選後感想:毎週web句会第100回

毎週web句会第100回の選後感想について、選者の真島凉さん、真島芽さんにお話を伺いました。

*事前に結果をご覧いただいている前提の内容となっております。

*凉さん、芽さんが座談会で使用している資料には作者名は書かれておりません。記事中でも作者名は掲載しておりませんので、作者名は結果のページでご確認ください。

*内容に関しての責任は森山文切にあります。本記事に関するご意見、ご指摘等は、森山文切宛ご連絡ください。

日付:平成30年4月21日
場所:真島邸

毎週web句会第100回選者

右: 真島凉(ましますず)
左: 真島芽(ましまめい)

真島久美子
にぎやかし

森山文切
毎週web句会選者

 

本日は毎週web句会第100回で選者をお願いした真島凉さん、芽さんにお話を伺います。

まずそもそもの話で、ふたりは選ってしたことあるの?

なーい。
はじめてだよ。
普段わかば川柳会の句会とか出てるよね?
そこでもない?
ないよ。そういう発想がなかった。
じゃあ完全に今回が初の選ということですか?
そうやね。

てか、私が答えてもしょうがなかろうもん。あんたらが答えんしゃい。

ではまず全体的な感想から。
はじめてやったけん、がばい難しかった。
夜遅くまでずっとやっとったけんね。芽は次の日「やりなおす」って言って夕方までやっとったもん。
どういうところが時間かかった?
単語の意味がわからないのが多かった。どういう句がいいのかとかよくわかんないし。
芽、あんた前の日の選とがらっと変えたやろ、あれなんで?
自分でもわかんない。考えてたらどんどん変わってった。
凉はどうだった?最初に選んだ句から変わった?
あんまり変わっとらんけど、意外と良か句がいっぱいあったけんやりにくかった。
あと天地人にした理由を書くのも大変だった。
そうなんだ。評は素直でよく書けていたと思うよ。僕のようなヨゴレた大人にはまず書けない評(笑)

選はまたやってみたいと思う?200回目もお願いしようと思ってるんだけど。2年後くらい。

うーん・・・ヤダ。
責任が・・・。川柳は全部選者で決まるけんが。
台無しにしたくないっていう気持ちがある。
でも高校行った後とかも川柳はずっとやるんでしょ?
うん、やるよ。
そうすると選をすることからは逃れられないと思うんだけど?
いつかは選ばやると思っとったけど、こげんはやいとは思わんやった。
なんか、あんたたち大人し〜いして。いつもの元気100倍で答えんね(笑)
そろそろ句の方に移ろうか。選者の意見が分かれた句について1句1句みていこう。元気100倍でお願いします(笑)
チョコボールぱおぱおぱおと噂好き (入選:芽文、没:凉)
「ぱおぱおぱお」がわからんやった。
ちょっとイメージが掴みにくかったかな。じゃあ芽が入選にした理由は?
かわいかった!
直感的でいいね。選の結果を見ると、凉は意味から、芽は感性からの選と感じたよ。僕は感性寄りの選なので、どちらかというと芽に近い結果だったかな。どんどんいこうか。
ジイちゃんと呼ばれて開ける耳ピアス  (入選:芽文、没:凉)
耳ピアスは、やりすぎな気がした。
現実感がないっていうか。
でも、いまどきしてるジイちゃんも多いやん?
そうかもね(笑)

今日の飛行機でも某クリニックの院長みたいな金髪で、グラサンにピアスのジイちゃん見たわ。どこに現実を感じるかというところに違いがあるみたいだね。入選と没が逆の句にいってみようか。

点滴のポタリ命をリレーする(入選:凉、没:芽文)
命のリレーだとバトンとか思い浮かぶやん?でも「ポタリ」の方がつなぐ感じが出てると思う。
なんかね、怖かった。
ふたりとも「ポタリ」を意識したんだね。着眼点がいいと思う。じゃあ次は・・・
ささいな話広げる妻は火吹き竹(入選:凉、没:芽文)
火吹き竹ってわかる?
わかるよ〜。こげん人ばいーっぱい知っとるけん。
私はわからんやった。
お風呂を薪で沸かす時とかに使うやつだよ。うちは田舎なので、幼稚園くらいまでそうだった。土間あったし。
土間って何?
テレビとかでさ、玄関みたいなとこにかまどが置いてあるようなのみたことない?土足のまま作業するような場所。5歳くらいまでうちにあった記憶がある。
うそー!そんなの吉野ヶ里公園でしかみたことないよ!
鳥取なめんな(笑)

