2018年4月1日以前の結果

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2018年

第102回 3月18日-3月24日分(25名48句) 自由吟 森山文切選
梅干しで文句あるかと握り飯 阿部清明
ひと息でローソク消して立ちくらみ  風間なごみ
トランプの余計な事で株下がる 井戸野蛙
あたたかな人だたんぽぽさいている 海月漂
二階から見る繁華街嘘ばかり 峰岡名負
とろみ付き味噌汁せがむ人なだめ むぎのあわ
二枚目の舌が吹雪の最中です 藤沢修司
手が届くから増えてゆく痒いとこ ヨッシー
ブランチのテラスへ春のお客さま くに
荒波の泡はまなざしすぐそらす 斎藤秀雄
じりつジリツ自立ノートがセール中 徳重美恵子
ポジティヴのヴの変換に苦労する 尾崎良仁
サッカーでもするか新じゃが新玉ねぎ 岩根彰子
評:昨日日本代表は負け。新戦力発掘はできたのだろうか?
アンテナが脇に抱えるエゴイズム はな
評:小さなエゴイズム
体臭を消してしまった牢屋番 福村まこと
評:救われるためには何をしなければならないのだろう?
第101回 3月11日-3月17日分(24名46句) 自由吟 森山文切選
マヨネーズ逆さにされる冷蔵庫 徳重美恵子
泡盛を三杯飲んだパラダイス 龍せん
モリカケがのびない店へ星三つ 八郎
リハビリの箸が掴んだ豆の数 彦翁
受話器から春の吐息が吹いてくる 海月漂
ツアー組むタニタの社員食堂へ ヨッシー
五線譜をはみ出し歌うケ・セラ・セラ 阿部千枝子
春になりまたやり直すフランス語 伊藤みこ
乾くまで喋り続けるユニホーム 福村まこと
きみの前では固ゆで卵になる 藤沢修司
病室は七階にあり白き蝶 菊池洋勝
裏切ったメロス教科書から削除 尾崎良仁
夜型の子供帰省の春休み 敏治
評:帰省中に昼型にする意気込みで。
蛇行しない蛇もなかにはいるのです 斎藤秀雄
評:蛇は例外なく蛇行することを要求してくる社会
唇をぎゅっと噛んでる通夜の月 岩根彰子
評:三日月でしょうか。これから明るくなると信じて生きる。

第100回結果は別ページで発表しております。
第100回結果はこちらから。

第99回 2月25日-3月3日分(26名52句) 自由吟 森山文切選
何を隠そうというのか黄砂舞う アゲハ
右からも左からも救急車 御泉水
公平が富者の肥大を懺悔する 八郎
薇の真空パック戻しおり 菊池洋勝
何でもできるでも面白くない独り 片山かずお
梅の香と杉の花粉が駆け競べ 八郎
ゴリラの胸で小さくバカと吐いている くに
ぎいこぎこ独りブランコ春茜 敏治

じょうろには愛のめもりをきざんでる 海月漂
神妙に春を探している小枝 彦翁
AIの侵蝕海馬狩りをする ホッと射て
先導のラクダに月を食べられる 福村まこと
春色に編んだセーターから汽笛 平井美智子
真っ赤な嘘とCMの白いシャツ 藤沢修司
評:赤いシャツでCMを作ろう。
手と足は水語風語を覚えたて 岩根彰子
評:覚えてもすぐ忘れてしまう。
鳩時計狂った鳩を抱きしめる 麦乃
評:まるごと愛して。
第98回 2月18日-2月24日分(24名46句) 自由吟 森山文切選
カルピスを薄くいれたら勝ちですよ 尾崎良仁
太い眉引いて別れのハイヒール  風間なごみ
おめでたや禁酒禁煙皿洗い 武良銀茶
ひらひらと海で手を振る蒼い母 ホッと射て
善人のこころ洗えば濁る水 藤沢修司
手紙書く自分らしさを同封す 空の光
年ごとにメイク濃くなる武勇伝 福村まこと
柔らかく爪を立てられ流れ星 西沢葉火
つぎはぎの胸に一輪花かざる 海月漂

遅くまで女子だけを見るカーリング 井戸野蛙
いつまでも腹が決まらぬカニとフグ はな
うっすらとガラスのピアスゆれている くに
ハムレット擬き溢れる京都駅 岩根彰子
ゆっくり噛みや母の口癖はよ食べや 敏治
不法投棄専用タイヤ噴射機 斎藤秀雄
評:噴射機の費用で法令を遵守してよ。
冗舌な名札が軽く裏返る 徳重美恵子
評:持ち主そのもの。
独居房壊れたスマホだけがある 彦翁
評:10秒後に消滅します。
第97回 2月11日-2月17日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
斜めからひょうひょうとくる好奇心 くに
西郷どんはわたし歴女に駆り立てる 上村夢香
相棒のいない孤独な影を見る 彦翁
瘡蓋の痒い背中や春浅し 菊池洋勝
唐突な笑い幽かな死の匂い 福村まこと
花を買おう今夜決着つけましょう 尾崎良仁
北風に診察券が離せない 若芽
孵化しない童話の種をあたためる 麦乃
解熱剤にするわ出目金の欠伸 岩根彰子
ぎりぎりのとこで譲れぬ蜆汁 西沢葉火
この声のままがいいのに治りかけ 芥子
評:もうしばらくこのままで。
爪にひっかかってくる他人の夢 斎藤秀雄
評:ボクがひっかけたんじゃないよ。
ゆっくりと溶けてゆく冬の格式 くに
評:気がつかないうちになくなってゆく。
第96回 2月4日-2月10日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
雇止め格差社会へひたはしる 八郎
世の憂い知らず赤児の大あくび 藤沢修司
同じ苗育ちが悪い母の鉢  風間なごみ
予定表真っ白のまま年を越す やっこ
あっさりと未練断ち切るシュレッダー はな
猿だったことを忘れていませんか 敏治
お月様冬の夜空の採血日 masayoshi
話盛りだんだん沼に落ちてゆく 徳重美恵子
インスタントに慣れぬ舌ゆえ厄介だ 孝代
五年後のわたしに向けてお湯注ぐ くに
さみしいと連呼しているオウムたち 海月漂
這う指に午睡解かれる皮表紙 福村まこと
評:ネバーエンディングストーリーか、ハリーポッターか。
春の月ひとりの鍵に手を添える 岩根彰子
評:ひとりにも、慣れました。
風からも洗濯バサミからもシャツ 西沢葉火
評:がんばれ、洗濯バサミ。
第95回 1月28日-2月3日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
戦争をするから敵を作らねば 福村まこと
極寒に夏の暑さがなつかしい 益弘
馬鹿にされ夜も寝られず酒を飲む 井戸野蛙
耐えること教えてくれたペットの死 なごみ
ギュウギュウと電車につめる虚無の牛 海月漂
打ち明けた夜は眠りが深くなる 若芽
新聞の取材もっぱらSNS 八郎
冬将軍凱旋モノクロの日本 アゲハ
水仙のいのち仰け反る晴れてくる 岩根彰子
何度までは愛嬌ですか物忘れ 敏治
佳作 真実に少し色付けするレンズ 彦翁
おばちゃんの理屈と大声に負ける 片山かずお
オール1全てマルコメみそとする 藤井智史
嘘がバレそうになったら句読点 尾崎良仁
8時から4時まで妻は深く寝る 麦乃
廊下埋め尽くし鳩が知らせにくる 斎藤秀雄
評:一大事
自由帳こんなところにミモザの実 くに
評:きっと、もっと自由になれます。
減量がうまくいかない渡り鳥 平井美智子
評:死活問題
第94回 1月21日-1月27日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
そのひと言グッと飲み込めたらオトナ 片山かずお
ドッキドキ妻が敬語でおれを呼ぶ パッキー
家の中知らない人が棲んでいる 麦乃
日も暮れた恋人たちに水をやる 芒野一起
原風景探し探して北帰行 敏治
ワタシ・ビー・アンビシャス扉を開く 藤沢修司
固めては思い出せない茶碗蒸し 西沢葉火
報道の自由が人を食べている masayoshi
駅ナカで売り場を探す雪女 福村まこと
しがらみを解いて化石は息をする 藤井智史
佳作 消しカスを怒られもせず駅ベンチ 徳重美恵子
努力家とは気持ち斜めのお付き合い はな
タマネギが保証している泣く権利 海月漂
回覧板は顔を洗いに行ったきり 岩根彰子
大量の耳がちらばる雪の原 斎藤秀雄
薄口の醤油がまたも嘘をつく 尾崎良仁
評:嘘をつかれる方にも責任があるかもしれない。
次ページも絵日記風に作りごと くに
評:哀しい絵日記
コーヒーミルゴリッと意地が砕かれる アゲハ
評:全部砕かれたら芳醇な香りに。
第93回 1月14日-1月20日分(25名50句) 自由吟 森山文切選
  温いけど重い手編みのカーディガン 片山かずお
合コンは無縁ですのでせんべろで むぎのあわ
炎から喜怒哀楽を透かし見る 彦翁
新たな決意もう見直しを迫られる 夢香
つくる朝まぜかえす昼なおす夜 くに
散歩道ふさぐカラスのダイニング はな
糸蚯蚓おや君たちも小競り合い 岩根彰子
カラスってお試し期間中の黒 藤沢修司
プールの鯉釣っては逃がし日暮れまで 風間なごみ
川柳を始めた年の離職票 いなだ豆乃助
老紳士坂をすべってパラシュート 斎藤秀雄
参道に赤ちゃんポスト常夜灯 福村まこと
 人 封をして逆さまつ毛になる手紙 西沢葉火
 評:イタそうな手紙
 地 部分点集めて君をゲットする 藤井智史
  評:そううまくいくかどうか。
  托鉢の器に雪が入り込む 徳重美恵子
  評:じっと見てしまう。
第92回 1月7日-1月13日分(25名50句) 自由吟 森山文切選
威張ってる男の端っぽのクセに 片山かずお
気抜けする十日遅れの年賀状 孝代
賑やかな女に通夜を仕切られる 沢田正司
古希祝い笑顔の花が咲きそろう 八郎
自尊心高めるための紅を引く  風間なごみ
愛犬を信頼してる万歩計 彦翁
目覚ましの音が届かぬ若い耳 敏治
優劣の間にいてもいいですか 尾崎良仁
湯豆腐と長い言い訳コラボする 徳重美恵子
無麻酔で桃太郎だすおばあさん masayoshi
勘違いしている何もかもフェイク 麦乃
道化師のとてもしずかな足の裏 岩根彰子
心療内科ぽつんと永久凍土 くに
評:地球温暖化の進行を待つしかないのか。
切符買う列にささやく国言葉 福村まこと
評:IC時代。将来なくなりそうな情景
豊満なキリンだらけの迷路かな 斎藤秀雄
評:ゴールにたどり着けそうもない。
第91回 12月31日-1月6日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
  昨年の誓い写して祝い酒 敏治
お年玉リターン願う老いの欲 八郎
戌年に妻から貰う猫パンチ 阿部千枝子
南風に押され気だるい一歩踏む はな
大海で泳ぎたかったろうごまめ 孝代
青空に故郷の手紙託されて 奥山鶫
とり返しつかない人の通り雨 西沢葉火
改札を山羊がどんどん山羊地獄 斎藤秀雄
女帝から次次次と飛ぶ指令 麦乃
銀色に羞恥心などありますか 尾崎良仁
重箱の四隅笑かす枝雀の半身 岩根彰子
あららららバオバブの木になりました くに
留守電にとろとろとろが入れてある 平井美智子
評:携帯→固定電話なら大体1分40円。ありがたいようなもったいないような。
チェンバロを猫屋敷から救い出す いなだ豆乃助
評:爪のない世界においで。
信号でまがる深夜のけもの道 福村まこと
評:2か所のひらがな。信号は2つか。

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第90回 12月24日-12月30日分(38名75句) 自由吟 城水めぐみ選
 平抜句
(到着順)
言い訳に多少の嘘を混ぜてみる 武良銀茶
途中下車して戻ります始発駅 masayoshi
小指には老いた二人のケアハウス masayoshi
神聖なデスクの上のまねき猫 伊藤みこ
惑わされつま先立ちの吾がこころ 御泉水
連休が爪の境目から明けた 森山文切
投げられて自己肯定をするこけし 森山文切
ロボットに駆け落ち誘う雪女 福村まこと
雪おんな招いて鍋の蓋をとる 藤沢修司
鐘楼の窪みへお夏清十郎 岩根彰子
接点を探すマグカップビアカップ 岩根彰子
一人でも礼儀のように筑前煮 むぎのあわ
団子虫ほとぼり冷めた気になって 西沢葉火
食う寝る遊ぶ概ね甲の処世術 はな
豆球ポツンここにいるよと小さな手 はな
薪という淋しさをくべつづけおり kusabue
混線の水仙刺さる海の洞 斎藤秀雄
あえいうえおあお婚活へと臨む 藤井智史
恋人も友も失して冬木立 朝妻久美子
5二馬同銀左4二銀 宮坂変哲
極月の逆風駈けるハイヒール 茉莉亜まり
返事来ず彫るように見る壁の皺 芒野一起
ずっと味方と信じ切ってる妻といる 片山かずお
わたくしの黒豆甘いのは化粧 旅人
ため池の色もわからぬやせ蛙 孝代
佳作
(到着順)
抽斗の二段目恋を飼い慣らす かしくらゆう
帰省するたびに猫語を忘れてる 月波与生
ペンギンは鳥であろうとなかろうと 西沢葉火
復讐を果たして薔薇は枯れてゆく 尾崎良仁
決闘を終えたばかりの三日月だ 尾崎良仁
百八種泳法試し彼岸まで 竹内美千代
評:煩悩の数だけ試したのですね。どの泳法で辿り着けそうですか?
加湿器の湯気にほどけてゆくロダン くに
評:考え過ぎてぎゅーってなってカッサカサ。もっとリラックスして!
