琉球新報川柳

琉球新報川柳欄掲載句を、琉球新報社の許諾を得て公開しています。転載禁止。管理人の状況により公開が遅れることがあります。あらかじめご了承ください。
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選者:大田かつら(前沖縄県川柳協会会長)

投句規定:随時受け付け。未発表作品に限る。はがきに自由吟3句以内。住所、氏名(雅号の場合は本名も)、電話番号を明記。毎週火曜日に掲載(火曜休刊は水曜)。添削する事がある。
〒900−8525 那覇市天久905 琉球新報編集局文化部 「新報川柳」係
(管理人補足:掲載は投稿から1ヶ月〜2ヶ月後です)

平成29年7月18日掲載分

天賞
兄を見て利口に生きる次男坊 宜野湾 小浜廉市
地賞
扉開け今日も平和を願う朝 北中城 佐久本盛明
人賞
お試しの化粧が余計高くつき 八重瀬 福地幸代
奨励賞
生きるため時にはウソが和を保つ 豊見城 大嶺よし子
佳作
苦も楽もサプリメントにする夫婦 那覇 後盛秀行
にこやかにあいさつしたら人違い 那覇 垣花弘美
他の手柄自分のものと見せる人 那覇 山内昌一
チワワにはドッグフードで俺茶づけ 北中城 高松呑海
人間をヒトと認めぬ核時代 佐賀 岸恵子
添削を受け川柳の妙味知る 那覇 なかそね一
おトイレの隅で閃く五七五 うるま 比嘉春栄
生きている証と思い痛み耐え 宜野湾 安里國基
親子だね主語がなくても通じあう 豊見城 下地順子
人不足頼りにされる高齢者 浦添 上原盛徹
大家族となりの畑あてにする 北中城 大城勉


天賞小浜さん:次男坊は「ジンブナー」と、よく言われますよね。日常の中の、さりげないことを、しっかり句に仕立てられたのは、お見事です。
地賞佐久本さん:沖縄ならではの川柳でしょう。平和を願わずにおれない県民の気持ちをしっかりと五七五に、まとめられたことに感じ入るばかりです。

平成29年7月11日掲載分

天賞
よく食べる子には未来が開けそう 読谷 島尻卓
地賞
島くとぅばおばあの心掴み取る 沼津 木俣邦捷
人賞
耐えてきた涙でシワが刻まれた 宜野湾 高橋けい子
奨励賞
ボケ防止遊び心で五七五 北中城 豊原海人
佳作
次世代を背負う子供に夢たくす 宜野湾 池間重光
役職についてメタボが気にならず 本部 永井えいこ
腹まわり生活ぶりを告げている 宜野湾 宮本正
家で別墓で一緒に眠ります 糸満 名嘉真宣京
ウチカビで箪笥預金を天に持つ 那覇 前川真
リハビリの見上げる先にオスプレイ 那覇 城間康裕
抑止力イクサになれば仇になり 豊見城 垣花幸雄
お母さん幾つになっても叫びたい 沖縄 垣花鷹志
老いの知恵へそくり隠すパンパース うるま 比嘉春栄
消せるから波打ち際に好きと書く 宜野湾 真栄城千矢子
懐メロで昔の苦楽思い出し 豊見城 松川雄峰


天賞島尻さん:飽食時代の今、好き嫌いを言う子が多いように思います。その中で、何でもよく食べる子に出会うと、ほんと頼もしく未来が開けそうに思えます。
人賞高橋さん:「涙とシワ」の対比がマッチして、しんみりと奥の深い作品になりました。

平成29年7月4日掲載分

天賞
開けゴマ呪文唱えて朝帰り 北中城 高松呑海
地賞
錆びた脳言葉遊びで刺激する 那覇 上原とよ子
人賞
車間距離保つ夫婦の生き上手 読谷 高良秀光
奨励賞
損得を越えてあなたを守りたい 西原 糸数幸昌
佳作
偉い人とかく漫画に描きやすい 那覇 渡嘉敷唯正
うりずんの光と風に夢芽吹く 宜野湾 崎山とし子
合鍵を返した夜の酒の味 北中城 稲福呑雲
新人がみるみるうちに痩せていく 八重瀬 森山文切
階段を降りて忘れてまた上り 浦添 上原盛徹
慰霊の日引き揚げ船にいた私 那覇 大城千鶴子
傘を買い三分待たず晴れる雨 沖縄 桑江彩雲
好奇心開かずの扉手が伸びる 北中城 大屋みゆき
子供の絵ピカソ顔負け母の顔 那覇 宮良毅
晩柑(ぽんかん)の汁弾け飛び夏が来る 与那原 宮島玲子
わが日課薬飲んだか自問する 浦添 比嘉靖和


