平成28年5月30日掲載分

天賞
家族には見せぬ涙を医者に見せ 那覇 たまきさちこ
地賞
勘違いされて何だかウケている 八重瀬 森山文切
人賞
借金のように言われる恩もあり 沼津 木俣邦捷
奨励賞
入社してすぐに敬語を身に付ける 那覇 上原とよ子
佳作
年金で病気にならぬようにする 浦添 上原盛徹
脳トレも楽しくなきゃ続かない 西原 糸数幸昌
捌き手の笑みも盛られた活きづくり 石垣 松本敏
待合室健康食を自慢する 那覇 内間豊子
一つして二つ忘れて老いを知る 宜野湾 高橋けい子
女房に遠隔操作されたふり 北中城 高松呑海
仲間うち古酒が話を踊らせる 国頭 大嶺進一
老い行けばサプリも効かぬ物忘れ 宜野湾 羽地恵雄
ミサイルで隣国おどす北の国 糸満 玉城堅義
打ちあけて心のシワが消えてゆく うるま 上運天米子
何事もねばり腰よりやなぎ腰 那覇 金城正則


奨励賞上原さん:何はともあれ敬語という事ですね。すぐにという表現が効いています。
佳作上原さん:高額医療を考えると、病気になってはおれぬ年金生活ということでしょうか。そこはかとなく弱者の思いが伝わってきて、ジーンときますね。

平成28年5月23日掲載分

天賞
閏年損得ならべ思案する 那覇 渡嘉敷唯正
地賞
CMに乗せられサプリ漬けの日々 読谷 島尻卓
人賞
酔ってない酒に言わせる酔っ払い 糸満 山城のぶう
奨励賞
川柳の一日一句ボケ防止 読谷 石嶺つる子
佳作
人生はエラーとヒットのくり返し 宜野湾 羽地恵雄
清明の祖先びっくりピザチキン 読谷 新垣喜邦
服を決め年相応が不満言い 読谷 比嘉ケイ
若医者の顔に書かれた診断書 北中城 比嘉若松
八歳の恋が恩師を忘れない 宜野湾 平良光弘
嫁想い優しくしたら誤解され 那覇 屋良朝淳
蝶になる野望捨てない毛虫の子 八重瀬 小原千春
読み聞かせ上手なパパは人気者 那覇 後盛秀行
川柳の仲間が集い笑顔咲く 宜野湾 小浜廉市
のど飴を転がし涸れるまで歌う 今帰仁 永井えいこ
職増えた低賃金で期限つき 浦添 比嘉義央


地賞島尻さん:あふれるばかりのCMに踊らされて、ついにサプリ漬けになった。世相をチクリ風刺したところが効いていますね。
奨励賞石嶺さん:川柳は五七五と指を折り、頭も使うのでボケ防止になるとよく言われています。一日一句を作句されるとは選者としてうれしい限りです。

平成28年5月16日掲載分

天賞
切実なママのブログが世を変える 那覇 後盛秀行
地賞
加齢との闘い今日もペンが武器 宜野湾 多良間典男
人賞
褒め言葉聞かぬ振りして聞きかえす 宜野湾 崎山としこ
奨励賞
心ある人は悩みを持っている 沼津 木俣邦捷
佳作
アルバムの中に封印した昔 八重瀬 森山文切
悪態をつきつつ目では褒めている 北中城 高松呑海
誕生日彼岸と同じウートートゥ 那覇 城間あや子
褒められてどこまで伸びる鼻の下 北中城 大屋みゆき
花はいい咲いているだけで愛されて 那覇 友寄青美
安保法成人式に手を伸ばす 那覇 屋良朝淳
漫画から抜け出て歩く孫娘 浦添 上原盛徹
フランスもトルコもこわいパスポート 那覇 たまきさちこ
ほほ笑みの瞳の奥で悪魔すむ 北中城 伊達政仁
秘め事も話せばデマの千里ゆく 読谷 石嶺つる子
眠れぬ夜ひつじ何匹会えるかな 読谷 照屋ユリ子