来し方にぽとり林檎ほどの悔悟 藤沢修司
評:ふと振り返った時に手からこぼれ落ちるような後悔ばかりしています。
森山文切選
 平抜句
(到着順)
クリスマスケーキでいつも誕生日 彦翁
歩行者天国違反か悩む乳母車 八郎
抽斗の二段目恋を飼い慣らす かしくらゆう
神聖なデスクの上のまねき猫 伊藤みこ
真冬日の乳首におーいお茶あてる 月波与生
忘れ得ぬ声が涙を誘い出す やっこ
雪おんな招いて鍋の蓋をとる 藤沢修司
嬉々としてバイトで埋める三が日 むぎのあわ
噺家に空気読まれて笑いの輪 阿部千枝子
団子虫ほとぼり冷めた気になって 西沢葉火
頑丈なお骨のじいちゃんは大工 藤井智史
あえいうえおあお婚活へと臨む 藤井智史
決闘を終えたばかりの三日月だ 尾崎良仁
5二馬同銀左4二銀 宮坂変哲
極月の逆風駈けるハイヒール 茉莉亜まり
飯を炊く一人で膝を打っている 芒野一起
ずっと味方と信じ切ってる妻といる 片山かずお
佳作
(到着順)
ロボットに駆け落ち誘う雪女 福村まこと
軍手はめ軍手の意味をふとおもう 徳重美恵子
箸袋に名前を書いて除夜の鐘 敏治
大掃除ざぶざぶ洗う自己嫌悪 阿部千枝子
混線の水仙刺さる海の洞 斎藤秀雄
接点を探すマグカップビアカップ 岩根彰子
評:接点ですか・・・。ブラのホック辺りかな。
引き算で知る他人の誕生日 風間なごみ
評:なぜか悲しくなってしまう。
帰省するたびに猫語を忘れてる 月波与生
評:猫語を忘れてるのは猫の方かもしれない。
第89回 12月17日-12月23日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
  ホッとする忘年会に誘われて 夢香
天国のお試し会は暇だった 八郎
セールスに我が子ダブラス冬の雨 若芽
首元を守るクセ毛を切れぬまま むぎのあわ
いつか海へヒレを磨けと親の言 はな
はめ殺しの窓に朝陽が入り込む かしくらゆう
べっぴんにライトアップをされる湯気 masayoshi
ケアバスの優先席に少女像 福村まこと
嬉しがる君を見たくて書くト書き 阿部千枝子
野風僧を歌ってくれた父の酒 敏治
きりきりとねじを巻いたものが世界 斎藤秀雄
右腕を上げてお米がたっている くに
ぐ~の手に本家の耳が入っている 岩根彰子
評:でっかくなっちゃった〜
こんなこと考えていた備忘録 西沢葉火
評:さては句にできないような内容でしたね?
ペダルきこきこイクメンの残尿感 藤沢修司
評:漕ぐの止めたらニョウはどうなる
第88回 12月10日-12月16日分(22名42句) 自由吟 森山文切選
  川柳を置いてしばらく旅に出る 麦乃
時宜を得て刻み始めた古時計 はな
未練捨てなお女の性が騒いでる 風間なごみ
ミサイルが黄砂の上を飛んで来る 彦翁
思い出を結晶にして眺めてる 伊藤みこ
設計図だけを残した青春賦 福村まこと
にごり湯に沈め隠している疲れ 徳重美恵子
白湯を飲む僕はゆっくり戻ってる 尾崎良仁
佳作 水掻きを滴らせている朝日 岩根彰子
納豆を回して今日の穴にする 西沢葉火
神さまと向き合う美しい素顔 敏治
やんわりと否定し反ったパンケーキ かしくらゆう
左胸には月光の蓄電所 くに
三味線でジングルベルを弾くパンダ 孝代
評:シャンシャンと鈴のような音色
恋終わる片寄った枕の凹み 藤沢修司
評:わたしも歪に凹んでいる。
ダンゴムシ親子バトルの始発点 旅人
評:下五が効いた。固まってはゾロゾロ、固まってはゾロゾロと、終わりが見えないバトルの始まり。理屈は通じない。
第87回 12月3日-12月9日分(26名50句) 自由吟 森山文切選
  太るほど血管細るメタボ腹 八郎
いざこざの真実捜す相撲道 パッキ―
掬い取るこころの夢と愛と闇 御泉水
やわらかいひとと後悔抱いて冬 むぎのあわ
突かれているのは私おでん鍋 アゲハ
値上がりの大根隅で行儀いい 孝代
風呂上り滴る妻に戻ります 阿部千枝子
シャッター街すり抜けてゆく虎落笛 敏治
羽全部無くして銀杏すっと立つ くに
佳作 ぐつぐつと中八になる一人鍋 藤沢修司
巫女さんがダウンを羽織り絵馬準備 徳重美恵子
手術後の重湯が沁みる曇り空 かしくらゆう
親方の臍が相撲を取っている masayoshi
足跡をつなぐ自画像できあがる くに
年の瀬に出番待ってる残り福 福村まこと
評:ポジティブシンキング
叩いたりせんよバナナに言い聞かす 岩根彰子
評:様式美。「ゼッタイ叩くなよ!ゼッタイ叩くなよ!」
朝風呂はおやめください 白夜です 西沢葉火
評:白夜が醸し出す不思議なシチュエーション。野暮なことを言えば、カゼひきそう。
第86回 11月26日-12月2日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
  診察券もう来年を予約する 徳重美恵子
怠け癖叱ってくれるスニーカー 彦翁
力こぶ隠し持ってるカタツムリ 森田旅人
張り手する一人横綱大相撲 敏治
自分しか見えぬ男の赤い顔 風間なごみ
双子ではなさそう影が見当たらぬ 麦乃
常識を蹴散らし妻も飛ぶ師走 孝代
決めたこと平気で壊すカブトムシ 若芽
海にいた記憶忘れて喋る人 かしくらゆう
傷のある花梨あなたは明朗ね 岩根彰子
臨月の空母つつきに来る水母 福村まこと
オオカミの遠吠え聞いて楽しいか 芥子
糸ひいたナ行あたりが胃に溜まる 平井美智子
評:なっとう、たっとぶ、ひっとう。
風船に息の借り貸しする聖夜 福村まこと
評:この息はサンタさんに貸す分だからね。
あんパンは空洞なにもない真昼 くに
評:たすけて、アンパンマン。
第85回 11月19日-11月25日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
  愉快にもなる凶器にもなるビール瓶 くに
暦など知らぬ存ぜぬ介護業 むぎのあわ
一呼吸おけばよかった叱らずに 森田旅人
死に方を選べず今日も飲む薬 福村まこと
なるほどと思わせる師のお説教 藤井康信
懐に冷たい風も入る秋 彦翁
サイレンが通過して他人事になる 藤沢修司
鳩時計必死に餌をやっている masayoshi
鮮やかに成敗されて大笑い はな
平和からジャックの豆の垂れ下がる 岩根彰子
耳鳴りだそろそろきみが来る頃だ 尾崎良仁
動脈の一本廻してくれないか 西沢葉火
サンタ・ラン暗い師走に灯をともす 敏治
評:ランタンを灯しながら。
閉じるのは目口こころ耳の順 かしくらゆう
評:耳は最後なのですね。
さっきより少し白けて骨拾う 風間なごみ
評:骨を拾うたびに現実感がなくなっていきます。
第84回 11月12日-11月18日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
  宇宙一悪い顔して摂る夜食 かしくらゆう
やせ鰻松のお重を逆指名 八郎
早く行く後ろの席に座るため 芥子
舞い落ちる紅葉は赤く空青く 鈴鳴うた猫
温もりを求めて夜の交差点 阿部千枝子
傾斜地の鈴なりの柿実を落とす 徳重美恵子
しがらみのど真ん中ただ雨を聴く はな
旅立った息子の壁にグーの跡 くに
川柳とコラボ絵筆が弾んでる 孝代
ささやかな摩擦へ進路蛇行する アゲハ
時々は尻尾の名残り立ててみる 西沢葉火
金継ぎをするわ結婚五十年 岩根彰子
三世代温度差のある忙しさ 敏治
評:世代の差で感じ取れない忙しさもありそうです。
ばらまいた種にちょこんと花が咲く 麦乃
評:おかげでまだがんばれそうです。
生傷を見せる男の勘違い 福村まこと
評:ジマンシタガリなんです、男って。
第83回 11月5日-11月11日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
  句読点打たれ一歩も動けない 若芽
スキップをすれば体重2キロ減り 麦乃
寛容を水増ししても嫌な奴 八郎
何もかも忘れた振りで夫を看る 風間なごみ
今日こそは無難を脱いでオシャレする 孝代
通り抜ける風が頼りの小商い はな
裸にはなり切れないで凡のまま 藤井康信
千鳥足のふりだとしても肩を貸す 徳重美恵子
紅葉狩りナビに感謝をする老後 彦翁
媚薬持つスマホに酔うてゾンビ村 森田旅人
久々の職場でぼやくガラパゴス むぎのあわ
佳作 解体の軍艦かつぐ蟻の列 福村まこと
山茶花の小走り気味の分離帯 岩根彰子
罪名は付かない雨の横殴り masayoshi
耳元の真珠が海に行きたがる かしくらゆう
警報を切ってあなたに逢っている 藤沢修司
モンベルのコーデでカフェのモーニング くに
評:そのままハイキングに。
愛に似ているが随分痩せている 尾崎良仁
評:愛をよく知っている人の目。愛をよく知らない人なら、自分のイメージに愛を寄せる。愛だと気付けない。
不祥事を包む謙虚というベール 敏治
評:厚いベール
第82回 10月29日-11月4日分(25名48句) 自由吟 森山文切選
  ハロウィンのかぼちゃの種を食べて魔女 森田旅人
秋色に心も染まる霜月へ 藤井康信
幸せの涙つられてもらい泣き 阿部千枝子
ダイエットしたか秋刀魚もスリムなり 孝代
散らかった部屋に孤独の規律あり かしくらゆう
心配は去って天気図晴れ渡る アゲハ
息止めて沸騰を待つカニの鍋 敏治
話さなかったことは話したかったこと くに
信号が青になったら終わる恋 平井美智子
逃げたくてただ震えてる水たまり かしくらゆう
逃亡をしようユリカモメの海馬にて 岩根彰子
始まりにMと刻印した切符 西沢葉火
感触はグーでミツバチもう翔ぶ気 風間なごみ
評:パァーッと翔んじゃって!
落ち着くところに落ち着く季節感 彦翁
評:なんやかんやゆうても。
リリーです言葉の端にいたリリー 岩根彰子
評:言葉の真ん中にいたリリーではありません。
第81回 10月22日-10月28日分(26名51句) 自由吟 森山文切選
  競い合うことを知らない胡蝶蘭 若芽
上さんが記念日ごとに遠ざかる 木根川八郎
一言で土砂降りになる胸の内 孝代
寝坊助の耳をくすぐる祭り笛 敏治
カラス群れどうもよからぬ噂する 撫子
台風の目から零れて来るバケツ masayoshi
見るたびに自画像の髭伸びている 福村まこと
ブランコを揺らして秒に含まれる 西沢葉火
佳作 パクチーの匂いを指に残す罪 水たまり
恋をするべきかいつもの味噌汁か 尾崎良仁
文庫本どこでもドアとなる表紙 アゲハ
自己中の男をすり鉢に入れる  風間なごみ
ねむるまで過去のスライドショーつづく くに
ゆらゆらと平均点にぶら下がる 徳重美恵子
評:つかまりやすいので。
平成に褒められるようラストラン はな
評:ラストなんて言わないで次の元号も。
公約を読む百均の凸レンズ 藤沢修司
評:焦点が合わせにくい公約ばかりでした。
第80回 10月15日-10月21日分(27名53句) 自由吟 藤井智史選
 平抜句
(到着順)
なんという夕陽だ僕の心臓だ 尾崎良仁
筋トレは和式トイレとはっけよい masayoshi
大波の魔の手に惑う小鳥たち 阿部千枝子
息継ぎが下手で辞書から出られない 福村まこと
分身を制御できない人魚の尾 福村まこと
禁断の木の実が3個200円 西沢葉火
くだびれた下着と誰か棄てる朝 むぎのあわ
インスタにおあずけ食らう僕の箸 アゲハ
もう少し曲げれば楽になれますよ 圦山繁
蟻として生きて愚直に穴を掘る 城水めぐみ
描き足した星から届く母の声 城水めぐみ
覚悟して新芽のために落下する あうん
杉玉を吊るす酒屋へ買いに行く 藤井康信
プライドを蹴っ飛ばされた百合の花 若芽
仲直り甕の底には澱溜まる 森田旅人
ひとりだけ違った川をのぼる鮭 くに
そろばんの珠が弾いた欲の数 徳重美恵子
佳作
(到着順)
辻褄をあわせて閉じる1ページ 麦乃
太陽が無呼吸のまま夜が明ける masayoshi
リサイクルショップみたいな待合所 阿部千枝子
暗号が見えてしまった斜め読み 西沢葉火
風を読み過ぎて迷子になる明日 はな
APPIeは白雪姫の歯形あと くに
評:App storeのゲームアプリ内の王子に没頭しているが、本命は違う。目を覚まさせてくれる王子は、きっと三次元にいるはずだ。たぶん…。
情報の森で迷子の高齢者 撫子
評:Aさん:「川柳塔のインターネット(web)への行き方がわからないから教えて。」
Bさん:「若手同人ミニエッセイへの行き方を教えて。」
智史:「喜んで教えますよ。どんどんきいてください。」
開脚をしてはる今朝のハムエッグ 岩根彰子
評:うまいこと玉子が割れず、黄身が破けてしまわれたのですね。私もうまく行かない時もあります。不器用な男ですから…。でも、自分で作られたハムエッグは、きっとおいしいことでしょう。人生うまく行かない時もありますが、きっと良いこともあると私は信じます。元気いっぱい。行ってらっしゃいませ。
森山文切選
 平抜句
(到着順)
なんという夕陽だ僕の心臓だ 尾崎良仁
あなたから別れのことば奪う風 藤沢修司
くだびれた下着と誰か棄てる朝 むぎのあわ
わかりました握る拳に滲む汗 圦山繁
風を読み過ぎて迷子になる明日 はな
新走りうわさ嗅ぎつけ秘密基地 敏治
走って走って淡谷のり子の暗がりへ 岩根彰子
覚悟して新芽のために落下する あうん
銀鱗のキラリ親子を結ぶ釣り 森田旅人
ひとりだけ違った川をのぼる鮭 くに
佳作
(到着順)
温度差があって体が軋みだす 彦翁
リサイクルショップみたいな待合所 阿部千枝子
分身を制御できない人魚の尾 福村まこと
開脚をしてはる今朝のハムエッグ 岩根彰子
プライドを蹴っ飛ばされた百合の花 若芽
描き足した星から届く母の声 城水めぐみ
評:「アンタ星描き足してる場合じゃないよ!」
太陽が無呼吸のまま夜が明ける masayoshi
評:ブラック企業勤務の太陽
菊花展ハリガネ仕事見てしまう 徳重美恵子
評:主役でない方に目がいってしまう。
第79回 10月8日-10月14日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
  ローソンの誘蛾灯からビッグバン 西沢葉火
