斎藤秀雄
拍子木が揺られて新しい拍子 西沢葉火
ただ帰りたいだけだった逃亡者 くに
初蛙の声を家族に加えたり 菊池洋勝
点線の枠ひらがなが良く似合う  風間なごみ
北大のポプラ並木は几帳面 若芽
自分でも持て余してる反抗期 真島凉
泡よりも海になりたい背鰭折る むぎのあわ

騒ぐことないさ海月になればいい くみくみ
満月を尾行している好々爺 宮下倖
握りつぶしても生きている真実 敏治
宿題をしないと恐ろしいリスク 真島芽
おうちクリーニングする今日の翼 岩根彰子
妖怪がほど良く似合う過疎の町 武良銀茶
評:前向きな妖怪たち
一線を前にうじゃうじゃ言っている 阿部清明
評:「越えるの定義を示しなさいよ。何cmから越えたことになるの?」
溶けていくゼリーはいつも嘘ばかり 尾崎良仁
評:冷凍して尋問しましょう。

第105回(2018/4/8-4/14投句分)

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26名52句 森山文切選
  十分に涙しました サクラサケ やっこ
幸せを集めて深い笑い皺 はな
葉桜を見ると何故だかほっとする 彦翁
慣らされて今日も朝からダンゴ虫 武良銀茶
拳には燃え尽きそうな桜花 西沢葉火
愛された小さな記憶だけ残る 阿部千枝子
コロンブスの卵は半熟かもね 孝代
母の目が輝いているモンチッチ masayoshi
肩並べ猫の哲学聴いている くに

探偵の背後ポンプが奪う知恵 斎藤秀雄
青かった輪ゴムが伸びたまま朽ちる 藤沢修司
おしるこを貰い私の休火山 藤井智史
不完全燃焼だった加齢臭 阿部清明
可愛い子が入ってきたと二年生 敏治
言い訳を考えている抱き枕 尾崎良仁
評:「僕が逃げたわけじゃないんですよ・・・」
枯蓮がむしゃらになり第二幕 岩根彰子
評:枯れてから収穫の時期です。
トイレットペーパーにある絶不調 徳重美恵子
評:お互い大ピンチ

第104回(2018/4/1-4/7投句分)

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27名54句 森山文切選
お試しの魔法一回500円 平井美智子
老父母が薬並べて飲む飲んだ 井戸野蛙
怪訝な目よそに黒猫と住む女 風間なごみ
ボツ続き才能なしと妻は切る 田原勝弘
スギ花粉飛ぶのが見える過敏症 敏治
伏せまつげ誰も同じに時を経る 峰岡名負
ハイヒール馴染むころには五月病 アゲハ
シャッター通りの空気まで伏し目がち ヨッシー
人肌を覚えています哺乳瓶 masayoshi
消しかすの黒に丸める本音たち 海月漂
無作法を恥じて穴から出られない 藤沢修司
なにもないことは分かっている夕陽 くみくみ
くちびるが圧縮袋から逃避 徳重美恵子
宝石の青に聞きたいことがある 真島芽

設定をしましたすぐに泣けますよ 尾崎良仁
戻りつつある蛤を噛む力 菊池洋勝
この皺の通りだったと足の裏 西沢葉火
ふたりきりそろりと解いた本の帯 くに
さくらさくら亀甲模様のマンホール 岩根彰子
煙玉去年の夏の欠片です 真島凉
評:今年の主役に。
満月を逆さに吊るす古代杉 福村まこと
評:注意深く見ればわかる。
四月とはおよそ栞であるまいか 斎藤秀雄
評:だからといって、桜の枝を折ってはいけません。