平成29年8月22日掲載分

天賞
客層に流れの変わる年金日 沼津 木俣邦捷
地賞
ユーモアが重い空気を吹き飛ばす 読谷 島尻卓
人賞
産声の時刻を決めるお月様 糸満 山城のぶう
奨励賞
島言葉ヌメーカメーに湧く笑い 今帰仁 玉城真光
佳作
大雨で畑のスイカプッカプカ 読谷 新垣喜邦
ルンルンの嫁へ小姑軽いジャブ 宜野湾 崎山とし子
裏の裏読んでもいつも嫁が勝つ 那覇 屋良朝淳
サークルに個性豊かな顔が寄り 那覇 上原とよ子
飼い主と肥満が並びウォーキング 浦添 上原盛徹
露天風呂二泊三日のバケーション 読谷 高良秀光
筋トレは我が家の掃除金いらず 宜野湾 嘉数さくら
長生きし年金上がる時を待つ うるま 比嘉春栄
勝つ味を忘れたのかな巨人軍 宜野湾 宮本正
暑いねが一日中を独り占め 浦添 高江州正仁
健康もサプリメントで金かかり 糸満 大城正雄


天賞木俣さん:やはり誰でも財布の中身によって買い物も変わるという事ですよね。できそうでなかなか出来ない作品です。
地賞島尻さん:そうですね。ユーモアを連発する人の回りは明るいオーラに包まれて笑が絶えません。「笑う門には福来たる」ですね。

平成29年8月15日掲載分

天賞
人類の進歩をヒアリ嗤ってる 与那原 宮島玲子
地賞
足腰は弱っていくが口達者 糸満 伊佐真行
人賞
今ぞ知る水の怖さと有難さ 那覇 渡嘉敷唯正
奨励賞
せめてもの心豊かに小風呂敷 読谷 比嘉ケイ
佳作
炎天下乾かぬ涙終戦日 今帰仁 玉城真光
八月の風は哀しみ乗せてくる 豊見城 和田幸子
月もまた領土紛争始まるか 北中城 稲福呑雲
選挙カーうぐいすならぬセミと化し 那覇 仲田恵司
高齢期新たに見える世界あり 沖縄 安慶名昇
ダイエット済んだ祝いにグルメ食べ 沖縄 垣花鷹志
孫のため節約すれば娘が浪費 沖縄 與儀広子
障害者手帳でそっとバス降りる 本部 永井えいこ
よく耐えた自分をほめて卒寿超え 宮古島 安谷屋郁
五百円周り見ながら足でふむ 那覇 下里照一
雨降って散歩もせずにホッとする 与那原 与那嶺貞男


天賞宮島さん:ニュースを一瞬とらえ見事に句に仕立てられ佳句となりました。奥の深い作品、読者の感性に委ねましょう。
地賞伊佐さん:一読明快で音読すると、リズムも心地良い事が分かり、初心者へのお手本にしたい作品です。五七五の定型と音字数の数え方は川柳の最低限の基本です。

平成29年8月8日掲載分

天賞
オレオレに仏心を盗まれる 糸満 山城のぶう
地賞
親の癖子が真似すると叱られる 浦添 上原盛徹
人賞
軍人と医者と坊主は暇がいい 読谷 島尻卓
奨励賞
花と蝶その色どりに癒される 糸満 名嘉真静子
佳作
年齢(とし)重ね鈍感力で喜寿を行く 那覇 友寄英雄
国個人共に難題土地争議 北中城 宮城好博
病院のロビー田舎の喫茶店 那覇 村吉政常
自分にはつい甘くなる怠け癖 那覇 上原とよ子
父の日が教える京の流行り柄 糸満 金城幸鷹
幸せのむこうに見える影法師 読谷 新垣喜邦
アシティビチ大を取ったら骨だらけ 北中城 比嘉若松
国会の本音出す人隠す人 那覇 屋良朝淳
一気飲み昔牛乳今ビール 北中城 玉城若子
飲み仲間でっかい夢へ泡も飛び うるま 比嘉春栄
老介護掃除洗濯腕自慢 那覇 なかそね一