政治家の読唇術にきぼうない masayoshi
ニセモノも造る年月人の時
嫌だったあなたを好きにした時間 くに
正直なものよ新米炊けば残らない アゲハ
猛烈に働き抜いてあぁ化石 森田旅人
励ましと知らずに聞いた師の苦言 圦山繁
スクランブルエッグのボクとサヨウナラ 麦乃
絵筆とり目の輝きを取り戻す 孝代
満月が自傷行為を繰り返す 藤沢修司
チャオだけでイタリヤの旅無事終わる 敏治
私の勝ちバラが囁く昼下がり はな
評:周りに聞こえないように。
口笛を吹くまで淑女顔作る 福村まこと
評:口笛を吹く機会がなかなか来ない。
陣羽織ひらひら蝶は秀吉ぞ 岩根彰子
評:北朝鮮を目指す蝶
第78回 10月1日-10月7日分(24名47句) 自由吟 森山文切選
  言い訳の多い女の目がきつい 風間なごみ
影法師伸びて笑った声がする 鈴鳴うた猫
松茸がなにさ新米栗ご飯 撫子
おっと危ない月に魅せられかぐや姫 はな
記憶だけリセットされて君の前 むぎのあわ
そわそわと集い複雑ハルキスト 森田旅人
時々は止まる時計が好きでした くじょうまる
満月とコトコト汽車に揺られてる 岩根彰子
衣替えするから肩の凝る季節 彦翁
秋デート栗まんじゅうを半分こ 藤井康信
道示す指にまだある深い欲 福村まこと
佳作 ここが変ハッキリ言えぬウエハース 若芽
お早うと監視カメラに媚びを売る 敏治
父の背は越せぬ壁ではなくて盾 藤沢修司
欲しかった銀色そっと手を伸ばす 尾崎良仁
ジョーカーの扱い受けている介護 徳重美恵子
標本にするか干物にしておくか 西沢葉火
評:見るか食べるか。
地球儀をくるくる敵をやっつける 麦乃
評:目が回るぅ〜
スピーカーからは昭和のドウナッツ masayoshi
評:懐かしさの重なり
第77回 9月24日-9月30日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
  遊ぶなよ社命か軽のレンタカー 芥子
さわれない空さわらしてくれる海 くに
夏終わりソフトクリーム食べる秋 鈴鳴うた猫
振り向かず貴方の声を抱きしめる やっこ
何でもない日が裏切りの楔打つ はな
曼殊沙華手の甲までも染まりそう 若芽
揺れる地に懲りず穴掘る二本足 福村まこと
初めてのくちびるいつも持ち歩く 尾崎良仁
佳作 みんな逝く楢山だから競わない 風間なごみ
新米が栗の実待っているコラボ 彦翁
Jアラート度々鳴ってチラ見する 徳重美恵子
ポケットで踊っています走り書き 麦乃
真ん中に天橋立たてかける 岩根彰子
バチ持てば血が騒ぎだすおじいちゃん 阿部千枝子
評:体全体で騒いでほしい。
悲しくはなくてカーネル・サンダース 西沢葉火
評:ほんとうは悲しいくせに。
ドラえもんの耳なら闇鍋で食べた 藤沢修司
評:ドラミちゃんの耳は入っていませんでした。
第76回 9月17日-9月23日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
  監視カメラの死角を探しハグをする 藤井康信
今宵は満月上八ぐらい許されよ 敏治
余白には青い柿の実ひとつある 彦翁
想像の海に溺れて深呼吸 芥子
挨拶で島に溶け込むI ターン 孝代
どっぷりと秋だ秋だと赤とんぼ アゲハ
国境を跳ねるうさぎは行き来する くじょうまる
開けるまで隙を見せない二重底 福村まこと
くるぶしが造り物だと主張する 西沢葉火
挨拶禁止エレベーターの屁の行方 森田旅人
評:おへようございます禁止
生臭い息を吐くまだ大丈夫 阿部千枝子
評:周りは大丈夫じゃないかもしれない。
WEB上の風船叩き割って秋 むぎのあわ
評:秋は意外なところから。
第75回 9月10日-9月16日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
  筋トレ脳トレ老いの一日忙しい 敏治
乱筆もパソコンよりは味がある 孝代
年老いて貫き通す処世術 パッキー
レジまでも人情薄れIT化 撫子
ブレーキが利かない想い持て余す 萩の花
引退をそろそろしたい雨女 はな
下敷きのバリアの上で殴り書き 徳重美恵子
隣席の政治論聞くティールーム 宮野みつ江
この星を軽々背負って蝉は死ぬ 西沢葉火
青紫蘇を残暑見舞いに連れてゆく 岩根彰子
九十の親から鞭を与えられ 麦乃
クラス会嘘が滴り落ちている 藤沢修司
評:気が付いてもそのままにしておくのが礼儀です。
足だけが息をしている終電車 福村まこと
評:足から上は死んでいるよう。そういう、あなたも。
轢かれてるペットボトルを轢いていく くに
評:轢かれることが存在意義であるのなら。
第74回 9月3日-9月9日分(27名53句) 自由吟 森山文切選
  唄ったら気持ち良くなるから不思議 藤井康信
無理だよと言われやる気に火が付いた 孝代
ゴール前優しい風が見えてくる はな
サヨナラと手を振る先に消えた影 やっこ
勝ち負けにこだわる人の目が泳ぎ  風間なごみ
稲の穂が垂れる繋ぎを出しておく 彦翁
踊り場に家も会社も墓も有る 西沢葉火
躓いて心の鍵を確かめる 若芽
頭蓋骨辺りに秋が押し寄せる 高田まさじ
灯台に来たのカモメになるつもり 麦乃
うたた寝の胸の谷間に秋の風 阿部千枝子
佳作 右胸にとろけるチーズ投げつける くに
エンディングカットを常に持ち歩く 徳重美恵子
サラダ菜の苦さ遠い別れを噛む 藤沢修司
直立の駅長ひとり通過駅 福村まこと
骨抜きの煮魚食べる生温さ 阿部千枝子
夏曲がる口を閉ざしたハーモニカ 岩根彰子
評:ハーモニカには秋が似合うと思っていましたが、そうではないハーモニカも確かにありそうです。
ご先祖はニライカナイの半魚人 芥子
評:それでじいさんもとうさんも魚似だったのか。えっ、わたしも?そんなわけなぃ・・・ほんまや!
ヤクルトを二本飲んだら悪ですか 尾崎良仁
評:些細なことも巨悪にされてしまう。家庭でも、社会でも。
第73回 8月27日-9月2日分(29名58句) 自由吟 森山文切選
  ハンドルを握ると猛暑でも元気 丹下凱夫
I・love・you言えば美魔女が逃げ出した 敏治
奪いたい密かに燃えて風は秋 ゆめか
慣れっこよいつも遅れる路線バス パッキー
わだかまり解けて二つの独楽和み 風間なごみ
無理をして心の広さ見せている 若芽
カサブタが取れてそろそろ次の恋 撫子
夏休み終わって朝の喧噪へ 藤井康信
風神と雷神がくる痴話喧嘩 鈴鳴うた猫
無精ひげ休みの朝は人になる 尾崎良仁
淋しさを呑み込む自動改札機 平井美智子
着飾ってみても透かせば女郎花 永見心咲
勝ち負けに拘る旗の不眠症 福村まこと
列島を跨いで夏が落下する 城水めぐみ
佳作 慰めが惨めの海へ突き落す はな
球児らの涙撮りたいカメラマン 森田旅人
日の丸の赤をかじれば絞首刑 高田まさじ
命中度あるか正恩のションベン セイサククン
鰯雲搬入新学期のプール 岩根彰子
妻は赤ボク黒で書く予定表 片山かずお
評:真っ赤っ赤や・・・
社会との誤差がアイデンティティだろう 藤沢修司
評:少しの誤差も受け入れられない社会。息苦しい。「だろう」に主張がある。
晴雨兼用 愛されていた訳じゃない 平井美智子
評:自問自答しながら自分を納得させていた。ようやく過去形で話せるようになった。
第72回 8月20日-8月26日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
  夏バテの理由にされた缶ビール 彦翁
へそ曲がり母に重ねる蕎麦の花 むぎのあわ
子の居ない夜に二人会話なく 馬勝
不器用を嘲笑ってるセロテープ わこう
まだここに辿り着かない想い人 鈴鳴うた猫
ひと夏のスコアボードを胸に抱く くじょうまる
本籍は北緯四十五度辺り 高田まさじ
嫁ぐ日に父のカメラの窓くもる パッキー
ひまわりが淀む魂持ち上げる 藤沢修司
嘘ひとつ揺すって低く水を飲む 岩根彰子
佳作 瘡蓋が乾く速度でついた傷 城水めぐみ
番号に命吹き込む大レース 森田旅人
人は変えられぬ私はスクワット じゅん
盛り蕎麦に刻んだ海苔という嫉妬 西沢葉火
白地図を歪んだままにする岬 福村まこと
人力車轍を残し沈む街 徳重美恵子
評:思い出だけが残りました。
隙間からほつれる傍からほぐれる くに
評:自由になるためには、細かいことを気にしてはいけませんね。
オタクから抜け出したくてもがく母 麦乃
評:オタクの母が母らしいし好きなのだけど、本人にしかわからない苦しみがあるのかもしれない。
第71回 8月13日-8月19日分(25名47句) 自由吟 森山文切選
  盆明けの通勤電車みな欠伸 藤井康信
コソコソを暴き奈落へ週刊誌 撫子
どの色を塗ってもピカソにはならぬ 若芽
アダージョに変え見えてきた襞の奥 森田旅人
ブランドの街につゆ草愛されぬ くに
熱中症汗と涙へ黒砂糖 芥子
ミサイルを飛ばすと野次も頭越し 彦翁
蒸し暑い夜の毛穴はだらしない 西沢葉火
暑いねに暑いですねが返る夏 片山かずお
佳作 百均の時計で今日も日が変わる 武良銀茶
輝いていたヒマワリの明るい死 阿部千枝子
夕方の土手は子供のなれの果て 岩根彰子
さようならキリンレモンが雲を追う 尾崎良仁
小気味よい女へ妬いた日の誤算 風間なごみ
素振り千回無我が掴んだ決勝打 敏治
評:練習に勝るものなし。
閉店後握りこぶしが回る寿司 福村まこと
評:シャリを残す客ばっかり。なぁにが「炭水化物は食べません」だよ。このっ!このっ!
微風でも寂しいドアはすぐ閉まる 藤沢修司
評:パタン、パタン。誰か気付いて。
第70回 8月6日-8月12日分(25名49句) 自由吟 德田ひろ子選
 平抜句
(到着順)
八月は平和を心から祈る 彦翁
ふたりきり苦味とぬるさ増す珈琲 むぎのあわ
願わくば花火のままでいたかった 西沢葉火
凄いよと褒めちぎられて木に登る パッキー
A4の余白にもある黙秘権 森山文切
お茶碗と湯のみが一つ遠花火 福村まこと
伝えたら淋しくなってしまいます くに
もうそろそろですよとお茶を替えられる 片山かずお
佳作
(到着順)
ミサイルを花火のように打ち上げる 彦翁
縦横に苦労交わる笑い皺 武良銀茶
雲の峰そこから秋が見えますか 敏治
イエスマンひそかに爪を研いでいる 徳重美恵子
孫が来る猛暑もなんのそのの妻 森田旅人
相似形すくすく育つパンダの子 わこう
交差する君と僕との赤信号 鈴鳴うた猫
殴り込みして行ったのか通り雨 青砥たかこ
森山文切選
 平抜句
(到着順)
行き先は知らない猫に聞いてよね 麦乃
声の無い巣箱に蜘蛛が張った弦 西沢葉火
願わくば花火のままでいたかった 西沢葉火
正解を見つけられない大人です 徳重美恵子
男親寄り添う側の人でした くじょうまる
相似形すくすく育つパンダの子 わこう
素麺を茹でながら飲む缶ビール 青砥たかこ
伝えたら淋しくなってしまいます くに
佳作
(到着順)
もぐらが覗くおけらが覗く夏の月 丹下凱夫
雲の峰そこから秋が見えますか 敏治
ひと房の葡萄の重み種がない くじょうまる
お笑いの毒で剥ぎ取る世間体 福村まこと
お茶碗と湯のみが一つ遠花火 福村まこと
今朝は三匹蝉のお墓に手を合わせ アゲハ
逃げても逃げても東京に捕まる 尾崎良仁
殴り込みして行ったのか通り雨 青砥たかこ
第69回 7月30日-8月5日分(16名31句) 自由吟 森山文切選
  原爆の嘆き続いているドーム 阿部千枝子
溶け落ちて夏の落暉の溜まる場所 御泉水
千代紙を切れば満月折れば星 星野変哲
片耳の月が聴いてる妻の愚痴 麦乃
鉛筆が丸くなったら強い顔 西沢葉火
銀河系そっと旅するボツ花火 徳重美恵子
間取図に誰も知らない部屋がある 福村まこと
スッピンの月が忍び足の真昼 藤沢修司
絵葉書にうすい歯形のメッセージ 福村まこと
信号の青が続いて淋しい日 平井美智子
100均のいつもの棚に僕の顔 尾崎良仁
評:いつもの棚に映った僕の顔。少し歪んでいる。
諦めるなまだため息が残ってる 敏治
評:自分に厳しいのはいいことばかりではない。ため息は休息のために取っておいてほしい。
混ざりたくないからずっと「る」のカタチ くに
評:五人集まれば、るるるるる。
第68回 7月23日-7月29日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
  UFOを真面目に呼ぶよ視聴率 芥子
若き日の焼きもち焼いた妻いずこ パッキー
ネクタイを外し人間らしい夏 彦翁
親の血を引いて腕より口が立つ 片山かずお
迫る老い払うドレスとハイヒール 森田旅人
蜘蛛の糸今日が徒労だとしても くじょうまる
スポットはすぐ隣まで当たるのに 藤沢修司
冷房が効きすぎ縮む三葉虫 麦乃
佳作 猛暑日に氷河を撃った捕鯨船 福村まこと
上向きのヘッドライトのような夏 永見心咲
シンデレラ呼ばれず朽ちる砂の城 鈴鳴うた猫
栞さえ挟めぬほどの恋をせよ 尾崎良仁
本心はタップをしても表れぬ くに
WEBから松居一代がこぼれ出る  風間なごみ
評:WEBの限界
忖度をしてたら溶けた角砂糖 敏治
評:証拠も溶けました。
ワイシャツの折り目に支配されている 西沢葉火
評:私もです。
第67回 7月16日-7月22日分(18名33句) 自由吟 森山文切選
  青のまま死を覚悟するミニトマト 阿部千枝子
楽しげに揺れる木の葉と恋心 鈴鳴うた猫
ブランコをちょいと揺らしただけの恋 ちゃくし
棒の先僕は健気に回る皿 撫子
指の先乾いてスマホ動かない 森田旅人
帯広の避暑地はどこという猛暑 masayoshi
ネットスーパーアイスも持ってきてくれる 徳重美恵子
残業の黒コンビニサラダの青 藤沢修司
日が暮れて体が変わるから困る 藤沢修司
厭世の利き手で握る補水液
誤字消したメモの汚れに救われる 福村まこと
評:真剣なメモ
裏側はこんがらがっている影絵 西沢葉火
評:影絵から汗が。
にんげんの離れにもらう借地権 くに
評:にんげんが苦手な方向けとなっております。
第66回 7月9日-7月15日分(17名33句) 自由吟 森山文切選