天賞後盛さん:今を切り取り五七五に仕立てるのも、川柳の醍醐味ですね。保育園落ちたママの叫びが切実に響きます。
佳作森山さん:アルバムの中に封印したのはどんなことでしょう。読者の想像力をかきたてる表現になりました。
佳作石嶺さん:誰にも言うなよと話してしまうのが人の常。自戒の句にしたい川柳ですね。

平成28年5月9日掲載分

天賞
空模様前途多難を暗示させ 石垣 松本敏
地賞
惚れてなお弱みを見せぬ戦中派 那覇 渡嘉敷唯正
人賞
塩もだめ砂糖もだめで酒にする 糸満 山城のぶう
奨励賞
ヨンナーどぅ人の後でもいいじゃない 読谷 石嶺つる子
佳作
病み上がり口紅させという鏡 那覇 下地安子
夫婦船嵐の海へ向く絆 読谷 高良秀光
転んでも転んでも僕歩きたい 読谷 島尻卓
ジム通い中高年の列が出来 那覇 上原とよ子
ホームシック脱皮のための一里塚 糸満 玉城堅義
誉めたけど的をはずして恥をかく 北中城 佐久本盛明
世渡りの愛想笑いも身についた 南風原 糸数永教
孫たちも娘もにげる加齢臭 読谷 新垣喜邦
卓球のピンポンパンはボケ防止 沖縄 松岡隆
スーパーで一円玉の得意顔 今帰仁 永井えいこ
前頭葉錆の防止に句も跳ねる 那覇 内間豊子


佳作下地さん:鏡を擬人化させた表現が上手と思います。
佳作糸数さん:句の付記に(身についた愛想笑いが情けない)のコメントに感じ入りました。
佳作新垣さん:自分ではあまり気付かないのが加齢臭、気を付けたいですね。

平成28年5月2日掲載分

天賞
相続がときには絆凍らせる 宜野湾 多良間典男
地賞
ベランダにプライバシーをさらけ出す 沼津 木俣邦捷
人賞
けなしつつ連れをホメてる同期会 北中城 高松呑海
奨励賞
悪口を笑顔ひとつで流す知恵 北中城 小松呑水
佳作
出た腹が足の爪切り邪魔をする 那覇 後盛秀行
シルバーも学びの春へ手をひかれ 那覇 前川真
歯科治療隣の人は鼾かき 沖縄 江洲眞正
ランドセル六年間に箔が付き 恩納 伊芸元一
妻褒めて悪さしたかと勘繰られ 北中城 国吉安子
元気ハツラツ若さの謎は老いの恋 宜野湾 當山稔
あこがれの映画の女優歳とらず 浦添 上原盛徹
ほめ言葉聞こえぬふりで問い直す 北中城 稲福日出夫
一秒に笑顔と涙交差する 糸満 大城正雄
癒すのは馬が合う人とのお酒 那覇 池村幸夫
どう区別天然ボケと老いのボケ 那覇 仲田恵司


奨励賞小松さん:悪口を笑顔ひとつで流すとは、すてきな表現ですね。小松さんの人柄を垣間見た思いですね。
佳作後盛さん:太めならあまり言いたくない事ですが、さらりと句に仕立てられ成功しました。
佳作大城さん:交差するの表現が素晴らしいですね。

