対談:川柳とインターネット4

「川柳とインターネット」というテーマで、樋口由紀子さんにお話を伺いました。

日付:平成29年10月6日
場所:ニューミュンヘン神戸フラワーロード店

樋口由紀子(右):句集「容顔」、著書「川柳x薔薇」など
森山 文切(左):川柳塔おきなわ準備室管理人

1 ウラハイ

本日は「川柳とインターネット」というテーマで樋口由紀子さんにお話を伺います。まず由紀子さんが現在ネットで行われていることについてお教えください。
ウラハイというブログで毎週金曜日に川柳を1句紹介するコーナーを担当しています。それ以外にはないですね。
ウラハイは、週間俳句Haiku Weeklyの番外編のような形で運営されているブログで、曜日ごとに決まったテーマで更新されています。
ウラハイのご担当部分の更新は由紀子さんご自身が行われているのですか?
管理者に内容をメールして更新してもらっています。ネットは苦手なので。
ウラハイでの川柳の紹介はいつからですか?
2011年の5月から。私こういうネット関係のことは本当に苦手で、最初話をいただいたときはびっくりしました。
6年以上ですか。長いですね。
事前に調べてきました。今日で323回!すごいと思わん?私根気がない方だと思うんだけど、本当に自分でもよく続いてるなぁと思います。
掲載する句はどのように決められるのですか?
好きな句ですね。まず絶対に気に入った句から。あとはこの人は紹介しておきたいという人の句を選ぶこともありますね。でもね、今年の春まではずっと毎回別の人の句にしてたんだよ〜。
毎回別の人ですか!そうすると今日323回なので・・・
そう!300人以上紹介してるの。でも今年の2月に息切れしてしまって、今は2回めの人もいてます。それでも10人くらいかな。なるべくかぶらないようにはしています。
それは知りませんでした。私も川柳塔のサイトでエッセイを担当していますが、同じ人の句を選ばないようにするとなるとかなり大変です。
もうね、ほんまに大変。1週間って経つのが早い早い。
紹介する句はストックされているのでしょうか?
思い立った時に探したり、柳誌をいただいたら「この句は書きたい」と思う句をメモしたりするんだけど、大変なのは句を探すより中身ね。中身がなかなか書けない。
川柳塔webサイトのエッセイは月に1、2回ですがそれでも結構大変な思いで書いています。毎週となると本当に大変だと思います。
ネットはずっと残るし、昔のもすぐ見ることができるし、怖いなと思う部分はある。 間違ったこと書いてへんかな〜とかね。
由紀子さんでもエッセイに対して怖さというか、プレッシャーというか、そういうのあるんですね。
もちろんあるよ!実際過去に書いたことが違っていたことがあったしね。
それは句を読み間違えたということでしょうか?
いや、句の意味じゃなくて、言葉の意味を全く取り違えてしまっていたのよ。
解釈は人それぞれなので違いがあって当然と思いますが、言葉の意味の取り違えは・・・。
エッセイを掲載してすぐ読んだ人から「意味が違う」って電話もらってね。私もすぐ管理者に電話して取り下げてもらったわ。
私も読んでいただいている方から誤字や脱字の指摘を受けて慌てて直すことがあります。こういうすぐ反応があったり修正しやすかったりというのはネットの良さではありますね。
それは思うわ。 その時は12時に掲載してもらって、すぐ「違うで」って電話きて、1時には削除してもらったからね。書き直して翌週載せてもらいました。
1時間ですか。本ではこうはいかないですね。
単語ひとつ間違えると句意全部間違いになってしまうからね。内容を直したのはこの時だけだけど、毎週びくびくしながらやってます。 この怖さは本でも同じなんだけど。
私も怖さを感じながらのエッセイやwebサイトの管理ですが、読者を信じるというか、「違っていたら指摘してもらえる」というある種の開き直りでやってます。