天賞山城さん:オレオレ詐欺被害に遭われる方は、仏心を持つお年寄りばかりが目につきますよね。下五「盗まれる」が効いています。
地賞上原さん:ほんに、ほんに言い得て妙です。
奨励賞名嘉真さん:庭を眺めて癒されている主婦たちの姿さえ浮かびます。

平成29年8月1日掲載分

天賞
心理学極めたはずがユタ通い 南風原 宮城睦子
地賞
サラサラもドロドロも吸う蚊も必死 那覇 後盛秀行
人賞
変身の後に感じる自己嫌悪 南風原 森山文切
奨励賞
御先祖様家系図絶やしすみません 沖縄 新垣邦博
佳作
となりから野菜が塀をハイジャンプ 北中城 高松呑海
北の国暗雲となり押し寄せる 宜野湾 高橋けい子
老いてなお高みを目指しジャンプする 北中城 小松呑水
人形に本音吐かせる腹話術 東京 宮里和子
手を振ればウグイス嬢の声はずむ 那覇 山内昌一
基地の町騒音続き気も狂う 沖縄 桑江彩雲
ありがとうあなたの愚痴がバネになり 豊見城 下地順子
脳回路もつれて思い伝わらず 読谷 石嶺つる子
かすみ草身の程知って生き上手 読谷 高良秀光
便利さのスマホを連れて喋りすぎ 那覇 禱モモト
百均で生活小物間に合わす 糸満 玉城堅義


天賞宮城さん:沖縄ならではの川柳でしょう。常日ごろ感じている事をさらりと句に仕立てられました。お見事です。
地賞後盛さん:ドロドロの血ばかりを、吸ってくれまいかと思いますよね。
奨励賞新垣さん:下五の「すみません」が効いています。

平成29年7月25日掲載分

天賞
妻の愚痴マナーモードにしてみたい 那覇 山城東雄
地賞
失敗も成功もしたまわり道 浦添 仲地郁子
人賞
安きゅうりイナバウアーと褒めて買う 那覇 前川真
奨励賞
人生を新たに生きる五七五 今帰仁 玉城真光
佳作
金持てば仏の顔で喧嘩せず 那覇 渡嘉敷唯正
病院もポイント制があれば良い 浦添 宮里直子
終わったかと思えば続くご挨拶 那覇 垣花鷹志
人違い握手されても分からない 宜野湾 田場房子
稽古せず上手くなる術ないものか 那覇 宮良毅
領土より平和を願う子や孫へ 北中城 伊達政仁
老いたのかたった一句が出てこない 那覇 友寄英雄
失敗を厄払いとし夢を抱く 那覇 嘉数美智子
グルメ旅帰ってきたらダイエット 北中城 大屋みゆき
顔が似る祖父の薄毛に悩む孫 糸満 金城幸鷹
選挙カーあいそ笑いで振る両手 与那原 平田トミ子


天賞山城さん:文明の利器携帯電話のマナーモードを上手く、活用する発想は、楽しく、面白い五七五になりました。
地賞仲地さん:そうですね。失敗もしたから、成功の喜びは、なおうれしさも増すのでしょう。たとえ、まわり道でもかまわないのです・・・。