平成28年4月25日掲載分

天賞
スケジュール追いかける間に月日過ぎ 浦添 上原盛徹
地賞
感動の場面を飾るテーマ曲 西原 糸数幸昌
人賞
我慢して浮いたお金が重すぎる 八重瀬 森山文切
奨励賞
なんでかね沖縄だけに置く重石 宜野湾 多良間典男
佳作
病院の椅子で話題持ち帰り 宮古島 安谷屋郁
目まぐるし節目がいつかわからない 北中城 稲福日出夫
両刷りのチラシ我が家のメモが消え 沼津 木俣邦捷
親子供受験済ませて目方増え 恩納 伊芸元一
ヘソクリに家計のピンチ救われる 読谷 高良秀光
いつまでも責任持てぬ今の顔 北中城 佐久本盛明
重ね着の隣で孫は半ズボン 宜野湾 宮里幸子
妻からのチョコをもらって妻と食べ 那覇 山内昌一
球界の昔ヒーロー今地獄 読谷 新垣喜邦
理もあらぬ怒り溢れる碧い海 南城 當山幸秀
沖縄も寒いねと言う北の人 糸満 大城正雄


天賞上原さん:「光陰矢の如し」とは、よく言ったものですよね。今年も早くも四月です。あっという間に過ぎて行くのです。
奨励賞多良間さん:「なんでかね」と言えば「だからよ」とくるものです。「なんで沖縄だけであるわけ?」と、言いたくなる現実もあるのです。

平成28年4月18日掲載分

天賞
不安乗せマイナンバーが発車する 読谷 島尻卓
地賞
外見で優劣つける世間の目 糸満 山城のぶう
人賞
年金がオンリーワンのいのち綱 那覇 たまきさちこ
奨励賞
出る杭は打たれる次を思案する 石垣 松本敏
佳作
春うらら今日は眼科で明日は歯科 那覇 城間康裕
孫が来てかすがいとなる定年後 沖縄 江洲眞正
善し悪しも歳を重ねて顔に出る 北中城 伊達政仁
振り仮名と性別欲しい子の名前 糸満 玉城堅義
老体も充電したら動き出す 東京 宮里和子
目いっぱいおしゃれして行く病院へ 那覇 大城千鶴子
ツラの皮嘘を重ねて厚くなる 北中城 大城勉
汚染水垂らし傷つく自然界 宜野湾 池間重光
古稀過ぎて老けたふりするマイペース 那覇 池村幸夫
同じ距離違う数値の万歩計 沖縄 新里利夫
ふと目覚め夢のつづきをくやしがる 那覇 村吉政常


奨励賞松本さん:この明るさに元気を貰いました。打たれたら、得てしてしぼんでしまいがちですが、次を思案することは次へのステップアップにもつながると思いますね。
佳作玉城さん:昔はほぼ子が付くのが女の子の名前でしたが、最近は読めない名前も多くなりました。困ったものです。

平成28年4月11日掲載分

天賞
正解はいらぬ夫婦の答案紙 宜野湾 多良間典男
地賞
バランスが保てなくても親である 八重瀬 森山文切
人賞
石くびり悲しいまでの純愛歌 那覇 渡嘉敷唯正
奨励賞
沖縄の自慢にしたい空手道 宜野湾 小浜廉一
佳作
正論を垂れて皆に嫌がられ 宜野湾 宮本正
七十の顔に責任持てぬまま 北中城 小松呑水
人去って祭りのあとに孤独感 北中城 比嘉若松
前向きに生きる笑顔を忘れない 那覇 上原とよ子
温泉で走り続けた身を癒す 糸満 名嘉真静子
この世はまぼろし只南無観世音 那覇 金城正則
子の寝顔見たら夫婦はケンカやめ 北中城 国吉安子
読みかけの書物の山につまづいた 豊見城 下地順子
泥々とパーントゥの手が厄払い 那覇 池村幸夫
大声で入れ歯とばしたノド自慢 宜野湾 渡慶次憲勝
母のクセ老いて顔出すDNA 那覇 内間豊子


人賞渡嘉敷さん:改めて沖縄民謡の「石くびり」を聴いてみました。三線の音色もさることながら哀切こもる歌声に感じ入りました。
佳作上原さん:そうですね。前向きの人は常に笑顔があふれ、元気いっぱいですよね。
佳作内間さん:鏡を見るたびに母に似てきたと思う人は多いと思います。