  丸いから追いかけっこが終わらない 麦乃
あくびするふりして流す泪には 宮坂変哲
ほぅと息吐けば蛍となる今宵 御泉水
甚平の三時のおやつトコロテン 彦翁
ぬる燗に故郷も友も液状化 藤沢修司
熱帯夜虫が始める無礼講 福村まこと
真実を探れば辿り着く破滅 敏治
被災地がまた増えましたお月さま くに
野良猫に涼風の抜け道を訊く アゲハ
クリッククリック想い出が拡大 くに
メモの上ト音記号を置いて行く 西沢葉火
シャッター街万策尽きて猫カフェ くじょうまる
評:万策尽きるまで新しいものを取り入れない体制はよろしくないですね。
ユニクロの四角い文字の生き様よ 尾崎良仁
評:カタカナとアルファベットで生き様が違いそう。
甘そうな風探してる風見鶏 敏治
評:見つかってもそう長くは続きません。
第65回 7月2日-7月8日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
  長生きのコツ三十五年ローン 藤沢修司
日めくりを重ねて捲る日もあった やっこ
市役所の朱肉酷使に耐えている くじょうまる
禁煙十年まだポケットを探る癖 敏治
ビー玉を落とせば気合い吐くラムネ 福村まこと
将棋盤探す押入れから昭和 森田旅人
六月の白いドレスの生乾き 西沢葉火
紫陽花のため息を聴く地蔵さま 阿部千枝子
笹の葉に感謝の言葉だけ吊るす 彦翁
置き去りにされたばかりの蜃気楼 鈴鳴うた猫
評:そこのあなた、蜃気楼、忘れてますよ。
自販機も撤去されゆく無人駅 徳重美恵子
評:トイレも、駅舎も、ホームも。
素直って痩せた果実の種のこと 尾崎良仁
評:素直であることの難しさ。
第64回 6月25日-7月1日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
  キャラ弁は先ずはカメラに味見させ 撫子
本日休診先生二日酔い 沢田正司
一億円ほどあればいい100000000円 丹下凱夫
次々と心配事が来て呆けぬ 麦乃
雨蛙水面の雲の上泳ぐ 宮坂変哲
栄光を裏打ちしてる過去の汗 永見心咲
馬鹿だなあ騙されちゃって半世紀 風間なごみ
話しかけあっさり解けたわだかまり 森田旅人
梅雨の入り記憶を捨てきれずにいる アゲハ
夕立を降らせ言い訳する天女 福村まこと
佳作 サンダルが追いかけて来て恋をした 尾崎良仁
マニキュアに翻弄される除光液 徳重美恵子
豊かさにスイカ四角の時代相 敏治
縦結びやんちゃ水玉エプロンだ 阿部千枝子
独楽回し考え少しゆるめ中 くじょうまる
高圧洗浄しても失言流せない 圦山繁
評:失言した人ごと流してしまいたいですが、流れてくれないですねぇ。
わたくしを探しに迷子預かり所 くに
評:見つかったらそれはそれで困る。
警察をすぐ呼びたがる座敷犬 福村まこと
評:自力でなんとかしようという気持ちが希薄な世の中です。
第63回 6月18日-6月24日分(15名29句) 自由吟 森山文切選
  スイッチがある日突然オフになる 麦乃
寄り道は無駄と知ってる蟻の列 福村まこと
病む兄に 背をさする手のさようなら 森田旅人
あかぎれで咲かせてくれた夏みかん 西沢葉火
体中ハイビスカスが咲き誇る くに
梅雨入りに愛の注水ひと休み 阿部千枝子
割り切れぬ思いを抱いて茶碗酒 風間なごみ
空高く綿毛をひとつ置き去りに 鈴鳴うた猫
水玉が夏日に跳ねる梅雨の午後 彦翁
木漏れ日の斑模様のまま家族 藤沢修司
半夏生あの約束は反故ですか 永見心咲
評:答えは、わかっているはずです。
空き家には色が変わったゴムホース 徳重美恵子
評:形容しがたい色になってしまった。
蜜豆の寒天すくう嘘すくう 藤沢修司
評:まだ寒天ほどの嘘ですが・・・。
第62回 6月11日-6月17日分(21名40句) 自由吟 森山文切選
  金魚だって メランコリーになる梅雨 敏治
湧くようにメダカの増える夏が来た 森田旅人
ぶっちゃけて言えば誰でもよかったの やっこ
お利口な人だね何も喋らない  風間なごみ
野次馬の一番好きな巴戦 福村まこと
生きるのがちょっとメンドウクサクなる 麦乃
待っている訳じゃないけど来ぬ黄砂 永見心咲
脳トレに良いことばかりインプット 阿部千枝子
交流戦老いを忘れている力み 彦翁
引っかかる部分が増えてきたホッペ 西沢葉火
滲むメモ今は迷っているんだね アゲハ
評:時間が経てば、読めないくらいになりますよ。
六月は無言の傘の列にある 尾崎良仁
評:六月を感じた瞬間
遊歩道には一円も落ちてない 丹下凱夫
評:言い切るのは簡単ですが、確かめるのは大変そうです。
第61回 6月4日-6月10日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
  鶏をイラッとさせる卵の値 風間なごみ
寄り添って生きていくには狭すぎる 鈴鳴うた猫
牛蛙音痴も混じるハーモニー パンコ
甘美なるものが漏れ出す勝手口 西沢葉火
傘寿会洗い晒しの顔で寄る あそか
多忙な日ことさら負荷を背負いたがる 永見心咲
マイペースでした私の決算書 くに
遠雷を明日発つひとと聞いている 藤沢修司
悲しくて笑窪みちばたで拾った 徳重美恵子
自己主張してくれメルアドのドット くに
指定席買っても抜けぬ走る癖 沢田正司
評:もう条件反射です。
折り畳み椅子を持ち寄る大家族 福村まこと
評:沖縄では、シーミーの時期にお墓でよく見る光景
真夏日に値上げビールが恨めしい 彦翁
評:ビールに罪はありません。
第60回 5月28日-6月3日分(28名55句) 自由吟 さわだまゆみ選
 平抜句
(到着順)
引き出しのメモから下五ひとつ出す 彦翁
百めざすお口の中の大工事 武良銀茶
俺よりも気楽に生きる妻の勝ち 武良銀茶
ストライクゾーン広げて待つメール アゲハ
ヨイショされると思ってもない力出る 丹下凱夫
人としてのタグが外れてはないか 徳重美恵子
金の要る時は無口な子に戻り 福村まこと
老い先と夢の遠さが釣り合わぬ 藤沢修司
菓子作り目覚めた父の無骨な手 麦乃
土砂降りは空の弱みを突いたから くに
メモの文字だけは優しくしてくれる 森山文切
言わないでおこう嵐は好まない 永見心咲
佳作
(到着順)
百歳が悟るこころの匙加減 敏治
あの子にも帰れる家があるように くじょうまる
お洒落ねと言われて案山子寛げず よけだ
助手席の妻の助言でまた迷い 沢田正司
ラッピングされた苦言が熱を持つ 永見心咲
たんぽぽがやたら集まる人が好き 西沢葉火
評:素朴で優しいが芯の強い人間への憧れ。
言い返す言葉が浮かぶ帰り道 圦山繁
評:口答えできなかった後悔と惨めさが滲む。
ミサイルか鴉か思案する恐怖 彦翁
評:さりげなく詠んでいて、心に重い時事吟。
森山文切選
 平抜句
(到着順)
ミサイルか鴉か思案する恐怖 彦翁
引き出しのメモから下五ひとつ出す 彦翁
俺よりも気楽に生きる妻の勝ち 武良銀茶
羽休め蝶がみるのは白昼夢 鈴鳴うた猫
ヨイショされると思ってもない力出る 丹下凱夫
雨降りの迎えの駅にあるこころ 敏治
害虫と駆除した指定絶滅種 福村まこと
沈黙に弱く口火を切り墓穴 森田旅人
ビー玉の中に未来の夢を見る 御泉水
ラッピングされた苦言が熱を持つ 永見心咲
佳作
(到着順)
言い返す言葉が浮かぶ帰り道 圦山繁
ストライクゾーン広げて待つメール アゲハ
宴会を終わらせ六月が始まる 尾崎良仁
純粋な反旗をプロに汚される よけだ
土砂降りは空の弱みを突いたから くに
パソコンに学習させた誤変換 風間なごみ
評:パソコンが学習したそうだったので。文句あっか?
拳にも名前を書いて下さいね 徳重美恵子
評:無責任な匿名の拳ばかりの世の中。
梅雨冷えの居間だ思春期倦怠期 藤沢修司
評:梅雨明けが待ち遠しい。
第59回 5月21日-5月27日分(24名46句) 自由吟 森山文切選
  メロディーへ想いを秘めた過去がある 風間なごみ
いい人に逢える予感の茶がうまい 沢田正司
窓ガラス拭いきれない晴れぬ胸 めぐむこ
誉められぬ自分をほめて今日終わる 徳重美恵子
ありがとうと笑顔振り撒き世を渡る 片山かずお
天を向く顔は洗ってないけれど 西沢葉火
(パッピ〜改め)
バカボンのパパとおんなじ日を過ごす たまき
狭い庭色取り取りに見せる初夏 彦翁
4年も着れないトランプ柄の服 芥子
ハグをする腕の長さが丁度良い あそか
約束をふと思い出す十年後 麦乃
佳作 デイゴの花共謀罪にへこたれず 澤井敏治
六月の雨やれやれもうんざりも 永見心咲
亡母に会う日まで磨いている心 森田旅人
目ん玉をレム睡眠に齧られる 海賊芳山
自動では済まぬ妻との車間距離 藤沢修司
チケットレス特急の席味気ない 城崎れい
評:なんでも省略されていく世の中。
弱虫は虫図鑑から除かれる くに
評:除かれてもクレームをつけられない性質の虫。
メンタルの弱さで綿毛飛んでいる 海賊芳山
評:綿毛のように飛べるなら、メンタルが弱いのも悪くないと思える。
第58回 5月14日-5月20日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
  有り余る時間に溺れ進めない やっこ
寿司桶のスペース埋めるいなり寿司 くじょうまる
白旗も反旗も振らず生きている 沢田正司
茶柱のよく立つ番茶ありますか 丹下凱夫
空に手を放てばすべて水彩画 良仁
心の飢餓ゆえに世界に起こる飢餓 敏治
灰が舞う街で「いいよ」と呟いた 鈴鳴うた猫
速報が新聞紙から家出する 福村まこと
特別な思い日の丸弁当に 森田旅人
サンダルはくたびれたけど地平線 パッピ〜
自販機で初めて知った茶の種類 徳重美恵子
二毛作通し定年後は専科 永見心咲
評:人生は学び
暑いねと金魚に言っている暑さ 藤沢修司
評:金魚も「暑いね」と答えたら、すぐに水を替えてあげてください。
生き様を素直に見せる金魚鉢 彦翁
評:飾らない生き方
第57回 5月7日-5月13日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
  過去形になってはくれぬ片思い たまき
言い負けて風に転がる自尊心 藤沢修司
あなたとの愛に乾燥注意報 藤井智史
もういいかい ただただ風に消えてゆく 鈴鳴うた猫
要介護痴呆徘徊液状化 海賊芳山
スタートにビタミン剤が落ちている 風間なごみ
点火され消されローソク身が縮む 徳重美恵子
空中に心を放つパスポート 森田旅人
貝殻の中に閉じ込められた音 宮坂変哲
友達のいない誰かの黒い傘 未来堂良仁
佳作 ケータイがだんだん軽く怖くなる 徳重美恵子
納税をした故郷へぶらり旅 永見心咲
大空の緋鯉と競うカープ女子 彦翁
一粒の逃亡ゆるし豆ごはん くに
見て見てとつぶやいているこぼれ種 麦乃
ドライアイなので涙を買いました 彩古
評:なんでも買える時代
再出発するにはちょっと赤がいる くじょうまる
評:勇気をくれる赤
シャワーから午後の電話が漏れてくる パッピ〜
評:気分転換のシャワーなのに。もう気にしなさんな。
第56回 4月30日-5月6日分(28名55句) 自由吟 森山文切選
  洗面所逆立ちをして待つチューブ 敏治
青く咲く花くわしくはWEBをみて 鈴鳴うた猫
待つことに慣れ痛みにも鈍くなる アゲハ
夕方に渡り切ったか蝸牛 パッピ〜
万緑のところどころに白い花 丹下凱夫
隠してもやがて尻尾を出す詐欺師 沢田正司
口下手が指で操るラブメール たまき
呆気なく黄昏に溺れてしまう 藤沢修司
ピンボケは地球が動くからでしょう くに
連休でパチンコ玉は休めない 徳重美恵子
佳作 投函しポストの浅さ気にかかる 黒しま
鉢巻きにされても文句言えぬ布 城崎れい
指先で決めるコインの裏表 彦翁
次男と次女のすばしっこさは侮れぬ 片山かずお
容赦なく深部を照らす走馬灯 城水めぐみ
遺影にはネクタイ姿選ばない くじょうまる
評:本当の姿ではないから。
ストイックすぎる自分に疲れ出す 麦乃
評:それでも、もう後には引けないよ。
革命をテレビの前で待っている 福村まこと
評:行動しないわたしたち。テレビを見るということは関心はあるわけで、マシな方かも。
第55回 4月23日-4月29日分(28名56句) 自由吟 森山文切選
  入選の百句目指して亀の足 旅人
心療内科傷に包帯巻けません 黒しま
あなたから生まれる言葉紡いでく 鈴鳴うた猫
母という重み母しかわからない 城崎れい
引き出しを開ければ母がよみがえる  風間なごみ
田畑を地球にかえし旅支度 武良銀茶
制限の中で最大限生きる くじょうまる
鉛筆削りシニアカレッジまず一歩 やひろ
春雨にとけて音楽躍る夜 御泉水
咲いて散るだけでさわいでいる日本 丹下凱夫
骨のない男何だか好きになり あそか
使えない電池みたいにひとりです 未来堂良仁
沈黙を騒がしくする鉤括弧 城水めぐみ
佳作 妻の目が光った後の無言劇 彦翁
取説をすぐに取り出すアナログ派 圦山繁
軍艦の授乳時間にくるイルカ 福村まこと
25時炭酸までも逃げてゆく 未来堂良仁
栞にもあったこっそり折れたやつ 徳重美恵子
行く先を問うてはくれぬ霊柩車 たまき
評:答えは、天国だからです。
セーリング瀬戸内海は試歩の風 永見心咲
評:風が応援してくれている。
ランジェリー春の波動に包まれる くに
評:恋のオーラ。包まれてみたいような、近寄りたくないような。
第54回 4月16日-4月22日分(27名54句) 自由吟 森山文切選
  親の敷くレールが錆びていく焦り あそか
ミサイルか花火か騒がしい地球 彦翁
骨のない男で箸に掛からない たまき
埋め立てをしっかり見据えさくら貝 黒しま
輪を抜けてはっきり見える輪の形 沢田正司
遠回りしても絶対会いに行く やっこ
蝶よ花よ父母雑草と成り果てる 芥子
脇役が好きではないとかすみ草 awaji
未消化の想い出ばかり増す夜更け 辻堂墟庵
夫婦げんかドローにさせる子の寝言 敏治
孤高だから風を読むのに長けてくる アゲハ
懐に昨夜の雨を隠す海 パッピ〜
トゲのあるバラもいずれは丸裸 城水めぐみ
佳作 サザエさんしんみり歌う春の宵 くに
