琉球新報川柳

琉球新報川柳欄掲載句を、琉球新報社の許諾を得て公開しています。転載禁止。管理人の状況により公開が遅れることがあります。あらかじめご了承ください。
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選者:大田かつら(前沖縄県川柳協会会長)

投句規定:随時受け付け。未発表作品に限る。はがきに自由吟3句以内。住所、氏名(雅号の場合は本名も)、電話番号を明記。毎週月曜日に掲載(月曜休刊は火曜)。添削する事がある。
〒900−8525 那覇市天久905 琉球新報編集局文化部 「新報川柳」係
(管理人補足:掲載は投稿から1ヶ月〜2ヶ月後です)

平成29年5月29日掲載分

天賞
脇役もオーケストラに外せない 読谷 島尻卓
地賞
ウインドーのマネキンで知るニューモード 糸満 山城のぶう
人賞
成績の不でき遺伝のせいにされ 那覇 宮良毅
奨励賞
人生に出来たらいいなリハーサル 今帰仁 玉城真光
佳作
配給も質屋も知らぬ現代子 那覇 渡嘉敷唯正
宝くじビルが建つほど買い続け 浦添 上原盛徹
一坪の園芸楽し時忘れ 宜野湾 崎山とし子
四面楚歌潜在力が湧いてくる 読谷 高良秀光
うりずんにハンドルにぎるシニアカー 糸満 佐久本小豆
子が仕切る清明祭にピザとパイ 糸満 名嘉真宣京
年金日カレンダーには二重丸 豊見城 大嶺よしこ
十両で強いが髷はまだ結えず 宜野湾 宮本正
華の女子会に亭主はワンコイン 八重瀬 福地幸代
同期会集えば孫の数比べ 宜野湾 安里國基
墓庭(はかなー)が年々狭く感じられ 読谷 比嘉ケイ


天賞島尻さん:脇役がいるから、主役も光るというものです。脇役を侮ってはいけませんよね。
奨励賞玉城さん:人生のリハーサルの発想が素晴らしいです。
佳作上原さん:ビルが建つほどの誇張表現が効いています。
佳作名嘉真さん:清明祭にピザとパイでしたか、御先祖様もさぞビックリなさったことでしょう。

平成29年5月22日掲載分

天賞
美食家の行き着く所母の味 宜野湾 多良間典男
地賞
凡人で良かったいつも友が居る 沼津 木俣邦捷
人賞
じっくりと見れば長所も語り出す 那覇 前川真
奨励賞
バケーション孫らが空を飛んで来る 那覇 大城千鶴子
佳作
一、二度はかけてはみたい色眼鏡 那覇 池村幸夫
カタツムリいつ鳴くのかと孫が聞く 那覇 城間康裕
仲直りしての気まずさ受け流す 西原 糸数幸昌
パート代サプリメントと孫に消え 南風原 糸数永教
耳遠くオレオレ詐欺の難逃れ 沖縄 垣花鷹志
世渡りを本音とたてまえ使い分け 那覇 山内昌一
万歩計歩数増えたが距離伸びず 沖縄 新里利夫
記念日とはしゃいだ日々も遠くなり 北中城 稲福呑雲
古稀となり夢に再びトライする 石垣 松本敏
口もとの皺が張り切る厚化粧 今帰仁 永井えいこ
あれこれで不自由はしない老夫婦 糸満 玉城堅義


天賞多良間さん:「一億の人のために一億の母あれど、我が母に勝る母あらめやも」の通り、料理も母の味が一番だということですね。
地賞木俣さん:偉い人だと、言葉使いなど、ちょっと気になるものです。お互いに普通なら、遠慮がいらず気楽ですよね。