2 読者としてのネット

ネットでの活動はウラハイだけということですが、読者としてよく見ているサイトはありますか?
そんなに熱心には見ていませんね、どのサイトも。
見るのもですか?
見るのも。慣れてないもの、ネットに。やっぱり若い人と違うって。私は本の方が好き。ネットは目が疲れるし。
確かに目は疲れます。
でしょ〜?だから私は熱心な読者ではない。苦手なのよ、とにかく。tiwitterもFacebookも登録はしているけど、ほとんど何もしてない。
私、twitterで由紀子さんフォロー*してます。
*twitterで自分のタイムラインに登録すること
えっ、ほんとに?もしかして私は文切さんフォローしてない?
されてないです(笑)
対談の後すぐにフォローしていただきました。
だからこういうことさえよくわかってないのよ。twitterとかFacebookは「メッセージ送ったのに」って言われるまで分からない。古い年代の人間ですからね、パソコンなんて何かやったら爆発するんちゃうかという世代ですよ。
爆発(笑)

何かやらかしたら爆発しそうなネットですけれども、普及してきて変わったと思うことはありますか?
いろんな情報がすぐわかるようになったのはいいと思う。例えばtwitterなんかでも「この本がいい」と話題になっている本がわかるとか。
本の感想も生の声が聞けるというか、良いという感想だけでなく、悪いという感想も参考にできますからね。
あと川柳塔だと完司さん芳山さんがブログをされてるけど、あれ読むとすごく親近感が湧くよねぇ。
ブログを読んでいるとその人を身近に感じますよね。そういえば、私が初めて由紀子さんにコンタクトしたのは「10万アクセス記念句会」の時でしたが、それも芳山さんのブログで由紀子さんの記事を読んだのがきっかけでした。
ネットがきっかけで縁がつながるというのはあるね。苦手なりにネットの恩恵は少なからず受けていると思います。

3 ネットに期待すること

由紀子さんが今後ネットで行ってみたいことはありますか?ご自分のブログとか。
自分のブログなんか無理無理。普通にパソコン使ってるだけでもよく失敗するんだもの。急に止まったり、字が変わったり。ネットはあなたの世代が頑張ってよ。
頑張ります。私はネット上でリアルタイムで句会や大会を行いたいと思っています。「句会や大会は会ってやるべき」という意見もいただくのですがこれについてはいかがですか?
いろんな意見はあると思うけど、私はどんどんやるべきやと思うよ。選択肢が多いというのはそれ自体いいことだから。
ネットの場合、自分に合わなければ「参加しない」という選択もしやすいですしね。
それと川柳界は固まってしまっている部分があるので、新しいことを取り入れて活性化してほしいわ。
固まっているといいますと?
なんかどの大会も毎回おんなじような選者ってところが多いやろ?川柳してる人同士でしか集まらないし。
確かにそうですね。
もっといろんな分野と交流する動きが増えてほしいし、あなたがネットで何かやるのであれば、なんかこう、「これは新しい!」いうことを始めてほしいわ。
 新しい!ですか・・・
私では考えつかないような、予想もしなかったことがネットから生まれてほしい。
さっきのネットでの句会や大会にしても、既存のものをネットに取り入れているだけですからね。
そうそう。それは想定内やわ。なんか想定外の「おっ」と思うことをやってほしい。
想定外のこと・・・。すぐには思いつかないですが、ネットの特性を生かして何かできないか考えてみます。本日はありがとうございました。

まとめ

最後の「ネットでしかできないことをやってほしい」という言葉は心に響きました。改めて考えてみると、本サイトで行っていることは「ネットの方がやりやすい」と言えても、「ネットでしかできない」とまでは言えません。

急には無理ですので、まずは「ネットの方がやりやすいこと」を実施していき、その中で知識や技術を得て「ネットでしかできない」ことにチャレンジしたいと思います。
 次回以降の特別企画は以下を考えています(公開はかなり先になるかもしれませんし、そもそも公開できるくらいにまとまるのかわかりません)。こんな企画はどうかというアイデアがおありの方は、お問い合わせなどからご連絡いただけたら幸いです。 

– 特定の川柳作家について、縁のある方に思い出をインタビュー(今のところ石部明さん、寺尾俊平さんを予定)
-過去の書籍から、現在の川柳までの流れを考察(国会図書館を利用、井上剣花坊「川柳を作る人に」、河野春三「現代川柳への理解」など)
-ネット上にあるいわゆる詩性についての記事をまとめる(川柳に限定しない)

上記のどれか、または全く別の内容になるかもしれませんが、次回の特別企画もお楽しみに!

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