着地するつもりの地図が見当たらぬ 永見心咲
メルヘンを眠らせている光る庭 麦乃
有耶無耶と書くとうやむや暴きたい 徳重美恵子
守秘義務に潜水艦の窒息死 福村まこと
留守電にトロトロ溜まる母のぐち めぐむこ
評:やわらかいぐち
ピンボケのものたりなさを好きでいる くに
評:なんでも見えすぎる世の中になってしまった。
反転をさせるつもりの駒を抱く 徳重美恵子
評:駒は、成りたくなかった。
第53回 4月9日-4月15日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
  春の陽に背中を押され前を向く かしくらゆう
脇役で生きて上手になった犠打 圦山繁
脳ミソが日本の四季で耕され 武良銀茶
爪を出し下手と言われた綱渡り 風間なごみ
ダメ押しのウンチク広げ玉の汗 千矢子
潔くあきらめたらと花が散る 麦乃
内定の企業破綻で掴む運 森田旅人
春生まれなのよといつも能天気 あそか
谷底で栄える獅子の種族あり パッピ〜
ストレスを溜めてゆるキャラ演じてる 星野睦悟朗
濁っても良いではないかスタートは 徳重美恵子
朗報を匿名で待つ掲示板 福村まこと
評:ネットの掲示板は「見るだけ」という方も多いようです。
六曜に縛られないで生きてます 城崎れい
評:縛られてはいない。ちょっと気になって見ているだけ。
自販機に入れる小銭もない散歩 彦翁
評:ジャラジャラうるさいけど、ないと困る。
第52回 4月2日-4月8日分(23名45句) 自由吟 森山文切選
  すぐ側にある幸せが見えないの 鈴鳴うた猫
卒業へバイトの汗は惜しまない 風間なごみ
飽食のカラスが選ぶゴミ置き場 たまき
醍醐寺のさくら一千年のうた 彩古
思うまま生きてみたいと花筏 やひろ
人生のところどころにラビリンス 若芽
あっ そこは立入禁止深みどり くに
止められているので少しだけにする 片山かずお
ヒヤシンス一本だけを渡される 永見心咲
読めないが変な名前と言われない 福村まこと
佳作 叩いても踏んでも一皮剥けない 徳重美恵子
過去形の話と降り続く雨と 辻堂墟庵
押し花が雨に恋する本のなか かしくらゆう
引き時は笑い話の終わる頃 彦翁
遊ぼうとモンシロチョウが呼びに来る 敏治
頂点に立ってる人の足の裏 パッピ〜
評:きれいなままか、努力によるマメだらけか。
カーテンもそろりと揺れる新天地 めぐむこ
評:新生活の不安と期待
シンプルの美とはこうだと目玉焼き 片山かずお
評:上手に焼けました。
第51回 3月26日-4月1日分(24名47句) 自由吟 森山文切選
  もう今日は帰っていいと言われたい かしくらゆう
怒りて怒りて湯気ごと茶を飲む 未来堂良仁
訣別にならぬ言葉を選ぶ技 麦乃
車イス爪を切っては指戻す 徳重美恵子
晩学の辞書にメガネの度が合わぬ あそか
庭に来る鳥にみかんのおもてなし たまき
潮騒を奏でる夕暮れのハープ くに
さくらさくら例え話はしない鬼 くみくみ
佳作 二分咲きで一本飲んだ缶ビール 彦翁
虚栄心捨てると軽い靴の音 沢田正司
蜘蛛の巣を編んで張っての新年度 城水めぐみ
貝殻を開けば虹は逃げていく パッピ〜
例えばとわたしを吊るす鐘の音 永見心咲
玄関におくかトゲトゲしいアロエ 千矢子
評:見た目に反して癒し系のおうちなんです。
春の音させて転がるアルミ缶 敏治
評:ごきげんなアルミ缶がもたらす春
鬼になれずに母親になりました くみくみ
評:鬼ではなく母親になった、ならざるを得なかった切実な理由がありそう。でも下五に後悔はない。
第50回 3月19日-3月25日分(31名60句) 自由吟 栃尾奏子選
 平抜句
(到着順)
大人びた顔も眩しいランドセル 彦翁
亀の鳴く声を聞いたという詩人 敏治
迷ってもご飯はちゃんと炊き上がる 麦乃
水曜日あたりで顎をだす鞄 永見心咲
老功が竹人形を踊らせる あそか
減らず口叩き傘寿の空元気 沢田正司
呑み込んだ本音カーブに吹き溜まる 北田のりこ
だまし絵の森に棲んでる青い鳥 北田のりこ
初恋の隠し場所ない十五歳 福村まこと
ため息を小さく孕むしゃぼん玉 城水めぐみ
からっぽに慣れた左手薬指 城水めぐみ
ヒマワリになるから放っといてほしい くみくみ
佳作
(到着順)
街路樹が芽吹きのときを話し合う かしくらゆう
解凍に時間がかかる厚化粧 若芽
いい人に出会った今朝の青い空 若芽
明太子パスタもさくら色の春 森山文切
早春の夜空いっぱいイヌフグリ くに
まだあった大人げなさと折り合って くに
春らしい答えが風とやってくる 青砥たかこ
アタックのチャンスきれいなトスが来る 青砥たかこ
森山文切選
 平抜句
(到着順)
オートミール祖父の横顔思い出し 御泉水
亀の鳴く声を聞いたという詩人 敏治
ネジ巻いて巻いて続ける老いの趣味 圦山繁
スマホからバイリンガルの唄が漏れ たまき
減らず口叩き傘寿の空元気 沢田正司
よく生きた心の傷を抱えつつ うた猫
昭和へと寝返りばかり打つ老爺 辻堂墟庵
いい人に出会った今朝の青い空 若芽
ため息を小さく孕むしゃぼん玉 城水めぐみ
両腕で抱いているのは空っ風 くみくみ
絹糸のもつれは愛の不釣り合い 藤井智史
早春の夜空いっぱいイヌフグリ くに
まだあった大人げなさと折り合って くに
待ちわびているとなかなか来ないバス やっこ
この枝に咲いたらきっと泣くだろう やっこ
佳作
(到着順)
迷ってもご飯はちゃんと炊き上がる 麦乃
だまし絵の森に棲んでる青い鳥 北田のりこ
靴下の丈も個性を出し切れず 谷山朔
怒鳴り声上げてるショキングピンク 海賊芳山
夜中です祖父の後ろを歩きます めぐむこ
解凍に時間がかかる厚化粧 若芽
初恋の隠し場所ない十五歳 福村まこと
水曜日あたりで顎をだす鞄 永見心咲
第49回 3月12日-3月18日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
  何やかや言ってるうちに春が来る 若芽
ふわふわとためらうこころ持て余す めぐむこ
何気なく笑っていても蚊帳の外 麦乃
疑いが晴れて美味しい紅茶飲む やっこ
定まらぬ春をどうにかゲットする 永見心咲
駅員さんと会話交わして春切符 敏治
まばたきの音に怯えている一人 パッピ〜
夜の黒吸って気配を消している 海賊芳山
伝説になった昭和の団子汁 あそか
トールゲートあと百円が落ちている  風間なごみ
傷心の造花は水を欲しない 辻堂墟庵
評:ふてくされてしまった。
新しいパソコンが人見知りする かしくらゆう
評:古いパソコンも仲良くしてくれない。
危な絵を巻き寿司にする父兄会 福村まこと
評:今や「父兄会」は危な絵のように表に出せない言葉になってしまった。
第48回 3月5日-3月11日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
  大学を出て職安に世話焼かれ 風間なごみ
時計にはなれず砂漠で風になる パッピ〜
ポストイット程の粘りは持っている 圦山繁
紐とけば江戸のころから蒙古風 敏治
吊り橋を渡れば出会うつむじ風 みずえ
ちぎるなら愛とキャベツで春パスタ かしくらゆう
寂しさを掬い集めて恋の花 御泉水
伝統ののれんを守る汗と知恵 沢田正司
佳作 晴れわたる夜の青空 深呼吸 くに
あーあーと欠伸と浸かる仕舞風呂 片山かずお
夜明け前食パン耳を澄ましてる 谷山朔
石棺に爪あと残す律義者 福村まこと
花びらにむせるモラトリアムな春 城水めぐみ
がんばれと励ましている無人駅 彦翁
評:ワンマン電車も一緒に励ましています。
薀蓄を煮込む男の芋煮会 たまき
評:まずは芋煮会の歴史から・・・
ハウスから肩身の狭いフキ香る めぐむこ
評:ちょっと浮いているけど、私は君のこと好きだよ。
第47回 2月26日-3月4日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
  銘酒でも下戸にはただのアルコール 圦山繁
ロボットが明日は上司かもしれぬ 星野睦悟朗
母さんの切符をもって乗る園児 敏治
心中になんじゃもんじゃの木が茂る 永見心咲
手のひらに掴んだものを確かめる 麦乃
念願の切符手に入れリスタート めぐむこ
うつ伏せになって抱かれているつもり パッピ〜
さ迷って都会に浮いているクラゲ 海賊芳山
教室で折り畳まれていた翼 城水めぐみ
はつらつと生きると決めた頃に春 彦翁
評:長い春になってほしい。
新芽ですいましばらくの御猶予を 永見心咲
評:新芽らしからぬ言い回しだが、もう少しだけ待ってやろう。
存分におやりなさいと真イカの目 谷山朔
評:人間を哀れむ目
第46回 2月19日-2月25日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
  この雪が融けないうちに言わなくちゃ やっこ
人の道外さぬように嘘をつく 武良銀茶
萌える芽にふれて命のありがたさ 彦翁
梅や桃春だ春だと小うるさい めぐむこ
観客はいないけれども主人公 夢香
生きるため毎日直す設計図 片山かずお
押入れの奥で男雛が咳払い かしくらゆう
ご自由にどうぞバザーの端の僕 辻堂墟庵
タレントの名前ふわりと雲隠れ 圦山繁
憧れの都会で事故死する鴉 福村まこと
どうにでも描きなぐってと青い空 風間なごみ
落ちてゆく砂を眺めるだけの午後 城水めぐみ
猫を脱ぐミステリアスな瞬間 あ くに
評:あ、中も猫やん。
欲望を積み上げていくバナナパフェ 海賊芳山
評:途中で溶けちゃった。
春の陽を覚えていたんだね木の芽 風間なごみ
評:ワタシもキミを覚えていたんだよ。
第45回 2月12日-2月18日分(24名48句) 自由吟 森山文切選
  春風に蟻が休めりホトケノザ 谷山朔
二杯目は明るい声の居候 木根川八郎
無関心装い敵をやり過ごす 麦乃
見る人も梅もほろ酔い薄化粧 敏治
足腰にときどき喝を入れてます 春爺
ジェラシーの焦げ目が残る古日記 たまき
野心捨て底なし沼を抜けて出る 沢田正司
底冷えがするの秘密を隠す夜 かしくらゆう
疑いを掘り下げていく脱水槽 パッピ〜
佳作 二十年忘れましたと笑ってる 宮野みつ江
何色の鬼でも好きだ頼もしい 龍せん
平和ボケ平らな日々にシン・ゴジラ 武良銀茶
五線譜の上では清らかな家族 城水めぐみ
チーズ饅頭どこから見てもテロリズム 海賊芳山
欄外で見る雪だから美しい 永見心咲
評:美しい句。美しすぎる、かな。
ブラックな所に蜜は満ちてくる 海賊芳山
評:だから、ブラック企業がなくならない。
父だったひとだったはずだった父 城水めぐみ
評:変わってしまった父への戸惑い。でも、父は父なのです。
第44回 2月5日-2月11日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
  無駄ですがくじ引く腕に力瘤 武良銀茶
コンビニとチンを味方に独り立ち 星野睦悟朗
苦味だけ残る魔法の解けたチョコ 城水めぐみ
順風満帆何とつまらん人生か 武藤今朝夫
ワンマンの打ち出す案に泣く現場 圦山繁
少しだけ情けが欲しい時もある やっこ
直球がわたしを通り抜けていく くに
いつか立つ輝く岐路が今日だった 谷山朔
偏屈で短気に寄って来る孤独 片山かずお
マフラーを外して春のくしゃみする 彦翁
佳作 枝打ちをされたけやきと春を待つ かしくらゆう
大仏にネジを巻かれたかたつむり パッピ〜
悔やんでも戻らぬ若さ黴た餅 めぐむこ
あたたかな畳を終の駅に敷く 辻堂墟庵
お言葉に甘えて海に帰ります 海賊芳山
四十歳でした次のニュースです 風間なごみ
評:加害者にも共感してしまう哀しさ
影作る石灯籠の自己嫌悪 福村まこと
評:最近出家して芸能界を引退された方と石灯籠が重なります。
気取っても頬杖はもう似合わない 麦乃
評:「昔は似合っていた」と思っているのは、自分だけかもよ。
第43回 1月29日-2月4日分(17名34句) 自由吟 森山文切選
  雪虫をよけて風切る通学路 谷山朔
八方美人してたらなった胃潰瘍 敏治
繕うても語尾に人柄透けて見え 圦山繁
優しくも厳しい鬼が理想です めぐむこ
常識を捨てて芸術家を気取る あそか
どこかしらいつも何かが痛む人 麦乃
牛の背にぶら下げている母のヘソ パッピ〜
丹念に磨き戻らぬブーメラン たまき
あまい香のリビング冬のティーポット くに
お出かけのポッケにバスの優待証 片山かずお
人の句 電気柵囲んだ中の放し飼い 福村まこと
評:制限されない自由などない。
地の句 繋がれた糸に鋏を添えておく 城水めぐみ
評:自分からは切りませんという意思表示
天の句 ゆたゆたゆたう背徳心に酔いながら くに
評:不思議なリズムのナルチシズム
第42回 1月22日-1月28日分(25名50句) 自由吟 森山文切選
  雪予報寒さに泣くは一年生 御泉水
昨日まで覚えてたこと忘れてく やっこ
湯に浸かりアルキメデスを思う夜 沢田正司
雪道に負けてはいない足運び 彦翁
大統領恫喝萎縮大企業 圦山繁
絵手紙は一足早い春告げる 夢香
通学の声透き通る冬の朝 片山かずお
満月がぽちゃんと落ちた池の波 若芽
足よりも二三歩前に行く気持ち くに
のっぺらな首が浮いてる美人の湯 風間なごみ
冬眠をさせてくれない腹の虫 たまき
俺だけが寒いんじゃない独り飯 武藤今朝夫
夕焼けへ匍匐前進する所長 福村まこと
静寂をいびつに跳ねるオルゴール 城水めぐみ
そんなふうだからいつでもピスタチオ 永見心咲
佳 作 分別マーク知ってるカラス今朝は来ぬ 敏治
片道切符迷ってみたい時もある あそか
仏間にてご先祖さまとおままごと かしくらゆう
終活へ二十歳の夢を連れたまま 星野睦悟朗
置き去りの星がポツンと沼の中 麦乃
人の句 人生は白へと回帰する旅だ 辻堂墟庵
評: 生まれた時も死ぬ時も、白で。
地の句 マネキンのR指定のふくらはぎ 海賊芳山
評: ふくらはぎでR指定という艶かしさ。人間では不可能かも。
天の句 泡盛の透明感にだまされる 武良銀茶
評: だまされたかったんでしょう?
