平成29年6月20日掲載分

天賞
連休の留守を預かる鯉のぼり 糸満 山城のぶう
地賞
タダと言う殺し文句であく財布 那覇 前川真
人賞
いい人をやめたとたんに楽になる 糸満 大城正雄
奨励賞
病ひとつ乗り越えてまた夢を持つ 豊見城 上原芳雄
佳作
セールスが美人で品をすぐに買い 沖縄 新垣邦博
孫が来て期限切れ飛ぶ冷蔵庫 沖縄 與儀広子
仕事だと言えばいろいろ逃げられる 北中城 佐久本盛明
金歯入れ無理に愛嬌振りまいて うるま 比嘉春栄
視野広げいつも気配り気にかかり 那覇 上原とよ子
火の神(ひぬかん)に溢れる程の願い事 八重瀬 福地幸代
子供等の入学式にかがやく目 与那原 平田トミ子
山羊汁でビーチパーティもりあがり 読谷 新垣喜邦
ダイエット途中掲げる白い旗 那覇 後盛秀行
いい時にいつも邪魔する恋敵 宜野湾 渡慶次憲勝
思い出のパスポートから五十年 石垣 松本敏


天賞山城さん:家族全員出掛け、鯉のぼりだけは、青空を泳ぎ留守を預かっている風景さえ浮かんできます。「留守を預かる」という擬人化が効いています。
人賞大城さん:良い人をやめて、楽になったのですね。良かった、良かった。日常的なことをさらりと句に仕立てたのが佳句となりました。

平成29年6月13日掲載分

天賞
読みすぎた健康記事に不安増す 那覇 渡嘉敷唯正
地賞
森友が死なば諸共暴露する 読谷 島尻卓
人賞
耳栓をしても聞こえる嫁の愚痴 那覇 屋良朝淳
奨励賞
しまくとぅば使いシーブンある市場 沼津 木俣邦捷
佳作
赤瓦シーサー鎮座基地にらむ 那覇 山内昌一
埋め立てて神の怒りに恐れなす 沖縄 親泊善雄
稼いでる俺がどうして忍び足 北中城 高松呑海
缶ビール飲めなくなって欲しくなる 豊見城 大嶺よし子
労惜しむ人ほど口はよく動く 北中城 稲福呑雲
孫離れ子離れよりも耐えがたい 浦添 宮城末子
亀甲墓郵便受けが置かれてる 読谷 国吉真治
そと面にほれて受難の五十年 北中城 国吉安子
八十路来て老々介護待っていた 那覇 なかそね一
アウトドア子らはテントでゲーム中 北中城 大屋みゆき
川柳は勇気をもらう宝物 沖縄 屋慶名昇


天賞渡嘉敷さん:そうですよね。健康に関する記事が、これでもか、これでもかと氾濫して、どれが自分に合うのか分からない状態ではないでしょうか。言い得て妙ですね。
人賞屋良さん:聞きたくないことほど、耳栓をしても聞こえてしまう。上手い表現ですね。

平成29年6月6日掲載分

天賞
消しゴムの屑が内緒を溜めている 那覇 前川真
地賞
喧嘩中扉一つが何千里 北中城 大城勉
人賞
わたくしの価値を知ってる生ビール 八重瀬 森山文切
奨励賞
落選句続くがきっと春は来る 豊見城 松川雄峰
佳作
うるさいがいなけりゃ寂し山の神 宜野湾 安里國基
脳ドック頭の中身写しだす 那覇 友寄英雄
ライバルの快挙に諸手春が来た 読谷 高良秀光
公園の休日明けは鹿の山 沖縄 松岡隆
臓器たち休みも取らず古稀迎え 北中城 小松呑水
目が覚めるまだこの世かとホッとする 沖縄 垣花鷹志
エレベータボタンは友に頼りきり 那覇 上原とよ子
定年後家事の補佐役妻の部下 北中城 宮城好博
シーミーで話尽きない孫自慢 那覇 村吉政常
駅前で日本語うまいねと言われ 那覇 禱ももと
年老いた母の姿に我を見る 豊見城 當間とみ子