平成29年5月15日掲載分

天賞
変人に個性的ねと握手する
*紙面掲載は「恋人」
ですが、選者から「変人」が正
との連絡がありました。
浦添 上原盛徹
地賞
趣味の日々年をとるのも悪くない 那覇 大城千鶴子
人賞
満開へメジロもはしゃぐおもてなし 宜野湾 崎山とし子
奨励賞
フリージャ咲いて私の春になる 糸満 名嘉真静子
佳作
注ぎ込んだ金に後悔宝くじ 宜野湾 安里國基
初孫の笑顔がすべて包み込む 那覇 山城東雄
県の二誌正義貫き勇気得る 今帰仁 玉城真光
せんべいを食べて歯が抜け笑う友 宜野湾 田場房子
四姉妹性格が出る服の趣味 八重瀬 福地幸代
座り込みりゅうじんまぶやダンプ止め 沖縄 高江利山
ポケベルで威張れた頃に戻りたい 糸満 我謝幸男
髭を剃る鏡の彼は左利き 糸満 金城幸鷹
野良猫も見上げているよオスプレイ 浦添 下地節子
思い出を摘んでは散らし小箱閉じ 北中城 稲福呑雲
ヒーローの名前聞くたび追いつけぬ 読谷 比嘉ケイ


天賞上原さん:短所も長所も紙一重だと、言われることがあります。例えば、積極的な人を、でしゃばりといったりしますものね。「変人を個性的」とは、言い得て妙ですね。
(紙面恋人>変人に修正)
奨励賞名嘉真さん:「わたくしの春になる」この表現が効いて良いですね。

平成29年5月9日掲載分

天賞
神様も成績順に絵馬を選る
*紙面掲載は「選べる」
ですが、選者から「選る」が正
との連絡がありました。
糸満 山城のぶう
地賞
ジャンプして少し生き方軽くする 那覇 たまきさちこ
人賞
繋がっていたいので寄付少しする 読谷 島尻卓
奨励賞
口コミで広がるうわさSOS 読谷 石嶺つる子
佳作
取り敢えず酒があるから席に着く 沼津 木俣邦捷
急速なグローバル化に追いつけず 西原 糸数幸昌
惜しみなく奪い与える愛のわざ 那覇 渡嘉敷唯正
渡り鳥の国境の壁越えて行く 宜野湾 高橋けい子
長老の知恵より孫はスマホ党 宜野湾 崎山とし子
川柳で一球外すゆとりでき 読谷 高良秀光
風呂敷に包みきれない土産増え 石垣 松本敏
夫婦仲人が勝手に推理する 今帰仁 玉城真光
基地の跡笑顔溢れるまちづくり 那覇 後盛秀行
ぽっくりと死にたいはずが医者通い 那覇 友寄英雄
ランドセル羽ばたくように家を出る 読谷 国吉真治


天賞山城さん:面白い発想ですね。そうですよね。とても川柳的作品で、感じ入るばかりです。
人賞島尻さん:そうでしたか。この句の良さは、沢山寄付するのではなく、少しするが効果的ですね。

平成29年5月1日掲載分

天賞
あっさりと別れ未練を仕舞い込む 那覇 上原とよ子
地賞
多数決正義の声が押し消され 沖縄 松岡隆
人賞
映画にはならぬ自分史だから良い 八重瀬 森山文切
奨励賞
川柳を呆けないために詠み始め 沖縄 桑江彩雲
佳作
国中が新横綱にもらい泣き 浦添 上原盛徹
人生も試着する部屋あればいい 沖縄 垣花鷹志
透析の友に寄り添い胸痛む 那覇 上江田ミサ子
終活の話題家族の輪が出来る 那覇 村吉政常
空き缶をける子拾う子個性見る 宮古島 安谷屋郁
囲碁無限にコンピューターが乗り越える 糸満 伊佐真行
ジャンボくじ当てた夢見て買ってみる 北中城 比嘉若松
パパスマホトイレで話す小半時 那覇 田畑敏昭
学問の扉を開ける幼少期 北中城 小松呑水
もの忘れあれこれそれと黄昏る 那覇 山内昌一
年忘れうっかり飛んだ水たまり 糸満 佐久本小豆


天賞上原さん:「仕舞い込む」の表現が効いていますね。とても女性らしいフレーズかと思います。
地賞松岡さん:そうですね。ふと、立ち止まり考えさせられる作品に仕上がり敬服しました。
奨励賞桑江さん:よく川柳は紙と鉛筆さえあれば、五七五と指を折り呆け防止になると言われていますよね。