第41回 1月15日-1月21日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
  また寒波風邪にはみんな気をつけて
旧姓で呼び止められる里の店 福村まこと
交通費ケチったくせにパフェ食べる 石森あやみ
ダイエットしたと態度のデカイひと かしくらゆう
遅刻した冬がゆるりと落ちてきた 城水めぐみ
脱獄の気分に浸る定年後 星野睦悟朗
目も口も閉じ荒波をやり過ごす めぐむこ
スキップで羽になりたいおさげ髪 パッピ〜
ばあちゃんのおせちおかずがありません 武藤今朝夫
人の句 乾燥をすると香りが増すハーブ 青砥たかこ
評:「わたし」も乾いてしまったが、香りは増しました。
地の句 介護ロボ痛いと言えば直ぐ止まる 武良銀茶
評:人間は止まってくれません。
天の句 ばあちゃんの革命と屋根すべる雪 くに
評:勇気を出したばあちゃんの革命は、すべりました。
第40回 1月8日-1月14日分(24名48句) 自由吟 大西俊和選
 平抜句
(到着順)
お薬を確かめ老いの旅カバン 風間なごみ
年玉の返しと風邪の置き土産 敏治
歩に戻る気の無い名刺前を付け よけだ
まな板に母とおんなと嫁の唄 福村まこと
早婚や親を泣かせて今がある 坪井篤子
空っ風黄信号でも突っ走る 若芽
当ったと公言できぬ宝くじ 若芽
沈黙のつぼみにふっと花が咲く くに
運命は不躾急にやってくる かしくらゆう
スマホにも寒いよねって息かける かしくらゆう
あの山を越えればきっと春がある 山口一雄
自分史の随所にペンのフライング あそか
初々しいふくら雀を背に二十歳 はるか
あの世へは持てぬお金を貯めた母 石森あやみ
佳 作
(到着順)
鍵穴の視野で世間を見る余生 圦山繁
肝臓の辛さを知らぬ千鳥足 圦山繁
6階の庶務課がボクの生きる場所 麦乃
善い人と呼ばれる夫(つま)が踏む小石 福村まこと
縦横斜め糸が絡んだ要介護 たまき
人の句 よろしくと片手拝みで頼まれる 片山かずお
地の句 詫びることある盃が重くなる 辻堂墟庵
天の句 ぶつかって初めて気づく注意書き 山口一雄
森山文切選
 平抜句
(到着順)
肝臓の辛さを知らぬ千鳥足 圦山繁
詫びることある盃が重くなる 辻堂墟庵
雪女が迫る凍死かもしれぬ 敏治
忘れっぽい日々のためです日記帳 めぐむこ
まな板に母とおんなと嫁の唄 福村まこと
むずがゆい方へ方へと手がのびる 坪井篤子
水筆にジェルソミーナの涙つぶ くに
ぶつかって初めて気づく注意書き 山口一雄
よろしくと片手拝みで頼まれる 片山かずお
初々しいふくら雀を背に二十歳 はるか
佳 作
(到着順)
マスクしてとんど祭りの餅を焼く 彦翁
紙の縁滑らせて切った臍の緒 パッピ〜
6階の庶務課がボクの生きる場所 麦乃
与野党の溝は大きい方がよい よけだ
空っ風黄信号でも突っ走る 若芽
人の句 自分史の随所にペンのフライング あそか
地の句 暗闇のすき間でかすかな息継ぎ 海賊芳山
天の句 猫が目を回す白髪の恋ダンス たまき
第39回 1月1日-1月7日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
  人は人頑と持論を譲らない 星野睦悟朗
好き嫌いする人がいるクラス会 若芽
割り算の余りのような恋だった 風間なごみ
胸奥を透明になるまで浚う 辻堂墟庵
夢に来た夫は若い時のまま 宮野みつ江
コタツから眺める雪が青白い やっこ
寒椿散り落ち空をなお睨む 圦山繁
ロボットに情が芽生えた瓦礫処理 あそか
佳 作 右の手をなだめ優しい言葉書く かしくらゆう
鶏旦の輝くひかり深呼吸 敏治
丁酉 風切羽は整った たまき
コピー機の前に並んだマジョリティ 城水めぐみ
アクティブな八十路だーれもついてこぬ たまき
人の句 ややこしい折られ方した紙の鬱 福村まこと
地の句 小さめの柩に花を積んでゆく 石森あやみ
天の句 ニンニクの謀反臭いを消している 海賊芳山

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2016年

第38回 12月25日-12月31日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
  真空パックの小さな鏡餅 彦翁
まっ白な人を好んでいる企業 圦山繁
新しい年に責任押し付ける やっこ
言の葉は揺らめきながら君に落ち パッピ〜
 一人用お節が届き年暮れる みつ江
新しい靴で故郷の土を踏む 城水めぐみ
飲み込んだ言葉が甘いはずはない かしくらゆう
来る年は明るくなれよ桜草 めぐむこ
ゴミ出しへハテナ印の厚化粧  風間なごみ
お雑煮の出自調べる内視鏡 福村まこと
人の句 焼き味噌という手もあるな除夜の酒 敏治
地の句 振り向いてもらえぬ笛を吹いている たまき
天の句 禁酒禁煙腑抜け野郎ができ上がる 片山かずお
第37回 12月18日-12月24日分(19名37句) 自由吟 森山文切選
  満点に頭撫でてとさしだす子 御泉水
待合室患者が医師のランク付け 宮野みつ江
誕生日スマホがやけに忙しい 彦翁
落とされるために今夜は紅をひく かしくらゆう
悪口を宛先ミスで知らされる 石森あやみ
たかが猪口されど私を知り尽くす 辻堂墟庵
故郷のサイレン海馬から響く 城水めぐみ
休肝日口がへの字になったまま 星野睦悟朗
明日のためすこしつよめにネジを巻く 澁谷さくら
だんだんと病み付きになるごみ拾い 武良銀茶
人の句 ドラマにはなくてはならぬいい女 あそか
地の句 ひらがなの相手が欲しいティータイム 若芽
天の句 伸びる芽を摘んでしまったドキュメント  風間なごみ
第36回 12月11日-12月17日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
  頑張れと言われてふさぐキリギリス 星野睦悟朗
美しい朝日思わず手を合わす 片山かずお
はみだしたこころの居場所さがす旅 澁谷さくら
やれやれと笑っていない目を洗う 石森あやみ
ちっぽけな花束持って誕生日 めぐむこ
なんて楽なんて明るい影の裏 くに
場の空気破る勇気のない右手 圦山繁
くびれから今がこぼれる砂時計 城水めぐみ
マンボウの背ビレは誰に振っている 海賊芳山
味噌汁だって機嫌の悪い年の暮れ 敏治
三十年前の呪文に今かかる かしくらゆう
人の句 でたらめに泡立っているクリスマス 城水めぐみ
地の句 年末になるとそわそわする右手 やっこ
天の句 太腿を防潮堤にするタトゥー 福村まこと
第35回 12月4日-12月10日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
  いつからか気が重くなるお正月 やっこ
決心をしてから深くなる迷い 圦山繁
ヨーイドン二人で歩く白い地図 風間なごみ
ごめんねが届きますかと空仰ぐ 石森あやみ
パチパチとスルメかすかに爆ぜる音 星野誠
バーチャルな野山育ちの子らが増え 武良銀茶
靴下を2枚暑くて眠られず べにすずめ
冬ざれの街迷路から出られない 麦乃
雑踏でねずみ花火を抱いている 宮野みつ江
邪な祈りにサンタそっぽ向く 敏治
泣き顔を乾いた冬に隠したい かしくらゆう
佳 作 飲み会は皆勤賞と言う師走 彦翁
敗因は海老の尻尾にある過信 福村まこと
煩悩の数だけ緩く舌を噛む 城水めぐみ
叱られて初めて知った悪いとこ 片山かずお
広げれば指の間に棲む人魚 パッピ〜
人の句 告白のチャンスが逃げたルミナリエ あそか
地の句 姑帰るパキパキパキと鳴る背骨 宮野みつ江
天の句 パーフェクトヒューマンのあとさき不明 くに
第34回 11月27日-12月3日分(17名33句) 自由吟 森山文切選
  初めから落とすつもりの蜘蛛の糸 パッピ〜
繋ぐんじゃなく絡ませた指が好き かしくらゆう
お手頃のお節を予約するスマホ 彦翁
思うまま生きて悔いなく散る紅葉 圦山繁
散る木の葉次の世代を信じ切る 星野睦悟朗
体当り演技してます生きてます めぐむこ
地模様に初めて気づく白いシャツ 澁谷さくら
人の句 うやむやにできないベルが鳴り響く 城水めぐみ
地の句 洋食のスープはやはり苦手です 武良銀茶
天の句 クレーマー金属音を撒き散らす 圦山繁
第33回 11月20日-11月26日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
  掌に痛みが残る子の躾 圦山繁
一通の手紙夫婦を混ぜ返す 宮野みつ江
さっきから泣いてる人が気にかかる 麦乃
賛辞には慣れ過ぎました薔薇の赤 永見心咲
ふさぐ日は生きる生きると書くノート 石森あやみ
トランプに自立歩行を迫られる 彦翁
ライトアップの紅葉の憂い眼にしみる めぐむこ
目立たないところで光るエピグラフ くに
栗ご飯うまくて上がる血糖値 彦翁
トイレでも片手はスマホ離さない 星野睦悟朗
観客が一つ儲けた取り直し ツボ
二足歩行して人間は武器を持つ 敏治
人の句 石段を踏み外したら釈迦の腕 パッピ〜
地の句 フィニッシュを見事に決めた薬指 若芽
天の句 日当たりの悪い葡萄を弟子にする 福村まこと
第32回 11月13日-11月19日分(25名49句) 自由吟 森山文切選
老いて尚気概は捨てぬままでいる 風間なごみ
叱られることには慣れていたくない 夢香
喪失を埋める為ただ食べている 麦乃
アリバイを消して冷たい雨が降る かしくらゆう
ボチボチと行きましょうかと影が言う やっこ
人脈も金脈もなく自由人 武良銀茶
冒険がしたくて息を止めている 海賊芳山
三分を待てばオシャレなあしたです くに
摘み取って欲しくて棘を甘くする 城水めぐみ
地下街にまだ立て籠もる白虎隊 福村まこと
粉雪の舞うフクシマは未だ汚染 敏治
味噌汁をふうふう昨日はごめんね 喜屋武白雨
魂をフリーにさせる林住期 敏治
真実はここよとバニーガールのぽんぽん 篤子
佳 作 ほかほかをくるんと包むバスタオル くに
ちょっとした嘘に塗り込む痒み止め 篤子
晴れの日も傘手ばなさぬひとでした 澁谷さくら
痕跡をぬぐい始める模様替え 石森あやみ
鼻ピアス梅田3番街あたり 海賊芳山
人の句 損得に一喜一憂する尻尾 彦翁
地の句 伊達の薄着で風邪の餌食になっている 片山かずお
天の句 つむじから漏れる悪魔の独り言 城水めぐみ
第31回 11月6日-11月12日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
うまそうに食べる力士のコマーシャル ツボ
スイッチを押すだけ家電よく動く 石森あやみ
やさしげな言葉で胸を刺しに来る 圦山繁
口ほどにないと言いつつ後ずさり かしくらゆう
恋の海うまく泳げぬ魚座です 澁谷さくら
木枯らしが泣いていたのだ夜明け前 木蓮
干し柿を狙う鴉の番をする 彦翁
ロゼワイン憎い男を一気呑み あそか
佳 作 去る人の代わりをします案山子の背 めぐむこ
十センチ跳ねて金魚は反逆者 麦乃
改札を抜けた切符の新しさ パッピ〜
英国に続き米国サプライズ 敏治
まっしろい廊下へ響く死生観 城水めぐみ
人の句 指図して欲しい三途の渡り方 若芽
地の句 名もなき人へ草カンムリが授与される くに
天の句 ばば抜きの的に桜がされるかも 永見心咲
第30回 10月30日-11月5日分(30名59句) 自由吟 平井美智子選
 平抜句
(到着順)
六十路過ぎ老人力は伸び盛り 武良銀茶
凸凹を埋めてしまってただの人 武良銀茶
炬燵には猫がふんぞりかえってる いずみ美帆
きみ彩にブレンドされてしまいそう 斉尾くにこ
末席に融けて如才のない主賓 よけだ
帰省する胸にシャラシャラ猫じゃらし 水たまり
母さんの愛はいつでも裏起毛 水たまり
薄切りの夢にはジャムをたっぷりと 城水めぐみ
善人の列に並んで顔ふせる 福村まこと
傾いたままを見せてる父だった 福村まこと
あの時の空とおんなじラムネ色 良子
秋の影 波立つこともなく暮れる 篤子
生きてみる味方がひとりいるのなら 石森あやみ
佳 作
(到着順)
追憶のドア酒が開け酒で閉め 喜屋武白雨
秋深し私は今日も探し物 たかこ
甘辛く生きております召し上がれ 城水めぐみ
難しい顔してゆで卵を剥く かしくらゆう
ぬる燗にゆっくりとけてゆく仮面 澁谷さくら
人の句 化けの皮剥がすと残る喉仏 敏治
地の句 「楽しかった」とひっくり返る醤油瓶 斉尾くにこ
天の句 裏口に父が来たらしミカン箱 宮野みつ江
森山文切選
 平抜句
(到着順)
新米の香りが好きな炊飯器 彦翁
逆境で知ってしまった人の裏 圦山繁
疑いを知らず大人になるキセキ やっこ
凸凹を埋めてしまってただの人 武良銀茶
今更に苦渋を亡夫の日記帳 宮野みつ江
秋深し私は今日も探し物 たかこ
帰省する胸にシャラシャラ猫じゃらし 水たまり
母さんの愛はいつでも裏起毛 水たまり
ゲラゲラと小馬鹿にされている寝言 若芽
難しい顔してゆで卵を剥く かしくらゆう
墓参り今日は野菊を挿しておく 山口一雄
佳 作
(到着順)
人をまたぐような無理強いしとうない めぐむこ
善人の列に並んで顔ふせる 福村まこと
傾いたままを見せてる父だった 福村まこと
化けの皮剥がすと残る喉仏 敏治
かわきだす風にこころがひび割れる 澁谷さくら
人の句 傘はある11月の水の音 篤子
地の句 三分で茹で上がるのは草食系 永見心咲
天の句 「楽しかった」とひっくり返る醤油瓶 斉尾くにこ
第29回 10月23日-10月29日分(23名46句) 自由吟 森山文切選
けんけんぱ大地を跳ねるゴム草履 彦翁
ほとんどの選手引退騒がれず ツボ
母逝った歳越えました墓磨く 星野睦悟朗
砂の城こわれる前にこわす癖 澁谷さくら
ひらがなで諭してくれた母の辞書 喜屋武白雨
子に見せる背筋はシャンと伸ばしとく 風間なごみ
場の空気決まらぬうちは猫でいる 圦山繁
商魂に煽られ踊るハローウィン 敏治
ワンルームご馳走様と箸を折る パッピ〜
