2015年12月7日掲載分

天賞
つつがなくその日暮らしという平和 宜野湾 多良間典男
地賞
風を待つ間に汗を掻いておく 八重瀬 森山文切
人賞
秒針のようにいつでも気が回る 西原 糸数幸昌
奨励賞
身繕い妻の色気にふと気付き 宜野湾 新川秀明
佳作
バッシング受けた分だけ糧になり 読谷 高良秀光
よそ見せず私を見てよだんな様 読谷 石嶺つる子
だます人やさしかったと母は言う 名護 許田節子
どの花も人の気持ちを和らげる 那覇 上原とよ子
何気ない友の言葉に癒される 那覇 友寄青美
亡き人と夢で会うため朝寝する 北中城 国吉安子
アイドルの踊り真似たら腰痛め 那覇 後盛秀行
待っていた招待状に安堵する 沖縄 宮城春美
口重い人の扉へノックする 沼津 木俣くにとし
ダイエット痩せて喜ぶ夢の中 沖縄 松岡隆
年も暮れしみじみ覗く妻の顔 那覇 村吉政常


人賞糸数さん:気が回る人を秒針のようだと比喩表現で成功した。
佳作高良さん:他人から非難されることはつらいものです。でもそれが生きる糧になった。すてきな句だと思います。
佳作国吉さん:朝寝までして夢で会いたい方とは?会うことはできましたか?

2015年11月30日掲載分

天賞
争いは遺産の多寡に左右され 読谷 島尻卓
地賞
諦めぬオール沖縄あればこそ 西原 糸数幸昌
人賞
見え透いた美辞とカネよりチムグクル 那覇 後盛秀行
奨励賞
認知症神経痛も忘れてる 那覇 城間康祐
佳作
沖縄で平和の祈り深くなり 北海道 諸岡厚子
五七五句材探して西東 那覇 仲田恵司
千字文一字抜けてる書き直し 沖縄 新里利夫
ステキねと言われて毎夜通いづめ 北中城 小松呑水
稲穂たれ案山子とカラス睦まじく 那覇 山内昌一
老犬のオムツせつなくいとおしい 宜野湾 高橋恵子
チビリ酒妙案湧かず酔い潰れ 那覇 池村幸夫
財布から逃げ足早い諭吉さま 石垣 松本敏
ぞろぞろとスマホが歩く登下校 浦添 上原盛徹
五七五人生の機微垣間見る 読谷 高良秀光
ワンテンポ遅れる母の歌を聞く 沼津 木俣くにとし


人賞後盛さん:ウチナーの深い思いやりのチムグクルを忘れたらいけませんよね。沖縄の川柳人だからこそできる句に拍手。
佳作諸岡さん:ようこそ沖縄へそしてすてきな句をアリガトウ。
佳作山内さん:案山子とカラスを擬人化していい雰囲気に仕立てられ佳句となりました。

2015年11月23日掲載分

   天賞
 憲法は不磨の大典道しるべ  那覇  渡嘉敷唯正
   地賞
 凡人は転んだ疵をすぐ忘れ  那覇  たまきさちこ
   人賞
 信頼のかたちに結ぶ靴の紐  八重瀬  森山文切
   奨励賞
 ハズレくじ夢の記念に取っておく  那覇  後盛秀行
   佳作
 その家の暮らしが見えるゴミの山  北中城  若松
さざ波が夕陽の中で燃えている 糸満 玉城堅義
欠伸から欠伸をもらう秋夜長 宜野湾 多良間典男
たのしみの晩酌やめてサプリ漬け 北中城 海人
花や人棘があっても接したい 読谷 島尻卓
持病かも恋わずらいがまた襲う 北中城 稲福日出夫
移り香を土産に友の庭を出る 那覇 池村ヤス子
思い切り歌って笑いボケ防止 那覇 赤嶺良夫
台風が来ると伝える赤トンボ 沖縄 宮城春美
買うまいと思うが買ってしまう夢 うるま 上運天米子
米兵も一緒に踊る那覇祭り 那覇 城間康裕