注:文切は鳥取県の中でも田舎の方の生まれです。文切5歳は33年前。

水色を作るパレットなら胸に(入選:凉、没:芽文)
これは凉だいすきでーす。
特に理屈を考えたりはしなかった?
うん。素直に好きって思った。
じゃあ芽の没の理由は?
なんかよくある句かなぁと思って。いろんなところで作ってある句に似てた。
目が肥えてるねぇ。これは僕も没なんだけど、「うますぎる」と思っちゃったんだなぁ。
芽は最初この句入選にしとったやん?なんで変えたと?
最初は「いい句だなぁ」と思って入選にしたけど、見直したら「ある句かなぁ」と思って没にした。
例えばさ、恋愛が上手な男子とかいるじゃん?
うちの学校にはおらん。
それは健全でよろしい(笑)

でもこれからそういう男に出会うと思うんだけど、恋愛が上手で話してて楽しいけど「この人は私のことを本当に好きなんだ」っていう情熱を感じない人っていると思うんだよね。この句はそんな感じの句だと思う。

大人にはわかりやすい例え(笑)
いい句だよ。それは間違いない。

だからこの句を上位に持ってきたのも、没にしたのもふたりのセンスを感じたよ。

これ私の句なんだけど、最初ふたりとも入選にしとったけん、しめしめと思いよったら芽は私の2句とも没にしよったけんね(笑)
次いきましょ(笑)
じゃあ俺の句も。
ガイコツは白色だけという規則(入選:芽、没:凉、文切自句)
なんかね、違うなって感じた。
芽の入選の理由は?
まっすぐでいいと思った。だって白色だけやん?
黒いガイコツもおるかもしらんやん?
絶対おらん。
作者の狙いとしては「規則」で学校を想起させようとしたんだけど、「校則」と明記した方がよかったなと後から思った。
七月の種は自力で掴み取る  (入選:凉、没:芽、文切自句)
これパクリじゃん!
芽「六月の種を神様からもらう」っていう句作ってんだもん!
これはその句を踏まえての句だよ。「六月の種を神様からもらう」を受けての「七月の種は自力で掴み取る」なんだな。
あー、そゆこと。
あんたの反対の句さ。
まあ反対というか、六月は神様からもらったから、次の七月は自分の力でっていう句だね。
入選にしたけど、芽の句知っとるやろなぁとは思ったよ。
他に気になった句はある?
クレヨンの句。
クレヨンの句好きやった。
クレヨンは小さな嘘がつけなくて  (入選:凉芽文)
これは全員入選だね。
私は三才ではとらんやった。意外と浅いけんが、この句。
そうかなぁ。
浅いというのはなぜ?
幼稚園生とか小さい子が嘘がつけないってことやろ?
小さい子と読んだか。なるほどね。
大人も使うじゃんね。
僕は大人と読んだ。

大人がクレヨンを久しぶりに持ってさ、きっとこの人は小さな嘘をついてるんだよ、たくさん。で、なんとなく持ったクレヨンで絵を描いてみながらさ、汚れた大人になっちまったなぁなんて考えてる様子を思い浮かべたな。

それならもっといい句になった気がする。
そうだね。下五が惜しい感じもするから大人であることを明確にできるかもしれない。「クレヨン=小さい子」は自然な読みだからね。

芽は気になる句ある?没にした句でもいいよ。

えっと・・・これかな。
春の陽にサラダボウルを和えてみる  (入選:凉、没:芽文)
これ面白いと思った。
確かにいい句なんだけど、久美子さんのパレットの句と同じでうますぎる感じがしたな。
私もそんな感じがした。よすぎるというか、よくみるというか・・・
そのあたりの感覚が僕と芽では近いところがあるかもしれないね。
「いい句でしょ?」っていうアピールが強すぎる感じ?どう言えば伝わるかわからないけど。
私は「春の陽」に花とかじゃなくてサラダボウルを持ってきたところがいいと思った。いろんな色が見える。
そうそう、色彩感覚がいいよね。あと「みる」で締めているところもうまい。うまいんだけどまとまりすぎている感じがあるので、もっとぶっ飛んでほしいんだよなぁ。
芽、面白い句が好き。楽しくなる句がいい。
そうだね、僕もストレートに感情が伝わってくる句が好きだな。もし技術に頼るなら、中途半端な感情表現はなくして思いっきり技術を前に出してほしい。