天賞高松さん:読んだ人は、いったいどんな呪文を、唱えたのか知りたくなりますね。呪文をとなえての表現が効いています。
地賞上原さん:錆びた脳の「たとえ」が佳句となりました。
人賞高良さん:そうですよね。少し距離がある方が生き上手かも知れませんね。

平成29年6月27日掲載分

天賞
CMのサプリ飲んだが医者通い 読谷 島尻卓
地賞
ハエよりも煩いものはオスプレイ 宜野湾 安里國基
人賞
気遣えば言葉の先は丸くなる 沼津 木俣邦捷
奨励賞
米寿にもスマホ教えてくれる孫 那覇 亀川安伸
佳作
徘徊と間違えられるウォーキング 南風原 宮城睦子
朝七時告げるチャイムに犬も吠え 恩納 伊芸元一
目覚めては天気確認ゴルフ狂 那覇 山内昌一
糸満人訛があって箔が付く 糸満 金城幸鷹
就活にネクタイ結びまたほどき 北中城 玉城若子
私って貫禄あるが軽いです 豊見城 松川雄峰
赤い糸うっかり結びすぐ縺れ 沖縄 垣花鷹志
チンしてと昼夜一人定年後 北中城 伊達政仁
梅雨時に用もないのに街へ行く 那覇 嘉数美智子
バアバアのカメカメ迫るチムグクル 読谷 石嶺つる子
高齢になってサプリが好きになる 那覇 上間良影


天賞島尻さん:どんなサプリを飲んだのでしょう。多くの方が一度は、経験があることかも知れませんね。コマーシャルに躍らされないようにしないといけませんよね。
奨励賞亀川さん:ほんと、小学生も上手にスマホを使いこなしていますよね。やさしいお孫さんで良かったですね。

平成29年6月20日掲載分

天賞
連休の留守を預かる鯉のぼり 糸満 山城のぶう
地賞
タダと言う殺し文句であく財布 那覇 前川真
人賞
いい人をやめたとたんに楽になる 糸満 大城正雄
奨励賞
病ひとつ乗り越えてまた夢を持つ 豊見城 上原芳雄
佳作
セールスが美人で品をすぐに買い 沖縄 新垣邦博
孫が来て期限切れ飛ぶ冷蔵庫 沖縄 與儀広子
仕事だと言えばいろいろ逃げられる 北中城 佐久本盛明
金歯入れ無理に愛嬌振りまいて うるま 比嘉春栄
視野広げいつも気配り気にかかり 那覇 上原とよ子
火の神(ひぬかん)に溢れる程の願い事 八重瀬 福地幸代
子供等の入学式にかがやく目 与那原 平田トミ子
山羊汁でビーチパーティもりあがり 読谷 新垣喜邦
ダイエット途中掲げる白い旗 那覇 後盛秀行
いい時にいつも邪魔する恋敵 宜野湾 渡慶次憲勝
思い出のパスポートから五十年 石垣 松本敏


天賞山城さん:家族全員出掛け、鯉のぼりだけは、青空を泳ぎ留守を預かっている風景さえ浮かんできます。「留守を預かる」という擬人化が効いています。
人賞大城さん:良い人をやめて、楽になったのですね。良かった、良かった。日常的なことをさらりと句に仕立てたのが佳句となりました。