濃い口のミートソースの聖歌隊 海賊芳山
紙パンツにこやかに行くクラス会 たまき
佳 作 まるい輪の中からしゃしゃり出た狐 若芽
チャリンチャリンお釣りの時間鳴っている 麦乃
太陽が起きずに臨時休業日 海賊芳山
わたくしの抜け殻を干す日曜日 城水めぐみ
毒ガスの島でうさぎのあらかしこ 篤子
人の句 成り行きに任せ濁りのない末期 あそか
地の句 あんぱんの出べそにされているクルミ 篤子
天の句 血を隠し横一列の万国旗 福村まこと
第28回 10月16日-10月22日分(21名41句) 自由吟 森山文切選
半袖の子の咳をする通学路 御泉水
デジタル派時計回りが通じない ツボ
常連が無くなっていく並ぶ店 武良銀茶
まあいいか重ね窮地に立たされる 圦山繁
居酒屋の床には憂さが落ちている 喜屋武白雨
幸福も不幸も同じ鍋の中 城水めぐみ
戦いを逃げずに生きた深い皺 星野睦悟朗
ライバルの涙に負けたわけじゃない 石森あやみ
設計と程遠いままたそがれる 星野睦悟朗
孤立する勇気無いから黙っとく 宮野みつ江
整えた呼吸で語り始めるファ パッピ〜
男一匹明日が見えない時間給 さなえ
人の句 1本の毛さえゆずれぬ情報化 澁谷さくら
地の句 主なきビルはひっそり老いてゆく かしくらゆう
天の句 退職日非常階段降りてみる 福村まこと
第27回 10月9日-10月15日分(27名54句) 自由吟 森山文切選
連勝がお詫びの印しめくくる めぐむこ
さっきまで足元にいたはずの秋 やっこ
つましいが日に三食は欠かさない たまき
長いこと待って約束明日と知る 風間なごみ
真ん中を少し外して狙う癖 城水めぐみ
水に流したのにこびり付く本音 喜屋武白雨
傷ついた舌流暢に語り出す 石森あやみ
チョイ悪が粋で恰好よく見える 片山かずお
エンディングノート書いて迷いを深くする 篤子
割り箸で絡めとりたい甘い雲 かしくらゆう
伝説のふるさと探す深海魚 福村まこと
綱を引く力尽きたか流れ星 圦山繁
軽トラの上に神輿を乗せる秋 彦翁
佳 作 昇進の道を閉ざして親を看る あそか
拾う人捨てる人より立派です 武良銀茶
焼き芋を包む新聞きな臭い いずみ美帆
902・・・棚田の月を数えてる 麦乃
忘れたと嘯きこびりつく鱗 海賊芳山
人の句 お化粧がとれてしまったので帰る 若芽
地の句 打ち明ける覚悟を迫るシャボン玉 敏治
天の句 マラソンの距離は信頼されている たかこ
第26回 10月2日-10月8日分(26名52句) 自由吟 森山文切選
長雨を一人喜ぶカタツムリ ツボ
ピカソ展腕組みをしてただ唸る 星野睦悟朗
昨日より風呂の湯が沁み気づく冷え いずみ美帆
眉を描き忘れた顔のしまりなさ かしくらゆう
補聴器が嫌がる金のいる話 さなえ
たそがれの橋でムンクにやあと言う 喜屋武白雨
神輿練るヨイサの声も勇ましく 木蓮
お金持ちらしいな禁煙をしない 片山かずお
なんとなく秋の深まる朝の水 篤子
世に出る日じっと待ってる麦ごはん 福村まこと
標準時子午線上で待ち合わせ 城水めぐみ
佳 作 真っ直ぐに涙を流す黒い傘 パッピ〜
朝ドラの神戸訛りが嬉しくて 宮野みつ江
空財布みて人間にもどる朝 敏治
少年のフリーズ溶かす交差点 永見心咲
少年の視野にはひとつだけの花 あそか
人の句 驕りだと知らぬ善意にある微罪 澁谷さくら
地の句 人の字を飲み過ぎ黒くなった腹 圦山繁
天の句 歯車の形に慣れてゆく身体 城水めぐみ
第25回 9月25日-10月1日分(20名40句) 自由吟 森山文切選
もう一度出るゾと言って家を出る 福村まこと
十字架を背負って生きていく覚悟 麦乃
やわらかく抱かれてかたくむすばれる 澁谷さくら
泡立てた石鹸ほどの夢をみる かしくらゆう
幸せを装い綴る日記帳 石森あやみ
合鍵を貰った日から愛が冷め なごみ
老いてなお効果に期待美肌の湯 宮野みつ江
爆発のパワーで早朝のカラス 海賊芳山
佳 作 eチケットまた確かめる宿の朝 篤子
刃こぼれの包丁ですが愛される 篤子
段々と怒りに変わるゴミ拾い 武良銀茶
料亭に顔を出せない缶ビール 圦山繁
銃持てば決して撃たぬとは言えぬ 澁谷さくら
人の句 ナメクジはビール党だという噂 敏治
地の句 台風が過ぎて長袖欲しくなる 彦翁
天の句 缶切りでキコキコきみの海開ける 喜屋武白雨
第24回 9月18日-9月24日分(24名47句) 自由吟 森山文切選
うなぎパイ復活をするいいニュース ツボ
虫かごに入れたまんまの夏休み パッピ〜
水素水水素は無色無味無臭 圦山繁
空っぽにしたくてできぬ箱がある 澁谷さくら
朝取りに一筆添えて子に送る たまき
子に孫に送る平和の種袋 さなえ
片付けのしばし手を止め古句帳 宮野みつ江
完璧を求め匠は手を止めぬ 片山かずお
美魔女なら彼をとりこにできるのに 麦乃
機微の差が二人のふりこ狂わせる めぐむこ
佳 作 ひと言がいい叱るのも褒めるのも 片山かずお
四捨五入その五に勝負かけている 高浜海光
天高しまたも猫背を正される 若芽
自画像の瞳をわざと塗り残す 城水めぐみ
戦争の匂いじわじわ嗅がされる なごみ
人の句 複雑な想いはあるが焼きうどん 福村まこと
地の句 細長い夜にしたのは誰なんだ 海賊芳山
天の句 のっぽビルよ君にサンゴが見えますか 敏治
第23回 9月11日-9月17日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
気がつけば席譲られることに慣れ 星野睦悟朗
遺産分け逆立ちしても似ぬ親子 麦乃
新しく生まれたわけじゃない新種 パッピ〜
コルク栓抜く記念日になる予感 あそか
痛みには触れず温燗注いでやる 喜屋武白雨
哀悼のかたちで野辺の曼珠沙華 敏治
元気だと合図は二回ベル鳴らす 石森あやみ
待ちに待ち燃えたカープに泣けて来る 彦翁
近付いて同じ匂いと知りました 篤子
本を抜け泳ぎ続ける宝島 福村まこと
帰省した娘のあとをつける犬 かしくらゆう
人の句 とりあえず並んでみます最後尾 武良銀茶
地の句 極論は避けてその日の風まかせ あそか
天の句 不都合を隠すつもりの首飾り 城水めぐみ
第22回 9月4日-9月10日分(20名39句) 自由吟 森山文切選
夢の中振られた理由問えぬまま 石森あやみ
想定を超えたところにある事実 敏治
焼きすぎて表か裏かわからない 武良銀茶
熱心に遊ぶ誰にも負けぬよう 海賊芳山
父のハンドルはらはらとさせられる ツボ
爪の先ピンと弾かれ帰る道 パッピ〜
お酒よりすぐ甘言に酔う気性 高浜海光
足跡のつかない恋の道標 城水めぐみ
佳 作 4Bで景色切りとる一人旅 星野睦悟朗
子還りの母に残っている矜持 たまき
ストレスを黙って食べてくれる猫 さなえ
強運な女で孤独噛んでいる 風間なごみ
割れたままですがどうしますか こころ 海賊芳山
人の句 生き甲斐はここにもあった澪標 たまき
地の句 岐路に立つ迷うことなく楽な道 バンビ
天の句 甘い毒かきまぜている薬指 篤子
第21回 8月28日-9月3日分(23名44句) 自由吟 森山文切選
鈴虫に西瓜一切れやって秋 彦翁
陽に焼けた子どもの顔が嬉しくて 川畑めぐむこ
見慣れたら夫の癖も気にならぬ さなえ
地球儀をおおきく回すちいさな手 城水めぐみ
うたた寝の妻へふんわり夏毛布 片山かずお
新しいワタシに出会う秋の風 篤子
アルバムに眠ったままの捨てた恋 石森あやみ
この映画逃げられますと非常灯 パッピ〜
体内にうじうじうじと湿地帯 海賊芳山
佳 作 慌てずにいけと信号赤ばかり あそか
ドジを踏む足撫で合ってきた夫婦 さなえ
涙腺が緩くなったと知る五輪 バンビ
ソーダ飴ガリッと噛めば夏の音 かしくらゆう
情死するうねりを待っている岬 福村まこと
人の句 巻き爪の痛みで夏を振り返る いとゆん
地の句 雑巾の絞りかたにもある矜持 澁谷さくら
天の句 あさがおの青は天国かもしれぬ 敏治
第20回 8月21日-8月27日分(27名53句) 自由吟 石神紅雀選
 平抜句
(到着順)
ワイドショーだけの知識でよく喋る バンビ
マイペース遅咲きですと言い聞かせ 武良銀茶
ドア開けぬうちにポチだけ待っている 星野睦悟朗
地ビールの誘いにのって都落ち あそか
大家族物干し竿で宙返り さなえ
拾われて猫は家族になりすます たまき
この旨味おそらく母の手の塩気 パッピ〜
手作りの一本のビス渡される 篤子
家計簿を騙して肥やす小銭入れ よけだ
綺麗すぎ造花と誤解される花 北田のりこ
ネクタイを緩めてからのさと訛り 澁谷さくら
鬼ごっこ誰かが鬼にならなくちゃ 澁谷さくら
絶望の淵にも朝日射してくる 石森あやみ
佳 作
(到着順)
まだそこは皮と言いたくないメロン パッピ〜
母ひとり娘ひとり角を縫っておく 城水めぐみ
ふて寝後に世界がめっちゃ動いてた いと
錯覚の美学の上に咲くおしゃれ 敏治
満月も虹も見て見てとは言わぬ たかこ
人の句 父方のDNAは遠慮がち 水たまり
地の句 家族割別居中とは伏せておく あそか
天の句 お別れは握手ではなくじゃんけんで かしくらゆう
森山文切選
 平抜句
(到着順)
ワイドショーだけの知識でよく喋る バンビ
紅茶飲む席のうしろの痴話げんか 喜屋武白雨
名月が溶かしてくれる物想い 御泉水
ひとやすみきつつきつつく樹の下で 木蓮
まだそこは皮と言いたくないメロン パッピ〜
錯覚の美学の上に咲くおしゃれ 敏治
今日もまたウツボになって君を待つ 麦乃
綺麗すぎ造花と誤解される花 北田のりこ
面倒が絡んで訳が分からない 海賊芳山
ネクタイを緩めてからのさと訛り 澁谷さくら
佳 作
(到着順)
ふるさとの鎮守の森はジャングルに 武良銀茶
お別れは握手ではなくじゃんけんで かしくらゆう
ドア開けぬうちにポチだけ待っている 星野睦悟朗
地ビールの誘いにのって都落ち あそか
鬼ごっこ誰かが鬼にならなくちゃ 澁谷さくら
人の句 首筋に氷 心臓まで冷える たかこ
地の句 楽譜から解放された大阪弁 福村まこと
天の句 執拗に悔し涙を追うマイク たまき
第19回 8月14日-8月20日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
圏外へ読書に耽る夏休み 石森あやみ
顔の似た五千円札縁はなし いと
素麺を妻と二人ですする夏 彦翁
下駄の緒をすげ替えていく踊りの輪 さなえ
矢印の形の雲についていく かしくらゆう
老境を楽しむ呪文ケセラセラ 星野睦悟朗
よく見れば袖を通してない平和 喜屋武白雨
丹念に本音畳んで出る会議 バンビ
佳 作 わたくしの弱みを探り出す名医 あそか
ポケットに人を助けた嘘がある 福村まこと
風呂の栓抜いたくらいのサヨウナラ パッピ〜
ウミウシよワタシも同じ仲間です 篤子
持ち歩く傘が重たいこともある 澁谷さくら
人の句 第三者気軽にメダル数えてる ツボ
地の句 余白見て我に返った理系女子 福村まこと
天の句 かぼちゃ煮る鍋焦がすほど邪推せり 篤子
第18回 8月7日-8月13日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
必要な人と言われて非正規か 武良銀茶
かき氷食べずにいられない暑さ ツボ
運転の邪魔をせぬよう歩道橋 バンビ
女房の影を磨いている亭主 葱坊主
旅立ちに必要なのは深呼吸 パッピ〜
付き合いの幅を財布に決められる 片山かずお
涙腺をきつく締めてもすぐ狂う 石森あやみ
肋骨に溜まった鬱を解き放つ 敏治
アポ無しで土星のような顔が来る 井上一筒
もうひとつ知恵の輪解いて自首をする 福村まこと
照明を消すたび硬くなる背骨 福村まこと
乾電池も私も切れる日は未定 青砥たかこ
佳 作 一汁一菜世界に誇る母の味 あそか
歌舞伎座の女形に倣うはひふへほ 篤子
想われていた頃を知るニキビ痕 城水めぐみ
四畳半イルカが上がり込んでいる 海賊芳山
さばさばと役目を終えた紙コップ 澁谷さくら
人の句 つま先に乗った真夏を蹴ってみる かしくらゆう
地の句 ビン缶を捨てる袋が足らぬ夏 彦翁
天の句 鼻ピアス外ししぶしぶ喪主となる 井上一筒
第17回 7月31日-8月6日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
定年のない名工の道具箱 よしひさ
捨てましたと言える断捨離まだ出来ぬ 中矢長仁
ご先祖と呼べるのかしら  あなたって パッピ〜
黙っていよう多分賢く見える筈 片山かずお
はだしのゲン今もこころに生きている 敏治
変身が不可能ライダー続きけり えけん
越してきた一家に町が若返る ツボ
ブラジルの熱さ足元から伝う 城水めぐみ
効き過ぎの冷房で聞く蝉しぐれ 彦翁
桃ひとつがぶりと夏の午後三時 彦翁
ポケモンに取り調べられ黙秘する 福村まこと
人の句 廃校を掘れば卒業歌の地層 喜屋武白雨
地の句 思惑は決してみせぬ鳳仙花 澁谷さくら
天の句 ぬるま湯を世界基準が掻き回す 星野睦悟朗
第16回 7月24日-7月30日分(22名43句) 自由吟 森山文切選
レシピにはない母さんの塩加減 あそか
医薬が進みあの世遠のく 星野睦悟朗
朝露に濡れた草食む馬の群 只野変哲
浪人の目に万緑がまぶし過ぎ 澤磨育
味噌汁が冷めない距離の渡し舟 さなえ
ガラクタも捨てる勇気がありません 中矢長仁
待ちぼうけ咲いて萎んだ花時計 葱坊主
雷が鳴って蝉の声が止まる 彦翁
好きだったひとの好きまで好きじゃない かしくらゆう
すんなりとほどけてしまう恋模様 石森あやみ
佳 作 バーゲンセール無視無視無視と言いながら 篤子
捻くれた根には優しく鍬を入れ 喜屋武白雨
看護師に化けた周防灘の海老 井上一筒
はぐれないように小指で結ばれる 城水めぐみ
お行儀のよい順番に消していく 福村まこと
人の句 名刺には有識者とは書いてない バンビ
地の句 耳鳴りの耳にほんとのセミの声 ツボ
天の句 猛暑日にびくともしないカレーパン 福村まこと
第15回 7月17日-7月23日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