次は・・・これ行くか。

オアシスを手鏡にする昼の月(入選:凉、没:芽文)
これ没にしたけど、迷ったんだよ。
月がよかった。景色が思い浮かぶやん?
芽もいい句だと思ったよ。最初天にしてたの。
天にしてたのか!なんで没に変えた?
なんでいい句だって思ってるかの理由が思いつかなかった。すごくいい句だと思うけど、自分でそう思っている理由がわかんなかった。
月がいいんだよ。もし太陽だったらつまらん句だったと思う。
言うねぇ。でもその通りだと思う。
ねえちゃん、マーブルチョコの句とった?
えっと、どの句だ・・・。これか。
マーブルチョコのようなお薬日に三度  (入選:芽、没:凉文)
とってないけど、あんたこれようしよったもんね〜
ホントにしてたからね、ちっちゃいころ。
マーブルチョコとかでね「きょうのおくすりね〜」とか遊んでたの。
はぁ〜、なるほど。おままごとね。その視点はなかった。これは実際マーブルチョコのような薬を飲んでるんだと思うけど。凉はなんで没にした?
なんか重い感じがした。病気のことを少し和らげてマーブルチョコにしているのかもしれないけど・・・
なるほど。句としては軽い印象があるけど、よく読むと確かに重さも感じさせるね。
そっか〜。この人芽と同じことしてるのかと思った。
じゃあ・・・この句。
ドーナツのどこかに迷う余地はある(入選:文、没:凉芽)
これは僕だけ入選だね。この句はなんで没にした?
難しかった・・・
意味はわかったけど。まるいけんどっから食べても同じってことやろ?たい焼きだったら「どっから食べよっかな〜」ってなるやん。
ならん。
なるやろ!
ならーん、芽しっぽから食べる。
僕は頭からだな。
えー、かわいそう、頭から食べるの。
そうすると凉はドーナツのどこかじゃなくて、ドーナツ自体が迷う余地そのものと捉えたのかな?
うん。文ちゃんはどう?
これはね・・・ 真ん中だね。
真ん中?
そう、真ん中。ドーナツの何にもない部分。迷う余地はドーナツの真ん中にあるね。

迷うと言っておきながら形としては断言していて、どこに迷う余地があるかはもうわかってるんじゃないかな。

そこまでは読めんやったけど、もしそうならそう言えばよくない?
おっしゃる通り。作者の意図がそうかはわからないけど、もし「迷う余地=ドーナツの真ん中」なんだとしたら、この句のどこかに改善の余地はある。
難しすぎる。小さいことで大きなことを言おうとしすぎな気がする。
うん、なんか大げさな感じがする。
そこを僕はプラスと思ったけど、ちょっとオーバーという感じがしたんだね。

おっと、もう1時間経つしそろそろ終わろうか。

えー!もう1時間?
はやーい。あっというま。
こういう話をするっていうのは、実際やってみてどうだった?
難しかったけど、楽しかった。
選者って大変なんだね・・・
それがわかっただけでも大収穫です。

では最後に改めておふたりにお尋ねします。
また選者をやってみたいと思いますか?

・・・はい!
言わせとるやん(笑)
ヨゴレた大人(笑)

2年後くらいになるけど、200回も選者のオファーを出すのでその時考えてみてください。本日はありがとうございました。

ありがとうございました!

まとめ

おふたりは最初は緊張されていたようでしたが、後半はノッてきて元気100倍のコメントをいただきました。おふたりのセンスを改めて感じるとともに、まっすぐな感性にたくさんの刺激をいただきました。

次回特別企画は「毎週web句会秀句集」を予定しています。5月中旬から5月末の公開を予定しています。お楽しみに。

「選後感想:毎週web句会第100回」への6件のフィードバック

  1. 森山さん
    最近は右のほうの川柳に「公園」などの楽しい句が並んでいてハッピーな気持ちになっています。
    ブランコの写真はあまりにもかわいくてプリントしファイルさせていただきました。見るたびに幸せです~~♪

    1. ありがとうございます。
      気まぐれで始めましたが、今後も続けます^_^

  2. 楽しく読ませていただきました。まるで元から家族のような親近感。凉さんと芽さんのお写真もかわいい~~♪
    はじめての選者さん、本当にお疲れ様でした。
    100回まで参加させていただいた私としてもとても記念に残る句会でした♪
    200回でのお二人の成長ぶりも楽しみです。
    勉強も部活も大変だと思いますが、これからも川柳を生涯の友に楽しんでくださいね。
    森山さん、いつもフレッシュな企画をありがとうございます。

    1. コメントありがとうございます。
      選者はともかく川柳をずっと続けるとのことですので、受験や部活などで時間がなくなってくると思いますが、今後のおふたりのご活躍は私も楽しみです。私もフレッシュな彼女たちから刺激をもらいました。今後も色々と企画していきたいと思います。

  3. 素晴らしい企画でした。楽しみながら一挙に読み、選者の感性にも唸りました。教えられたこともあり、励みにもなりました。また、心も明るくなりました。200回選者の時、お二人の成長ぶりを楽しみにしています。ありがとうございました。

    1. コメントありがとうございます。
      インタビュー時からおふたりの感性には驚かされましたが、文字に起こして改めて感性の鋭さを感じました。
      これから技術的なことの知識が入ってくると思いますが、この感性はずっと彼女たちの句の前面に出していってほしいと思っています。

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