平成29年7月18日掲載分

天賞
兄を見て利口に生きる次男坊 宜野湾 小浜廉市
地賞
扉開け今日も平和を願う朝 北中城 佐久本盛明
人賞
お試しの化粧が余計高くつき 八重瀬 福地幸代
奨励賞
生きるため時にはウソが和を保つ 豊見城 大嶺よし子
佳作
苦も楽もサプリメントにする夫婦 那覇 後盛秀行
にこやかにあいさつしたら人違い 那覇 垣花弘美
他の手柄自分のものと見せる人 那覇 山内昌一
チワワにはドッグフードで俺茶づけ 北中城 高松呑海
人間をヒトと認めぬ核時代 佐賀 岸恵子
添削を受け川柳の妙味知る 那覇 なかそね一
おトイレの隅で閃く五七五 うるま 比嘉春栄
生きている証と思い痛み耐え 宜野湾 安里國基
親子だね主語がなくても通じあう 豊見城 下地順子
人不足頼りにされる高齢者 浦添 上原盛徹
大家族となりの畑あてにする 北中城 大城勉


天賞小浜さん:次男坊は「ジンブナー」と、よく言われますよね。日常の中の、さりげないことを、しっかり句に仕立てられたのは、お見事です。
地賞佐久本さん:沖縄ならではの川柳でしょう。平和を願わずにおれない県民の気持ちをしっかりと五七五に、まとめられたことに感じ入るばかりです。

平成29年7月11日掲載分

天賞
よく食べる子には未来が開けそう 読谷 島尻卓
地賞
島くとぅばおばあの心掴み取る 沼津 木俣邦捷
人賞
耐えてきた涙でシワが刻まれた 宜野湾 高橋けい子
奨励賞
ボケ防止遊び心で五七五 北中城 豊原海人
佳作
次世代を背負う子供に夢たくす 宜野湾 池間重光
役職についてメタボが気にならず 本部 永井えいこ
腹まわり生活ぶりを告げている 宜野湾 宮本正
家で別墓で一緒に眠ります 糸満 名嘉真宣京
ウチカビで箪笥預金を天に持つ 那覇 前川真
リハビリの見上げる先にオスプレイ 那覇 城間康裕
抑止力イクサになれば仇になり 豊見城 垣花幸雄
お母さん幾つになっても叫びたい 沖縄 垣花鷹志
老いの知恵へそくり隠すパンパース うるま 比嘉春栄
消せるから波打ち際に好きと書く 宜野湾 真栄城千矢子
懐メロで昔の苦楽思い出し 豊見城 松川雄峰


天賞島尻さん:飽食時代の今、好き嫌いを言う子が多いように思います。その中で、何でもよく食べる子に出会うと、ほんと頼もしく未来が開けそうに思えます。
人賞高橋さん:「涙とシワ」の対比がマッチして、しんみりと奥の深い作品になりました。

平成29年7月4日掲載分

天賞
開けゴマ呪文唱えて朝帰り 北中城 高松呑海
地賞
錆びた脳言葉遊びで刺激する 那覇 上原とよ子
人賞
車間距離保つ夫婦の生き上手 読谷 高良秀光
奨励賞
損得を越えてあなたを守りたい 西原 糸数幸昌
佳作
偉い人とかく漫画に描きやすい 那覇 渡嘉敷唯正
うりずんの光と風に夢芽吹く 宜野湾 崎山とし子
合鍵を返した夜の酒の味 北中城 稲福呑雲
新人がみるみるうちに痩せていく 八重瀬 森山文切
階段を降りて忘れてまた上り 浦添 上原盛徹
慰霊の日引き揚げ船にいた私 那覇 大城千鶴子
傘を買い三分待たず晴れる雨 沖縄 桑江彩雲
好奇心開かずの扉手が伸びる 北中城 大屋みゆき
子供の絵ピカソ顔負け母の顔 那覇 宮良毅
晩柑(ぽんかん)の汁弾け飛び夏が来る 与那原 宮島玲子
わが日課薬飲んだか自問する 浦添 比嘉靖和


天賞高松さん:読んだ人は、いったいどんな呪文を、唱えたのか知りたくなりますね。呪文をとなえての表現が効いています。
地賞上原さん:錆びた脳の「たとえ」が佳句となりました。
人賞高良さん:そうですよね。少し距離がある方が生き上手かも知れませんね。