平成29年4月24日掲載分

天賞
読み聞かせ夢がふくらむ子の瞳 宜野湾 多良間典男
地賞
手作りのチョコに指紋の跡がある 糸満 山城のぶう
人賞
流行がジーンズにまで穴をあけ 読谷 島尻卓
奨励賞
枯れかけの花に詫びてる旅帰り 宜野湾 崎山とし子
佳作
忖度のサイン上司の咳払い 那覇 後盛秀行
自慢する頭髪見えぬ後頭部 沼津 木俣邦捷
散る花は風情求めて風を呼ぶ 那覇 渡嘉敷唯正
外野から議会あやつる村のドン 北中城 高松呑海
日向ぼこ特等席は猫のもの 那覇 たまきさちこ
世変われど変わらぬ色は嫁姑 宮古島 安谷屋郁
マドンナのささやき今も忘れない 読谷 高良秀光
弱者への目配り増やす地域の和 糸満 玉城堅義
公園のベンチはいつも満席だ 西原 糸数幸昌
孫守りは難し過ぎる匙加減 宜野湾 嘉数桜
面影の有る無し混ざる同期会 豊見城 松川雄峰


天賞多良間さん:そうですよね。読み聞かせしている時、あの子供たちの瞳の輝きは、未来への夢の架け橋にも繋がるふくらみを見せてくれますよね。国語力も、その中で養われるのかも知れませんね。いよいよ新学期です。子供たちはたくさんの本に出合って夢を育んで欲しいものです。

平成29年4月17日掲載分

天賞
ランドセル新芽の夢があふれてる 那覇 後盛秀行
地賞
税金で辺野古を埋める国の業 那覇 渡嘉敷唯正
人賞
ありがとう五文字にふれた温かみ 石垣 松本敏
奨励賞
年金の次欲しいのは長生きだ 那覇 仲田恵司
佳作
乗せられて皆の飲み代払わされ 那覇 池村幸夫
川柳の枠を広げる投稿者 読谷 長屋武
意地と見栄張らずに生きる年になる 那覇 上原とよ子
我が子らよ視線の先は五大州 北中城 大城勉
爆音と今朝も付き合うさんぴん茶 那覇 山内昌一
ロボットが俺よりうまく仕事する 北中城 佐久本盛明
良い言葉聞くとルンルンする気持ち 今帰仁 玉城真光
病室は眠り上手な人ばかり 今帰仁 永井えいこ
言いたいことためて三段腹になり 浦添 下地節子
キビ刈りも家族揃えばピクニック 読谷 新垣喜邦
寝てる間も命働き朝むかえ 北中城 国吉安子


天賞後盛さん:ランドセルを見て、「新芽の夢があふれてる」と思われた豊かな感性に脱帽です。このフレーズは、出てきそうでなかなか出てこないものです。
奨励賞仲田さん:そうですよね。誰でも思うことをさらりと句に仕立てられました。お見事です。年金が一番とした所が効いています。

平成29年4月11日掲載分

天賞
嗜むと言えば気軽に飲める酒 糸満 山城のぶう
地賞
隣席が美人でバスを乗り過ごす 宜野湾 多良間典男
人賞
フルムーン老いも病もつれて行く 那覇 たまきさちこ
奨励賞
川柳よいつも名句をありがとう 豊見城 大嶺よし子
佳作
ダイエット目方減ったが皺増える 八重瀬 福地幸代
赤ちゃんと年寄り同じ千鳥足 豊見城 松川雄峰
旨い酒良く働いた黒麹 北中城 宮城好博
選挙前にわか親戚増えてくる うるま 上運天米子
客引きの横で黙々道路掘る 北中城 稲福呑雲
心配を増やした孫の免許証 宜野湾 崎山とし子
中高生すれ違う度コロンの香 与那原 与那嶺貞男
校舎より老人施設多くなり 那覇 田畑敏昭
桜祭り主役はいつもアルコール 浦添 高江洲正仁
退職後家の主権は妻にいき 那覇 真喜屋明
徘徊の父を追いつつウォーキング 読谷 国吉真治


天賞山城さん:嗜むとは、何か許したくなるニュアンスがありますよね。沖縄の「黄金言葉」に「言葉(くとぅば)銭使(じんじけー)」とあります。自戒も込めて、気をつけたいものです。
佳作福地さん:若い時ならそんなこともないでしょうが、年を重ねると「やせた」ではなく「やつれた」になるから困るのですよね。