佳作若松さん:ゴミから暮らしが見える。そうですよね。一読明快であり、また五七五の定型のリズムが心地良く響きます。
佳作玉城さん:さざ波が夕陽を映し、燃えているように見えたのですね・・・。詩情が駆り立てられる、とてもすてきな句になりました。

2015年11月16日掲載分

天賞
建て前が本音を通り越して行く 那覇 大城千鶴子
地賞
極論が正論になる恐ろしさ 西原 糸数幸昌
人賞
間食を止めて心も軽くなる 読谷 島尻卓
奨励賞
外堀を半分埋めて妻を待つ 八重瀬 森山文切
佳作
名月を跨いで帰る雨上がり 沼津 木俣くにとし
いい話見入っていたらコマーシャル 南風原 糸数永教
七十の恋の病は治せない 北中城 小松呑水
広告の若返り薬飲み続け 浦添 上原盛徹
結果待ち不安がよぎる待機室 北中城 伊達政仁
腰痛が恋の道行き通せんぼ 宜野湾 崎山としこ
ワイパーも右往左往の通り雨 恩納 伊芸元一
恋やまい病原体は貴方です 北中城 高松呑海
胸底に不満も愚痴も閉じ込める 那覇 上原とよこ
浴衣着て色気漂う柳腰 宜野湾 渡慶次憲勝
掛け声に母の姿の意地を見る 沖縄 花城清良


天賞大城さん:ほんとは本音が言いたいのに、やはり後のことを考えるとつい当たり障りのないことを言ってしまいますね。人間の持つ機微を一瞬切り取り句に仕立てられました。上手いと思います。
佳作伊芸さん:ワイパーも、この”も”の助詞の使い方が良いですね。ワイパーも人間もということですね。

2015年11月9日掲載分

天賞
右腕と言われハリキル平社員
那覇 たまきさちこ
地賞
催促もできず不祝儀空ぶくろ
沼津 木俣くにとし
人賞
病床に伏して人生垣間見る
北中城 宮城好博
奨励賞
持ち歌を先に歌われうろたえる
那覇 村吉政常
佳作
日々好日わたしに過ぎた妻がいる 宜野湾 多良間典男
味方ほめ見る目があるとほめられる 宜野湾 當山稔
婚活へ虫も必死にセレナーデ 宜野湾 崎山としこ
世替わりを三たび味わう戦中派 那覇 渡嘉敷唯正
免疫がついているはずの恋病い 北中城 稲福日出夫
高級な道具でスコア伸び悩み 浦添 上原盛徹
テレビ見て脳トレをするクイズ好き 那覇 大城千鶴子
足し算も引き算もして泣き笑い 那覇 仲村ひさ子
激安ののぼりにひかれ買って悔い 読谷 石嶺つる子
お隣へ伸びたゴーヤーよく実り 浦添 比嘉靖和
年金日孫との電話声弾む うるま 上運天米子

 

選者評
池賞木俣さん:空ぶくろだったのですか。ビックリしますよね。
きっとついうっかり入れるのを忘れたのでしょうね。
お互い気をつけたいものですね。
奨励賞村吉さん:数少ない持ち歌を、先に歌われた時の心境を
さりげなく句に仕立てられたことが成功した。

琉球新報川柳

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選者:大田かつら(前沖縄県川柳協会会長)

投句規定:随時受け付け。未発表作品に限る。はがきに自由吟3句以内。住所、氏名(雅号の場合は本名も)、電話番号を明記。毎週火曜日に掲載(火曜休刊は水曜)。添削する事がある。
〒900−8525 那覇市天久905 琉球新報編集局文化部 「新報川柳」係
(管理人補足:掲載は投稿から1ヶ月〜2ヶ月後です)