天賞前川さん:あーでもない、こーでもないと迷っているうち、答えも見出せぬまま、屑ばかりが溜まっていた。さりげなさの中に、深みのある作品ですね。
選者から一言:ミスしても、消しゴムで消せるように2B以上の鉛筆で作品を書いてくださるようお願いします。

平成29年5月29日掲載分

天賞
脇役もオーケストラに外せない 読谷 島尻卓
地賞
ウインドーのマネキンで知るニューモード 糸満 山城のぶう
人賞
成績の不でき遺伝のせいにされ 那覇 宮良毅
奨励賞
人生に出来たらいいなリハーサル 今帰仁 玉城真光
佳作
配給も質屋も知らぬ現代子 那覇 渡嘉敷唯正
宝くじビルが建つほど買い続け 浦添 上原盛徹
一坪の園芸楽し時忘れ 宜野湾 崎山とし子
四面楚歌潜在力が湧いてくる 読谷 高良秀光
うりずんにハンドルにぎるシニアカー 糸満 佐久本小豆
子が仕切る清明祭にピザとパイ 糸満 名嘉真宣京
年金日カレンダーには二重丸 豊見城 大嶺よしこ
十両で強いが髷はまだ結えず 宜野湾 宮本正
華の女子会に亭主はワンコイン 八重瀬 福地幸代
同期会集えば孫の数比べ 宜野湾 安里國基
墓庭(はかなー)が年々狭く感じられ 読谷 比嘉ケイ


天賞島尻さん:脇役がいるから、主役も光るというものです。脇役を侮ってはいけませんよね。
奨励賞玉城さん:人生のリハーサルの発想が素晴らしいです。
佳作上原さん:ビルが建つほどの誇張表現が効いています。
佳作名嘉真さん:清明祭にピザとパイでしたか、御先祖様もさぞビックリなさったことでしょう。

平成29年5月22日掲載分

天賞
美食家の行き着く所母の味 宜野湾 多良間典男
地賞
凡人で良かったいつも友が居る 沼津 木俣邦捷
人賞
じっくりと見れば長所も語り出す 那覇 前川真
奨励賞
バケーション孫らが空を飛んで来る 那覇 大城千鶴子
佳作
一、二度はかけてはみたい色眼鏡 那覇 池村幸夫
カタツムリいつ鳴くのかと孫が聞く 那覇 城間康裕
仲直りしての気まずさ受け流す 西原 糸数幸昌
パート代サプリメントと孫に消え 南風原 糸数永教
耳遠くオレオレ詐欺の難逃れ 沖縄 垣花鷹志
世渡りを本音とたてまえ使い分け 那覇 山内昌一
万歩計歩数増えたが距離伸びず 沖縄 新里利夫
記念日とはしゃいだ日々も遠くなり 北中城 稲福呑雲
古稀となり夢に再びトライする 石垣 松本敏
口もとの皺が張り切る厚化粧 今帰仁 永井えいこ
あれこれで不自由はしない老夫婦 糸満 玉城堅義


天賞多良間さん:「一億の人のために一億の母あれど、我が母に勝る母あらめやも」の通り、料理も母の味が一番だということですね。
地賞木俣さん:偉い人だと、言葉使いなど、ちょっと気になるものです。お互いに普通なら、遠慮がいらず気楽ですよね。