背伸びして手が届きそう星の位置 ツボ
都合よく神と仏を使い分け 武良銀茶
友の訃に突然ふるさとが霞む 喜屋武白雨
ポイントはやはり笑顔という女性 片山かずお
頂上を目指して進む下り坂 かしくらゆう
ぬるいビール冷やし忘れたのはワタシ べにすずめ
海岸線だけが境の世界地図 パッピ〜
種だったことも忘れている果実 篤子
向日葵も旅のプランも南向き 城水めぐみ
佳 作 すきだった香り近頃なじまない 澁谷さくら
風鈴がちりんビールの泡が好き 彦翁
カテゴリー7で逃げる夜勤明け 藤井智史
地球儀は反対向きもよく回る 福村まこと
静寂のムードをこわすスマホのピ 敏治
人の句 定年後尻尾が暇を持て余す バンビ
地の句 天麩羅定食の影が長くなる 井上一筒
天の句 夕方のスマホからです不意の雨 篤子
第14回 7月10日-7月16日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
老夫婦旅の思い出語り合う 中矢長仁
目の前のドアの向こうにある答え 彦翁
日本語が聞こえてこない観光地 かしくらゆう
ダイニングテーブルにある指定席 由美
まだ青いトマトが舌を刺してくる バンビ
異議ありを一夜の酒で蓋される 星野睦悟朗
戦争を見ない知らない深海魚 バンビ
バッシング飽きたら次の標的へ 石森あやみ
丁寧にしっぺ返しを畳んでる 篤子
佳 作 かき氷一番好きはイチゴ味 片山かずお
もうどこも痛くはないね白い骨 澁谷さくら
こっそりと隣の街で買う秘薬 沢田正司
一周忌終え鈍行の自由席 たまき
鍋磨く爺婆だけの四コマ目 葱坊主
人の句 正論と交わる位置で息を継ぐ 喜屋武白雨
地の句 みな寄って牛の帝王切開す 井上一筒
天の句 新しいノートに記すケアプラン さなえ
第13回 7月3日-7月9日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
日に三度白いご飯の和食党 あそか
炎天下作業着滝のような汗 ツボ
マンネリにちょっと小波を立ててみる 中矢長仁
束ねてるつもりの輪ゴム飛んで行く パッピ〜
筋道に拘る人に無茶言われ 武良銀茶
未来図が見えぬ政治の無責任 沢田正司
尻もちをついた途端に高血脂 井上一筒
温暖化蝉も静かに鳴き始め 彦翁
まだ八十路十八歳に負けられぬ 敏治
佳 作 帰り道コンビニ前で目をつむる 石森あやみ
耳のそばまで降りてくる雲の声 かしくらゆう
少年は柔軟剤の香りさせ 由美
ファ-ストキッスだけは覚えている白寿 さなえ
お祭りの角でふんばる冷奴 福村まこと
人の句 青雲の気が家計簿に火をつける たまき
地の句 バナナとは違って食えぬ黒い人 澁谷さくら
天の句 燻製です燃え上ってはいけません 篤子
第12回 6月26日-7月2日分(26名52句) 自由吟 森山文切選
母さんが夢中になっているぬり絵 たまき
重心はずれるものです恋ごころ 澁谷さくら
六十路過ぎスキップ分を埋めて行く 武良銀茶
つんつんとタッチして来る若い棘 葱坊主
しゃかりきが報われていたバブル前 馴鹿
無理すると後ろでツケが待っている 片山かずお
卒業で親のレールが行き止まる 星野睦悟朗
灯台に近付きすぎて座礁する バンビ
カラフルな傘で心は濡らさない かげろふ
爆笑をしては失礼社長の絵 沢田正司
ノッキング時々おこす循環器 次根
斜め読みするのは同じタブレット 彦翁
竜巻は婚家の母のポケットに 井上一筒
落暉に向かってサンゴ礁の怒り 敏治
佳 作 ブランド模様になるのも飽きたカメレオン 篤子
儲けには遠い肩書きだけ増える さなえ
水掻きのある手に載せるパンシロン 井上一筒
晴れた日に干すのは黒い服ばかり 石森あやみ
ひとり飲むコーヒー最後まで熱い かしくらゆう
人の句 実線で卒業式を切ってみる 福村まこと
地の句 独り占めするにも島はメロンパン 海賊芳山
天の句 泳力をつけた織女が逢いに来る 水たまり
第11回 6月19日-6月25日分(21名42句) 自由吟 森山文切選
プライドが高くて何も聞こえない 彦翁
止まり木で洗う男の錆びた釘 たまき
平仮名のずとづにいつも遊ばれる バンビ
ひとり遊びができてこの世が面白い さなえ
出来ちゃった婚でもいいと子を急かす 星野睦悟朗
文春を怖れることはない庶民 バンビ
釣り合わぬお気持ちナスにサクランボ 結城昭信
減塩の半端な味に慣れる舌 敏治
佳 作 同じだね趣味を褒め合う赤い服 中矢長仁
うっかりと働き蟻を踏んだ靴 馴鹿
あんたの耳垢は除染しておいた 井上一筒
映写機がカラカラ繋がらぬ記憶 高崎白雨
O型の家族にもあるネガとポジ 由美
人の句 高校も順路に入れる選挙カー ツボ
地の句 後ろ髪絡むひとりの滑走路 さなえ
天の句 海までは真っすぐ降りてきた猟師 福村まこと
第10回 6月12日-6月18日分(21名42句) 自由吟 石橋芳山選
 平抜句
(到着順)
年式の違いメガネの度が合わぬ たまき
家計簿の等圧線が混んでくる まりえ
長期予報わたしは白い雲になる まりえ
ほたる追う民話に迷い込んで追う 高崎白雨
心配なATMの水源地 次根
フレンチのディナーのあとで食う茶漬け 福村まこと
梅雨時は雨漏りのある宇宙基地 井上一筒
友達の枠広げたり狭めたり たかこ
日が経つとだんだん重くなってくる たかこ
佳 作
(到着順)
明日を見る為に少しの酒が要る 次根
ポケットの中で震えている拳 敏治
爪立てた夜も有ったな千切れ雲 葱坊主
先送りできない明日がやって来る 武良銀茶
首縦に振って小さな罪作る 石森あやみ
人の句 ふくろとじされたふろくが主役です 篤子
地の句 チクチクと得体の知れぬ突起物 篤子
天の句 神功皇后は毛虫の付けまつ毛 井上一筒
森山文切選
 平抜句
(到着順)
人の輪の目立たぬ場所が好きな影 彦翁
お一人様をぼっちと思う寂しがり 由美
年式の違いメガネの度が合わぬ たまき
にっこりと朝の鏡に僕がいる 中矢長仁
定年後隅に置かれた貯金箱 バンビ
明日を見る為に少しの酒が要る 次根
フレンチのディナーのあとで食う茶漬け 福村まこと
手を離すための握手をした別れ 澁谷さくら
無力だと知ったその日の神頼み 葱坊主
首縦に振って小さな罪作る 石森あやみ
佳 作
(到着順)
ほたる追う民話に迷い込んで追う 高崎白雨
折鶴がきれいに折れるようになる 澁谷さくら
気配りも一時停止の金曜日 結城昭信
友達の枠広げたり狭めたり たかこ
チクチクと得体の知れぬ突起物 篤子
人の句 ポケットの中で震えている拳 敏治
地の句 家計簿の等圧線が混んでくる まりえ
天の句 梅雨時は雨漏りのある宇宙基地 井上一筒
第9回 6月5日-6月11日分(16名32句) 自由吟 森山文切選
ごめんねが隠れたケーキおくります 結城昭信
足しびれ茶室の花に笑われる バンビ
段々と本気になってゴミ拾い 武良銀茶
湿っぽい夢の続きはまた明日 麦乃
言われても忘れたことにしてしまう べにすずめ
割り切ったはずの男がまだ迷う 彦翁
新緑に癒され落ち葉には文句 ツボ
ペアグラス悲鳴をあげて割れました 澁谷さくら
キレるので刃物は持たぬことにする 次根
ひいじいさんの首筋の烏瓜 井上一筒
人の句 溶けだして苦さに気づく糖衣錠 澁谷さくら
地の句 行き止まりクレーの月に迷いこむ 麦乃
天の句 具象画しか描けぬ女でいじっぱり たかこ
第8回 5月29日-6月4日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
不参加の返事の理由見つからず 石森あやみ
決心をすると明るくなる視界 バンビ
きび団子ぐらいで孫は寄りつかぬ 敏治
深読みはやめて信じることにする 澁谷さくら
音痴でも鼻歌が出る露天風呂 沢田正司
守秘義務を忘れ陽気な長電話 さなえ
顔と心どちらのキレイかで迷う 片山かずお
暇な人ばかりが僕のお友達 海賊芳山
佳 作 綿棒に命じる溝のほこり取り たかこ
軽トラに積む方広寺の釣鐘 井上一筒
すれ違う一瞬でさえ見比べる 石森あやみ
猫が病みデートを反故にしてしまう あそか
雀の子いつも口開け遅れる子 篤子
人の句 大人との狭間にあったハイライト 結城昭信
地の句 友を羨む自転車で美術館 ツボ
天の句 ビニール傘が1億総活躍する 由美
第7回 5月22日-5月28日分(18名36句) 自由吟 森山文切選
空の色あなたの色に青い空 ソラ
ぜい肉を掴んで撫でてあきらめる べにすずめ
ふるさとの訛りで友と飲み明かす 澁谷さくら
紫陽花が咲きそう梅雨に入るから 彦翁
風船を追って無邪気な自由人 さなえ
昭和史の嵐を超えてきた自信 沢田正司
連弾の途中小指を捻挫した 井上一筒
浮いてくる過去ばっかりの夜の底 次根
佳 作 先輩も後輩もいる交差点 武良銀茶
天敵を消してしまった自己嫌悪 麦乃
潮時を探り合うためする電話 石森あやみ
空想の羽が年々消えてゆく 海賊芳山
そしてもう何も語らぬ志摩の海 たかこ
人の句 再起への夢を支えた藁の芯 さなえ
地の句 土曜日の自画像は目が腫れている 篤子
天の句 活断層Wベッドの下にある 井上一筒
第6回 5月15日-5月21日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
姿見と意見が合わぬ試着室 あそか
何気なく吐いた言葉が作る溝 バンビ
背伸びする癖はそろそろ止めにする 結城昭信
並走の追いつ抜かれつする電車 篤子
ネクタイの出番を奪うクールビズ さなえ
芽の出ない夫へ妻の吹くラッパ 沢田正司
花一輪それが夫のサプライズ 麦乃
パンプキンスープを泳ぐレンコ鯛 井上一筒
リアリストだって悪夢にうなされる 由美
消しゴムで君の女を消してみる 石森あやみ
佳 作 伸び代も糊代もなくなってきた 次根
駅が見守る子育てのツバメの巣 ツボ
プロポーズ箱は小さい方がいい 由美
大海を知らぬ男のへそピアス 敏治
怒り悲しみオキナワは深い碧 べにすずめ
人の句 葬送の曲を夫が決めてくる たかこ
地の句 妖怪の奴隷になって皆スマホ 敏治
天の句 メモの句が息をしていたごみの中 次根
第5回 5月8日-5月14日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
週刊誌安い正義を振りかざす バンビ
公園の鹿がわたしに一目惚れ さなえ
立ち合いに気のいいところ出て負ける 岩堀洋子
ぶつぶつと心情を吐く貝である 敏治
定刻にこだわりすぎて起こす事故 澁谷さくら
あなたへの思いを抱いた熱気球 沢田正司
風水を信じて窓を開け放す たかこ
やっかいを楽しみに変えティールーム 篤子
改心へ治療が長くなりました 結城昭信
佳 作 新しい服着て別れ告げられる 石森あやみ
尿管に詰まった枝豆のかけら 井上一筒
コンビニのぽつんと灯り雨が降る 次根
老いる身を夕日の海へ投げてみる 結城昭信
イザナミのすっぴん見てはなりませぬ 海賊芳山
人の句 神様に出会う気がする山陰路 武良銀茶
地の句 気づかずにアリスの耳を踏んづける 麦乃
天の句 見つめてもアイロンの熱さは知れぬ べにすずめ
第4回 5月1日-5月7日分(19名38句) 自由吟 森山文切選
朗らかに生きたいために飲むサプリ 彦翁
マイナンバーの陰に隠れている仕掛け あそか
温泉でないと仕事のできぬ知事 バンビ
タケノコの頑固に伸びる五月空 木天麦青
約束へ握り直した桜貝 篤子
チョイ悪も十八歳も有権者 武良銀茶
変換のミスが起こした乱気流 沢田正司
くまモンが被災地の子を元気づけ 岩堀洋子
佳 作 セメダイン翼がとれませんように 松田夕介
ポケットに入れる重みを探してる 福村まこと
猫の目に月を宿してコルトレーン 麦乃
何か書いてと誘いをかけてくる余白 片山かずお
メルカトル図法で膨らます話 由美
人の句 B型の鮮血軍鶏の爪痕に 井上一筒
地の句 ひとりずつ送りわたしの今日終わる 篤子
天の句 ゆっくりとたたむとしずく飛び散らぬ たかこ
第3回 4月24日-4月30日分(22名44句) 自由吟 森山文切選
謝罪文貼り付けられたメール来る 結城昭信
風少しあって湖面を輝かす 次根
にんげんの扉を閉じたまま老いる あそか
冷蔵庫ここにも消費期限切れ 次根
包み紙剥がしてわたし解き放つ 石森あやみ
遊び人ページを飛ばし生きて行く 武良銀茶
連休はじっと我慢の子で過ごす 永見心咲
冬帽子洗いひとりの昼下がり たかこ
モンブランのぐるぐるとした甘ったれ 海賊芳山
催眠術に弱いどこでもすぐ寝ちゃう 敏治
佳 作 卵が殻を破る日を夢に見る 岩堀洋子
やわらかい風のある日のブーメラン 篤子
残高と競い合ってる余命表 沢田正司
ノーアイロンシャツにアイロンして決める 由美
Googleも行きつ戻りつ七ツ辻 井上一筒
人の句 Bランチほんの少しの好奇心 松田夕介
地の句 踝の形が目立つハイヒール 片山かずお
天の句 手が出せぬ桃の産毛が気になって 海賊芳山
第2回 4月17日-4月23日分(11名22句) 自由吟 森山文切選
挑まれて俄然やる気を出した猫 さなえ
花散らし平常心になる桜 バンビ
大人への扉がすっと開かない たまき
臥す母に見え透く嘘が増えていく 石森あやみ
咲き渋る標本木に手を合わす 武良銀茶
さくらさくら泣いてるわけは他にある 麦乃
人の句 三月の呪文無数の翅となる 善江
(本人の申し出により削除)
天の句 指人形ずっと変わらぬまま家族 坪井篤子
第1回 4月10日-4月16日分(6名12句) 自由吟 森山文切選
正座して桜の下で小言聞く 武良銀茶
擦り寄ってくれば猫にも情がわき あそか
廃屋の庭に辛夷が咲き誇り 沢田正司
人の句 声をかけられた気がしてふり返る 麦乃
地の句 名所避け近場でひとりする花見 バンビ
天の句 実るまで待てずに齧る青い桃 沢田正司

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