平成29年6月13日掲載分

天賞
読みすぎた健康記事に不安増す 那覇 渡嘉敷唯正
地賞
森友が死なば諸共暴露する 読谷 島尻卓
人賞
耳栓をしても聞こえる嫁の愚痴 那覇 屋良朝淳
奨励賞
しまくとぅば使いシーブンある市場 沼津 木俣邦捷
佳作
赤瓦シーサー鎮座基地にらむ 那覇 山内昌一
埋め立てて神の怒りに恐れなす 沖縄 親泊善雄
稼いでる俺がどうして忍び足 北中城 高松呑海
缶ビール飲めなくなって欲しくなる 豊見城 大嶺よし子
労惜しむ人ほど口はよく動く 北中城 稲福呑雲
孫離れ子離れよりも耐えがたい 浦添 宮城末子
亀甲墓郵便受けが置かれてる 読谷 国吉真治
そと面にほれて受難の五十年 北中城 国吉安子
八十路来て老々介護待っていた 那覇 なかそね一
アウトドア子らはテントでゲーム中 北中城 大屋みゆき
川柳は勇気をもらう宝物 沖縄 屋慶名昇


天賞渡嘉敷さん:そうですよね。健康に関する記事が、これでもか、これでもかと氾濫して、どれが自分に合うのか分からない状態ではないでしょうか。言い得て妙ですね。
人賞屋良さん:聞きたくないことほど、耳栓をしても聞こえてしまう。上手い表現ですね。

平成29年6月6日掲載分

天賞
消しゴムの屑が内緒を溜めている 那覇 前川真
地賞
喧嘩中扉一つが何千里 北中城 大城勉
人賞
わたくしの価値を知ってる生ビール 八重瀬 森山文切
奨励賞
落選句続くがきっと春は来る 豊見城 松川雄峰
佳作
うるさいがいなけりゃ寂し山の神 宜野湾 安里國基
脳ドック頭の中身写しだす 那覇 友寄英雄
ライバルの快挙に諸手春が来た 読谷 高良秀光
公園の休日明けは鹿の山 沖縄 松岡隆
臓器たち休みも取らず古稀迎え 北中城 小松呑水
目が覚めるまだこの世かとホッとする 沖縄 垣花鷹志
エレベータボタンは友に頼りきり 那覇 上原とよ子
定年後家事の補佐役妻の部下 北中城 宮城好博
シーミーで話尽きない孫自慢 那覇 村吉政常
駅前で日本語うまいねと言われ 那覇 禱ももと
年老いた母の姿に我を見る 豊見城 當間とみ子


天賞前川さん:あーでもない、こーでもないと迷っているうち、答えも見出せぬまま、屑ばかりが溜まっていた。さりげなさの中に、深みのある作品ですね。
選者から一言:ミスしても、消しゴムで消せるように2B以上の鉛筆で作品を書いてくださるようお願いします。

平成29年5月29日掲載分

天賞
脇役もオーケストラに外せない 読谷 島尻卓
地賞
ウインドーのマネキンで知るニューモード 糸満 山城のぶう
人賞
成績の不でき遺伝のせいにされ 那覇 宮良毅
奨励賞
人生に出来たらいいなリハーサル 今帰仁 玉城真光
佳作
配給も質屋も知らぬ現代子 那覇 渡嘉敷唯正
宝くじビルが建つほど買い続け 浦添 上原盛徹
一坪の園芸楽し時忘れ 宜野湾 崎山とし子
四面楚歌潜在力が湧いてくる 読谷 高良秀光
うりずんにハンドルにぎるシニアカー 糸満 佐久本小豆
子が仕切る清明祭にピザとパイ 糸満 名嘉真宣京
年金日カレンダーには二重丸 豊見城 大嶺よしこ
十両で強いが髷はまだ結えず 宜野湾 宮本正
華の女子会に亭主はワンコイン 八重瀬 福地幸代
同期会集えば孫の数比べ 宜野湾 安里國基
墓庭(はかなー)が年々狭く感じられ 読谷 比嘉ケイ


天賞島尻さん:脇役がいるから、主役も光るというものです。脇役を侮ってはいけませんよね。
奨励賞玉城さん:人生のリハーサルの発想が素晴らしいです。
佳作上原さん:ビルが建つほどの誇張表現が効いています。
佳作名嘉真さん:清明祭にピザとパイでしたか、御先祖様もさぞビックリなさったことでしょう。