平成29年5月15日掲載分

天賞
変人に個性的ねと握手する
*紙面掲載は「恋人」
ですが、選者から「変人」が正
との連絡がありました。
浦添 上原盛徹
地賞
趣味の日々年をとるのも悪くない 那覇 大城千鶴子
人賞
満開へメジロもはしゃぐおもてなし 宜野湾 崎山とし子
奨励賞
フリージャ咲いて私の春になる 糸満 名嘉真静子
佳作
注ぎ込んだ金に後悔宝くじ 宜野湾 安里國基
初孫の笑顔がすべて包み込む 那覇 山城東雄
県の二誌正義貫き勇気得る 今帰仁 玉城真光
せんべいを食べて歯が抜け笑う友 宜野湾 田場房子
四姉妹性格が出る服の趣味 八重瀬 福地幸代
座り込みりゅうじんまぶやダンプ止め 沖縄 高江利山
ポケベルで威張れた頃に戻りたい 糸満 我謝幸男
髭を剃る鏡の彼は左利き 糸満 金城幸鷹
野良猫も見上げているよオスプレイ 浦添 下地節子
思い出を摘んでは散らし小箱閉じ 北中城 稲福呑雲
ヒーローの名前聞くたび追いつけぬ 読谷 比嘉ケイ


天賞上原さん:短所も長所も紙一重だと、言われることがあります。例えば、積極的な人を、でしゃばりといったりしますものね。「変人を個性的」とは、言い得て妙ですね。
(紙面恋人>変人に修正)
奨励賞名嘉真さん:「わたくしの春になる」この表現が効いて良いですね。

平成29年5月9日掲載分

天賞
神様も成績順に絵馬を選る
*紙面掲載は「選べる」
ですが、選者から「選る」が正
との連絡がありました。
糸満 山城のぶう
地賞
ジャンプして少し生き方軽くする 那覇 たまきさちこ
人賞
繋がっていたいので寄付少しする 読谷 島尻卓
奨励賞
口コミで広がるうわさSOS 読谷 石嶺つる子
佳作
取り敢えず酒があるから席に着く 沼津 木俣邦捷
急速なグローバル化に追いつけず 西原 糸数幸昌
惜しみなく奪い与える愛のわざ 那覇 渡嘉敷唯正
渡り鳥の国境の壁越えて行く 宜野湾 高橋けい子
長老の知恵より孫はスマホ党 宜野湾 崎山とし子
川柳で一球外すゆとりでき 読谷 高良秀光
風呂敷に包みきれない土産増え 石垣 松本敏
夫婦仲人が勝手に推理する 今帰仁 玉城真光
基地の跡笑顔溢れるまちづくり 那覇 後盛秀行
ぽっくりと死にたいはずが医者通い 那覇 友寄英雄
ランドセル羽ばたくように家を出る 読谷 国吉真治


天賞山城さん:面白い発想ですね。そうですよね。とても川柳的作品で、感じ入るばかりです。
人賞島尻さん:そうでしたか。この句の良さは、沢山寄付するのではなく、少しするが効果的ですね。

平成29年5月1日掲載分

天賞
あっさりと別れ未練を仕舞い込む 那覇 上原とよ子
地賞
多数決正義の声が押し消され 沖縄 松岡隆
人賞
映画にはならぬ自分史だから良い 八重瀬 森山文切
奨励賞
川柳を呆けないために詠み始め 沖縄 桑江彩雲
佳作
国中が新横綱にもらい泣き 浦添 上原盛徹
人生も試着する部屋あればいい 沖縄 垣花鷹志
透析の友に寄り添い胸痛む 那覇 上江田ミサ子
終活の話題家族の輪が出来る 那覇 村吉政常
空き缶をける子拾う子個性見る 宮古島 安谷屋郁
囲碁無限にコンピューターが乗り越える 糸満 伊佐真行
ジャンボくじ当てた夢見て買ってみる 北中城 比嘉若松
パパスマホトイレで話す小半時 那覇 田畑敏昭
学問の扉を開ける幼少期 北中城 小松呑水
もの忘れあれこれそれと黄昏る 那覇 山内昌一
年忘れうっかり飛んだ水たまり 糸満 佐久本小豆


天賞上原さん:「仕舞い込む」の表現が効いていますね。とても女性らしいフレーズかと思います。
地賞松岡さん:そうですね。ふと、立ち止まり考えさせられる作品に仕上がり敬服しました。
奨励賞桑江さん:よく川柳は紙と鉛筆さえあれば、五七五と指を折り呆け防止になると言われていますよね。